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式の計算の基本2|2次式の因数分解(その1)

   
   

式の計算の基本1|「展開」と「因数分解」の9個の公式】の続きです.

因数分解はある程度の慣れが必要で,習って理解してもすぐにできるようになるものではありません.しかし,因数分解は数学のあらゆるところに登場するので,数学を学ぶ以上は必ずできるようになっておかなければなりません.

とくに,因数分解の中でも2次式の因数分解は非常に重要です.

また,できるようになるといっても,じっくり時間をかけてではなくx^2-x-2x^2+3x-10程度のものなら見た瞬間に(x-2)(x+1)(x+5)(x-2)と因数分解できる程度のレベルにはなっておきたいところです.

この記事では,とくに因数分解の公式x^2-a^2=(x+a)(x-a)x^2+2ax+a^2=(x+a)^2が使える場合を扱い,次の記事で因数分解の公式acx^2+(bc+ad)x+bd=(ax+b)(cx+d)が使える場合を扱います.

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2次式の因数分解の公式

2次式の因数分解で重要な公式は次の5つです.

x^2+(a+b)x+ab=(x+a)(x+b)
acx^2+(bc+ad)x+bd=(ax+b)(cx+d)
x^2+2ax+a^2=(x+a)^2
x^2-2ax+a^2=(x-a)^2
x^2-a^2=(x+a)(x-a)

しかし,この5つを全て覚える必要はありません.この中でも,acx^2+(bc+ad)x+bd=(ax+b)(cx+d)x^2+2ax+a^2=(x+a)^2x^2-a^2=(x+a)(x-a)を使えれば十分です.

その理由も説明します.

1次の項がないときの因数分解

1次の項がないとき,つまりx^2+qの形の2次式の因数分解を考えます.たとえば,x^2-1x^2-3x^2+1などがこれにあたります.

定数項が負の場合

x^2-1x^2-3など定数項が負の場合には,公式x^2-a^2=(x+a)(x-a)が有効です.この公式を用いると,

x^2-1=x^2-1^2=(x+1)(x-1)
x^2-3=x^2-\left(\sqrt{3}\right)^2=\left(x+\sqrt{3}\right)\left(x-\sqrt{3}\right)

がすぐに得られます.

定数項が正の場合

結論から言うと,x^2+1x^2+3など定数項が正の場合には,実数の範囲で因数分解はできません.しかし,複素数の範囲では因数分解できます.

公式x^2-a^2=(x+a)(x-a)を使いたいならx^2と定数の間は-(マイナス)でなければなりません.ですから,

x^2+1=x^2-(-1)

として考えるわけですが,-1は虚数単位iの2乗です(複素数を習っていない人は飛ばして読んでも構いません).よって,

x^2+1=(x+i)(x-i)

と因数分解できます.同様に,x^2+3=\left(x+\sqrt{3}i\right)\left(x-\sqrt{3}i\right)と因数分解できます.

定数項が0の場合

この場合は,もとからx^2となっていますね.これは既に因数分解の形になっています.よく分からない人は,x^2=(x+0)(x+0)とみれば納得できるかと思います.

1次の係数pと定数項qがpp=4qをみたすときの因数分解

2次式x^2+px+qについて,1次の係数pと定数項qp^2=4qの関係にあるときを考えます.

公式と具体例

このとき,p=2kと置き換えればq=k^2ですから,x^2+2kx+k^2となります.したがって,公式からx^2+2kx+k^2=(x+k)^2です.p=2kとおいたので,

x^2+px+q=\left(x+\dfrac{p}{2}\right)^2

となります.

具体的には,x^2+2x+1x^2-4x+4x^2+x+\dfrac{1}{4}などがこれにあたります.x^2+2x+1についてはp=2q=1ですから,p^2=4qをみたします.したがって,

x^2+2x+1=\left(x+\dfrac{p}{2}\right)^2=(x+1)^2

です.また,x^2-2x+1についてはp=-4q=4ですから,p^2=4qをみたします.したがって,

s^2-4x+4=\left(x+\dfrac{p}{2}\right)^2=(x-2)^2

です.さらに,x^2+x+\dfrac{1}{4}についてはp=1q=1/4ですから,p^2=4qをみたします.したがって,

x^2+x+\dfrac{1}{4}=\left(x+\dfrac{p}{2}\right)^2=\left(x+\dfrac{1}{2}\right)^2

です.

このように,2次式x^2+px+qの1次の係数p,定数項qp^2=4qの関係をみたしていれば,x^2+px+q=\left(x+\dfrac{p}{2}\right)^2と因数分解できます.

補足

ここで考えたいのが,公式x^2+2ax+a^2=(x+a)^2と公式x^2-2ax+a^2=(x-a)^2の関係です.この記事の初めのほうにも書きましたが,x^2-2ax+a^2=(x-a)^2は必要ありません.

というのも,上の例x^2-2x+1であっても公式x^2+2ax+a^2=(x+a)^2で事足りるからです.

では,なぜ公式x^2-2ax+a^2=(x-a)^2を習うのかということですが,数学が得意でない人は文字aが正になったり負になったりすると混乱することが多く,常にa>0として公式x^2+2ax+a^2=(x+a)^2と公式x^2-2ax+a^2=(x-a)^2を分けて考える方が多くの人は理解しやすいのです.

しかし,当然a<0であっても公式x^2+2ax+a^2=(x+a)^2は正しいのですから,慣れてくれば公式x^2-2ax+a^2=(x-a)^2だけで十分なのです.

まとめ

2次式x^2+px+qの因数分解では,

  1. p=0のとき,x^2-a^2=(x+a)(x-a)を用いる.
  2. p\neq0かつp^2=4qのとき,x^2+px+q=\left(x+\dfrac{p}{2}\right)^2と因数分解できる

式の計算の基本3|2次式の因数分解(その2)】に続きます.

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