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解答例と考え方|2017年度|京都大学|理系数学問2

  
   

【参考記事:解答例と考え方|2017年度|京都大学|理系数学問1

この記事では,2017年2月25日に行われた京都大学前期入試の「理系数学の問2」の考え方と解法を説明します.

この問題は色々な解法が考えられ,ベクトルを使っても,座標において計算しても,幾何的な性質からも解けます.

いずれにせよ,この問題のポイントは

  1. (1)で比例式の等号をどのように示すか.
  2. (2)で(1)をどのように用いるか

です.

色々な解法の中でも,計算がほとんど不要な幾何的な性質を用いて考えるのが最も楽でしょう.

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問題

2017年京都大学前期入試の「理系数学の問2」は以下の通りです.

問題

四面体OABCを考える.点D,E,F,G,H,Iは,それぞれ辺OA,AB,BC,CO,OB,AC上にあり,頂点ではないとする.このとき,次の問に答えよ.

  1. \Ve{DG}\Ve{EF}が平行ならば,\mrm{AE:EB=CF:FB}であることを示せ.
  2. D,E,F,G,H,Iが正八面体の頂点となっているとき,これらの点はOABCの各辺の中点であり,OABCは正四面体であることを示せ.

空間図形の問題です.

(1)でベクトルが出てきているので,(1)はその流れに乗ってベクトルを用いたり,座標において計算することで解くこともできますが,それほど複雑な計算は必要ないもののあまり賢い方法ではありません.

単純に図形的な性質を用いて考えられます.

問題のイメージ

図は以下の通りです.

Rendered by QuickLaTeX.com

さて,(1)では条件「\Ve{DG}\Ve{EF}が平行」のもとで考えます.他に条件はないので,この平行という条件からなんとか\mrm{AE:EB=CF:FB}を導く必要があります.

この問題の面白いところは,示せと言われている\mrm{AE:EB=CF:FB}は平面ABC上の話ですが,条件にある\Ve{DG}は平面ABC上にありません.

この平面ABC上にない\Ve{DG}をどう平面ABC上に関係させるか,ということがポイントですね.

イメージとしては,もし辺ACと線分EFが平行でなければ,\Ve{EF}をどう平行移動させても平面OAC上に乗りません.必ずブスッと刺さった状態になってしまいます.

このとき,線分DFが平面OAB上の直線であることから,線分DGと線分EFは平行になり得ず,条件「\Ve{DG}\Ve{EF}が平行」に矛盾してしまいます.

よって,ACとEFは平行でなければなりません.

(2)では各辺の内分点が中点であることを用いるわけですが,そのために(1)を利用することになります.

正八面体はその対称性から平行になっている辺がいくつかありますから,そこに(1)を適用することで比が1:1になることを示すことになりそうです.

解法と考え方

まずは「問題のイメージ」で書いた方法で考えます.

辺の長さの比

図形で辺の長さの比に関する条件は,ベクトルの長さの比と見ることもできますが,中学校以来用いてきた「相似」を用いるのが1つの素朴な方法です.

相似を意識すると,辺ACと線分EFが平行であれば\mrm{AE:EB=CF:FB}が成り立つことに気付きますね.

いま,条件から線分EFと線分DGは平行ですから,結局は辺ACと線分DGが平行であることを示せばよいですね.

平面と直線の平行

よく知られているように,「平面上の2直線の平行」は「2直線が交わらないこと」をいいます.

同様に,「空間上の平面と直線の平行」は「平面と直線が交わらないこと」をいいます.

ここで大切なことは,空間上の平面\alphaと直線\ellが平行でなければ,直線\ellは平面\alpha上の任意の直線mと平行ではありません.

Rendered by QuickLaTeX.com

mを平面\alpha上をどのように移動させても回転させても\ellと平行になり得ないことを確認してください.

さて,ここで「直線ACと直線EFが平行でない」と仮定します.

このとき,直線ACと直線EFは同一平面ABC上にあるので,もし直線ACと直線EFが平行でなければ直線ACと直線EFは交わります.

この交点をPとすると,直線ACは平面OAB上の直線なので点Pも平面ABC上の点となり,直線EFと平面OABは点Pで交わるので平行ではありません.

Rendered by QuickLaTeX.com

よって,直線EFは平面OAB上の直線である直線DGと平行ではないことが分かり,条件「\Ve{DG}\Ve{EF}が平行」に矛盾します.

