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微分の基本4|関数の増減を調べる方法,増減表の書き方

  
   

微分の基本3|多項式の導関数と,導関数の性質】の続きです.

xy平面上に関数y=f(x)のグラフを描くときの最も素朴な方法は,x=0x=1x=2,……とy=f(x)に代入していき,通る点を確認する方法です.

このように,通る点をxy平面上に書き込むことを「プロット」と言いますが,グラフはプロットした点を確実に通ります.したがって,プロットすることによってグラフの形がどんな風になるのか,だいたい分かります.

しかし,プロットしてグラフを描く方法では,プロットした点の間ではどのようなグラフになっているのかが分からないという欠点もあります.

たとえば,x=0x=1でプロットしてグラフを書いても,厳密に分かっているのはx=0x=1での値だけであって,0<x<1ではグラフがぐにゃぐにゃに曲がっているかもしれません.

このように考えたとき,関数y=f(x)が増加しているのかになっているのか,減少しているのかが分かれば,安心してグラフを描くことができます.

この関数の増減を調べるために,導関数は非常に有効にはたらきます.

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単調増加と単調減少

最初に,「単調増加」と「単調減少」という言葉を定義します.

[定義] 関数f(x)に対して,f(x)が単調増加であるとは,a<b\Ra f(a)<f(b)が成り立つことをいう.また,f(x)が単調減少であるとは,a<b\Ra f(a)>f(b)が成り立つことをいう.

常に増加している関数を単調増加,常に減少している関数を単調減少というわけです.

別の言い方をすれば,グラフが右上がりなら単調増加,右下がりなら単調減少ということになりますね.例えば,

  1. f(x)=3x+2は単調増加
  2. f(x)=-2x^3+3は単調減少
  3. f(x)=x^2x\le0で単調減少,0\le xで単調増加
  4. 定数関数は単調増加でも単調減少でもない.

となります.これらはグラフを描けばすぐに分かりますが,[定義]からも確かめておきましょう.

1.a<bなら

f(a)=3a+2<3b+2=f(b)

すなわちf(a)<f(b)だから単調増加.

2.a<bならa^3<b^3だから,-2a^3>-2b^3である(負の数をかけると不等号が逆転する).よって,

f(a)=-2a^3+3>-2b^3+3=f(b)

すなわちf(a)>f(b)だから単調減少.

3.a<b\le0ならa^2>b^2だから,

f(a)=a^2>b^2=f(b)

f(a)>f(b)だからx\le0で単調減少.また,0\le a<bならa^2<b^2だから,

f(a)=a^2<b^2=f(b)

すなわちf(a)<f(b)だからx\le0で単調増加.

4.a<bであっても,f(a)=f(b)だから単調増加でも単調減少でもない.

1や2のように全体でなくても,3のように部分的に単調増加,単調減少であるときにもこの言葉を用います.

また,4のように,平らな関数は単調増加でも単調減少でもありません.

微分係数と関数の増減

関数がどこで単調増加で,どこで単調減少であるかが分かれば,グラフが右上がりなのか右下がりなのかが分かり,グラフの形はだいたい分かったことになります.

さて,微分係数は接線の傾きのことでしたから,次の

  1. f'(a)>0とは「x=aでのy=f(x)の接線の傾きが正」
  2. f'(a)<0とは「x=aでのy=f(x)の接線の傾きが負」

ということになります.

さて,グラフの接線の傾きが正なら,グラフは増加しているはずです.逆に,グラフの接線の傾きが負なら,グラフは減少しているはずです.

これは図を見れば明らかでしょう.

以上から,微分係数について,次の[事実]が成り立つことが分かります.

[事実] 関数f(x),実数aに対して,微分係数f'(a)が存在するとする.このとき,

  1. f'(a)>0ならx=aで関数f(x)は増加している
  2. f'(a)<0ならx=aで関数f(x)は減少している

例えば,関数f(x)=x^2とすると,f(x)の導関数はf'(x)=2xですね.

よって,x>0のときにf'(x)=2x>0となりますから,x>0f(x)は常に増加しています.つまり,単調増加であることが分かります.

また,x<0のときにf'(x)=2x<0となりますから,x<0f(x)は常に減少しています.つまり,単調減少であることが分かります.

