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図形と方程式の基本9|2円の共有点を通る円と直線

  
   

図形と方程式の基本8|円の接線の方程式】の続きです.

前の記事と2つ前の記事で,直線と円の関係について書きました.

この記事では,2つの共有点をもつ円C_1と円C_2が与えられたときに,それら2つ共有点を通る円(または直線)の方程式がどのように求められるのかを考えます.

この公式はこれは単に式を覚えるだけでは,問題に対応できなくなる恐れがあります.なぜ,そのような公式が成り立つのかを理解するようにして下さい.

とくに,この記事の「注意」の部分はよく理解するようにして下さい.

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2つの円の共有点を通る円または直線

2つの共有点をもつ円C_1と円C_2を考えます.

このとき,それら2つの共有点を通る円(または直線)の方程式は次のようにして得られます.

[定理] 2つの共有点をもつ円C_1,円C_2の方程式をそれぞれf(x,y)=0,g(x,y)=0とする.このとき,円C_1を除いて,2つの共有点を通る円(または直線)の方程式は

k\times f(x,y)+g(x,y)=0

で得られる.ただし,kは実数である.

たとえば,円C_1:x^2+y^2=1と円C_2:(x-3)^2+(y+4)^2=25は共有点を2つもちます.円C_1を除いて,この2円を通る円(または直線)は

k(x^2+y^2-1)+\{(x-3)^2+(y+4)^2-25\}=0\dots(*)

で得られます.ただし,kは実数です.

注意

ここで,注意が3つあります.その2つとは

  1. 実数kについて
  2. 「円になる場合」と「直線になる場合」
  3. C_1を除いて」について

です.これらを円C_1:x^2+y^2=1と円C_2:(x-3)^2+(y+4)^2=25を例に説明します.

実数kについて

図形と方程式22

(*)kを動かすことで変化する式です.たとえば,k=1のとき,(*)を整理すると,

2x^2-6x+2y^2+8y-1=0\dots(1)

となって,これは「円の方程式」です.また,k=2のとき,整理すると(*)

3x^2-6x+3y^2+8y-2=0\dots(2)

となって,これも「円の方程式」です.また,k=-1のとき,整理すると(*)

-6x+8y+1=0\dots(3)

となって,これは「直線の方程式」です.

このように,一見(*)は1つの式ですが,実数kを動かすごとに(*)はいろいろな円や直線となるわけです.

つまり,[定理]では,(*)kに実数を”代入する”ことで円や直線の方程式となりますが,どんなkをとってもそれは円C_1と円C_2の2つの共有点を通る,ということを言っているわけです.

「円になる場合」と「直線になる場合」

(*)の左辺をみると,k(x^2+y^2-1)x^2の係数もy^2の係数もともにkです.一方,(x-3)^2+(y+4)^2-25x^2の係数もy^2の係数もともに1です.

したがって,k\neq-1であれば,式(*)ではx^2の項もy^2の項も残り,さらに両方の係数が等しいことから円の方程式になることが分かります.これは,たとえば上の式(1),(2)の場合に相当しています.

また,k=-1であれば,式(*)ではx^2の項もy^2の項も係数が0となりなくなってしまうことから,直線の方程式になることが分かります.これは,たとえば上の式(3)の場合に相当しています.

このことから,式(*)が直線の方程式となるのはk=-1のときに限られ,k\neq-1であれば式(*)は円の方程式となります.

C_1を除いて」について

[定理]の中に「C_1を除いて」という言葉が入っています.これがどういうことか説明します.

書いてきたように,(*)は円C_1と円C_2の共有点を通る円(または直線)ですが,実はどんなkをとっても(*)は円C_1の方程式にはなり得ません.

これは次のように考えられます.

k=0のとき,式(*)は円C_2の方程式を表します.一方,k\neq0であれば,式(*)

(x^2+y^2-1)+\dfrac{1}{k}\{(x-3)^2+(y+4)^2-25\}=0\dots(**)

となります.k0から大きく(または小さく)していくと\dfrac{1}{k}はどんどん0に近づいていくので,式(**)の第2項は0に近づいていきます.

しかし,kをどこまで大きく(小さく)しても,式(**)が円C_1の方程式になることはありません.

したがって,式(*)は円C_1の方程式とはなり得ません.

公式のイメージ

kf(x,y)+g(x,y)=0がなぜ円C_1,C_2の2つの共有点を通る円または直線を表すのかのイメージをもっておくことは重要です.

これは次のように考えられます.

C_1,f(x,y)=0,円C_2:g(x,y)=0の共有点の座標を(x_1,y_1),(x_2,y_2)とします.このとき,点(x_1,y_1),点(x_2,y_2)はともに円C_1,円C_2上の点なので,

f(x_1,y_1)=g(x_2,y_2)=f(x_1,y_1)=g(x_2,y_2)=0

が成り立ちます.よって,式kf(x,y)+g(x,y)=0(x,y)=(x_1,y_1),(x,y)=(x_2,y_2)を代入して成り立つので,点(x_1,y_1),点(x_2,y_2)はともに式kf(x,y)+g(x,y)=0が表す図形上の点であることが分かります.

また,上の注意でみたように,式kf(x,y)+g(x,y)=0は円または直線を表すので,式kf(x,y)+g(x,y)=0は円C_1,C_2の2つの共有点を通る円または直線であることが分かります.

砕けた言い方をすると,

「点(x_1,y_1),(x_2,y_2)はともにf(x,y)=0上,g(x,y)=0上の点なのだから,代入すれば成り立つ.よって,式kf(x,y)+g(x,y)=0に点(x_1,y_1),(x_2,y_2)を代入すれば成り立つので,これら2点は式kf(x,y)+g(x,y)=0上の点だ」

ということです.

あとは,[定理]を完全に証明するためには,円C_1,C_2の2つの共有点を通るC_1でない円または直線kf(x,y)+g(x,y)=0を式kf(x,y)+g(x,y)=0と表せることを示す必要がありますが,これはやや面倒なのでここでは書きません.

ただ単にこの公式を暗記するのではなく,きちんとしたイメージの上で理解しておかないと,よく分からなくなってしまうので注意が必要です.

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