したがって,仮定「直線ACと直線EFが平行でない」は誤りで,直線ACと直線EFは平行と分かります.

ここで,背理法を使おうと思った理由は,「平行でない」という条件より,「平行である」という条件の方が条件として扱いやすいからです.

【参考記事:背理法2|背理法が有効な証明の2つのタイプと例

中点であること

(2)では各辺の内分点が中点であることを示すわけですが,(1)では「\Ve{DG}\Ve{EF}が平行」なら\mrm{AE:EB=CF:FB}となることが分かりました.

「D,E,F,G,H,Iが正八面体の頂点」であれば,\Ve{DG}\Ve{EF}が平行なので\mrm{AE:EB=CF:FB}となります.

このとき,\Ve{DG}\Ve{EF}だけではなく他にも平行な直線の組があります.

それらにも(1)を適用すれば,等しい辺の比がどんどん分かっていきます.このように,辺の比を移していくと,

\mrm{AE:EB=CF:FB=CI:IA=BE:EA}

となります.

つまり,\mrm{AE:EB=BE:EA}ですから,\mrm{AE}^2=\mrm{EB}^2となって\mrm{AE}=\mrm{EB}が従います.

他の辺も同様に考えれば,全ての内分点が中点であることが分かります.

正四面体であること

四面体ABCDが正四面体であるとは,四面体ABCDの全ての辺が等しいことが定義ですから,これを示したいと考えます.

その際,例えば三角形ABCに注目すると,点Eと点Fはそれぞれ辺ABと辺BCの中点であり,線分EFと辺ACは平行だったので,相似により2\mrm{EF}=\mrm{AC}となります.

同様にして,たとえば2\mrm{IF}=\mrm{AB}なので,\mrm{EF=IF}に注意すれば\mrm{AC=AB}が成り立ちます.

他の辺も同様にして,四面体ABCDの全ての辺が等しいことが分かります.

解答

以下,解答例です.

(1)の解答

直線EFと直線ACが平行でないと仮定する.

このとき,直線EFと直線ACは交わるので,その交点をPとする.

点Pは直線EF上の点でもあり,平面OAB上の点でもあるから,直線EFと平面OABは点Pで交わる.

よって,直線EFと平面OABは平行でないから,直線EFと平面OAB上の直線DGは平行でないが,これは\Ve{DG}\Ve{EF}が平行であることに矛盾する.

したがって,仮定は誤りで,直線DGと直線ACは平行である.

これより,平行線の同位角が等しいことを用いれば,\ang{BEF}=\ang{BAC}かつ\ang{BFE}=\ang{BCA}が成り立つから,二角相等により\tri{BAC}\tri{BEF}は相似である.

よって,\mrm{AE:EB=CF:FB}が従う.

(2)の解答

D,E,F,G,H,Iが正八面体の頂点であれば,\mrm{EF=FG=GD=DE}である.すなわち四角形EFGDは正方形なので,\Ve{DG}\Ve{EF}は平行である.

よって,(1)より\mrm{AE:EB=CF:FB}である.

同様に,\mrm{CF:FB=CI:IA}\mrm{CI:IA=BE:EA}も成り立つから,\mrm{AE:EB=BE:EA}である.よって,\mrm{AE}^2=\mrm{EB}^2だから,\mrm{AE}>0かつ\mrm{EB}>0より\mrm{AE}=\mrm{EB}となって,点Eは辺ABの中点である.

他の各辺の内分点も,同様に各辺の中点であることが従う.

点Eは辺ABの中点だから2\mrm{BE}=\mrm{BA}であり,(1)から\tri{BAC}\tri{BEF}は相似だったから,2\mrm{EF}=\mrm{AC}が成り立つ.

同様に,2\mrm{FI}=\mrm{BA}2\mrm{IE}=\mrm{CB}も成り立つから,\mrm{EF=FI=IE}となって\mrm{AC=BA=CB}が成り立つ.

よって\tri{ABC}は正三角形である.

同様に,\tri{OAB}\tri{OBC}\tri{OCA}も正三角形だから,四面体OABCの全ての辺の長さが等しく,四面体OABCは正四面体である.

【関連記事:解答例と考え方|2017年度|京都大学|理系数学問3

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