なお,多項式の導関数については【微分の基本3|多項式の導関数と,導関数の性質】で説明しています.多項式の導関数は瞬時に求められるようにしてください.

増減表

f(x)=x^2を例に見たように,f'(x)=2xからグラフの増減が分かりました.

つまり,関数f(x)に対して,f(x)の導関数f'(x)が求まれば,f'(x)の正負を考えることでグラフが単調増加なのか,単調減少なのかが分かります.

このように,導関数の正負を基にして,関数の増減を表にしたものを増減表といいます.

増減表を書くときに手掛かりとなるのは,f'(x)=0を満たすようなxです.

どういうことかというと,f(x)が連続なら,f(x)>0f(x)<0の間ではf(x)=0となっているはずです.ですから,f'(x)=0を満たすxを境にして,単調増加,単調減少が入れ替わっている可能性があるのです.

以下,いくつか例を挙げます.

例1

f(x)=x^2とします.

導関数はf'(x)=2xなので,f'(x)=0となるxx=0です.また,y=f'(x)=2xのグラフは単調減少だから,

よって,f(x)の増減表は

\begin{array}{|c||c|c|c|} \hline x & \dots & 0 & \dots \\ \hline f'(x) & - & 0 & + \\ \hline f(x) &\searrow & 0 & \nearrow \\ \hline \end{array}

となります.すなわち,f(x)x\le0で単調減少,0\le xで単調増加ですね.確かに,y=f(x)は原点を頂点とする放物線ですから,正しそうですね.

なお,注意ですが,f(x)x<0で単調減少なのはもちろんですが,x\le0でも単調減少です.実際,0<aであればf(0)=0^2<a^2=f(a),すなわちf(0)<f(a)ですから,確かに単調減少の[定義]に従います.

このように,f'(x)<0のところではもちろん,f'(x)=0の部分でも単調減少になることも多いです.

同様に,f(x)x\ge0で単調増加です.

例2

f(x)=\f{1}{4}\bra{x^3+3x^2-9x-7}とします.

導関数はf'(x)=\f{1}{4}\bra{3x^2+6x-9}なので,f'(x)=0となるx

\f{1}{4}\bra{3x^2+6x-9}=0
\therefore 3x^2+6x-9=0
\therefore x^2+2x-3=0
\therefore (x+3)(x-1)=0
\therefore x=-3,1

です.また,

f(-3)=\f{1}{4}\cub{(-3)^3+3\times(-3)^2-9\times(-3)-7}=5
f(1)=\f{1}{4}\cub{1^3+3\times1^2-9\times1-7}=-3

だから,f(x)の増減表は

\begin{array}{|c||c|c|c|c|c|} \hline x & \dots & -3 & \dots & 1 & \dots \\ \hline f'(x) & + & 0 & - & 0 & + \\ \hline f(x) &\nearrow & 5 & \searrow& -3 & \nearrow \\ \hline \end{array}

となります.すなわち,f(x)x\le-31<xで単調増加,-3\le x\le1で単調増加ですね.

増減表から,y=f(x)のグラフは以下のようになります.

Rendered by QuickLaTeX.com

例3

f(x)=-x^3+3x^2-3x+3とします.

導関数はf'(x)=-3x^2+6x-3なので,f'(x)=0となるx

-3x^2+6x-3=0
\therefore x^2-2x+1=0
\therefore (x-1)^2=0
\therefore x=1

です.また,

f(1)=-1^3+3\times1^2-3\times1+3=2

だから,f(x)の増減表は

\begin{array}{|c||c|c|c|} \hline x & \dots & 1 & \dots \\ \hline f'(x) & - & 0 & - \\ \hline f(x) &\searrow & 2 & \searrow \\ \hline \end{array}

となります.すなわち,f(x)は単調減少ですね.

したがって,y=f(x)のグラフは以下のようになります.

Rendered by QuickLaTeX.com

f(x)をよく考えてみると,

f(x)=-x^3+3x^2-3x+3=-(x-1)^3+2

ですから,y=f(x)のグラフは,y=x^3のグラフをx軸方向にちょうど1だけ,y軸方向にちょうど2だけ平行移動したグラフです.

増減表からも確かにそういったことが読み取れますね.

微分の基本5|導関数と極大値,極小値】に続きます.

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