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漸化式の基本1|漸化式の導入

  
   

数列の基本6|等差×等比の和】の続きです.

「漸化式」は数列の知識をある程度前提とする分野であるため,数列が苦手な人にとってはとても辛い分野です.しかし,「数列」とそれに続く「漸化式」は数学のあらゆる場面に登場するため,必ずモノにしたい分野です.

高校数学で出題される「漸化式」は「解く」ことが出来るものが多く,それらの「解き方」は確立されています.そのため,「解ける漸化式」は空気を吸うように解けるようになっていることが望まれます.

とはいっても,「公式を使えるだけで理解していない」というのはよくないですから,まずはしっかり「漸化式」を理解してください.

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漸化式

たとえば,数列\{a_n\}は次を満たすとします.

  1. a_1=1
  2. 任意の正整数nに対して,a_{n+1}=a_{n}+2

2に関して,この関係式a_{n+1}=a_{n}+2をひとつひとつ実際に書き下すと,

n=1のときa_2=a_1+2
n=2のときa_3=a_2+2
n=3のときa_4=a_3+2,……

ということになっています.いま,a_1=1でしたから,関係式a_{n+1}=a_n+2をつかえば,a_2a_3,……が順に決まっていくことが分かります.実際に計算すると

a_2=a_1+2=1+2=3,
a_3=a_2+2=3+2=5,
a_4=a_3+2=5+2=7,\dots

となりますね.

数列\{a_{n}\}に関する関係式a_{n+1}=a_{n}+2のように,順にa_{n}の値が決まっていくような関係式を「漸化式」と言います.読みは「ぜんかしき」です.

漸化式を解く

漸化式が与えられたとき,その漸化式から数列の一般項が明示的に書けるとは限りません.

しかし,漸化式によっては数列の一般項が明示的に掛ける場合もあり,そのように漸化式から数列の一般項を導くことを「漸化式を解く」と言います.

以下で,”解ける”漸化式を見ます.

例1

漸化式a_1=1,a_{n+1}=a_{n}+2を考えます.この漸化式は上で見たように,

a_1=1,
a_2=3=2+1,
a_3=5=2\times 2+1,
a_4=7=2\times 3+1,\dots

となります.このことから,漸化式a_1=1,a_{n+1}=a_{n}+2で与えられる数列\{a_n\}は初項1,公差2の等差数列a_n=2n-1であろうと予想できます.

実際,漸化式a_{n+1}=a_{n}+2a_{n+1}-a_{n}=2と変形でき,nによらず常にa_{n+1}a_nの差は2であることが分かります.このことは,まさに数列\{a_n\}が公差2の等差数列であることを示しています.

よって,数列\{a_n\}は初項1,公差2の等差数列なので,

a_n=2(n-1)+1=2n-1

が得られます.

例2

漸化式b_1=2,b_{n+1}=3b_{n}を考えます.この漸化式は,

b_1=2,
b_2=3\times b_1=3\times2,
b_3=3\times b_2=3^{2}\times2,
b_4=3\times b_3=3^{3}\times2,\dots

となります.このことから,漸化式b_1=2,b_{n+1}=3b_{n}で与えられる数列\{b_n\}は初項2,公差3の等差数列b_n=2\times3^{n-1}であろうと予想できます.以下でこれを示します.

漸化式b_{n+1}=3b_{n}\dfrac{b_{n+1}}{b_{n}}=3と変形でき,nによらず常にb_{n+1}b_n3であることが分かります.このことは,まさに数列\{b_n\}が公比3の等比数列であることを示しています.

よって,数列\{b_n\}は初項2,公比3の等比数列なので,

b_n=2\times3^{n-1}

が得られます.

例3

(この例では対数を用いるので,分からない人は飛ばしても構いません)

漸化式c_1=4,c_{n+1}={c_{n}}^3を考えます.この漸化式は,

c_1=4,
c_2={c_1}^3=4^{3},
c_3={c_2}^3=(4^3)^3=4^{9},
c_4={c_3}^3=(4^9)^3=4^{27},\dots

となります.このことから,漸化式c_1=4,c_{n+1}={c_{n}}^3で与えられる数列\{c_n\}の一般項はc_n=4^{(3^{n-1})}であろうと予想できます.以下でこれを示します.

漸化式c_{n+1}={c_{n}}^2は底2で対数をとると,\log_{2}c_{n+1}=3\log_{2}c_{n}となるので,d_n=\log_{2}c_{n}とおくと,d_{n+1}=3d_{n}となります.

また,d_1=log_{2}c_1=log_{2}4=2なので,数列\{d_n\}d_1=2,d_{n+1}=3d_{n}を満たします.これは例2で見た\{b_n\}に関する漸化式と同じですから,\{d_n\}の一般項はd_n=2\times3^{n-1}と分かります.

d_n=\log_{2}c_{n}からc_n=2^{d_{n}}なので,漸化式c_1=4,c_{n+1}={c_{n}}^3の一般項は

c_n=2^{2\times3^{n-1}}=(2^2)^{(3^{n-1})}=4^{(3^{n-1})}

と分かります.

補足

この記事で見た漸化式はa_n,a_{n+1}に関する関係式でしたが,例えばa_{n+2}=2a_{n+1}-a_{n}のような,a_n,a_{n+1},a_{n+2}に関する関係式も漸化式と言います.

漸化式は色々考えることができ,上でも書いたように,漸化式が与えられてもそれが必ずしも解けるとは限りません.例えば,a_{n+1}={a_{n}}^2+\sqrt{a_n}+5は漸化式ですが,この漸化式を解くのはかなり困難です.

一方,解くことのできる漸化式にはいくつかパターンがあり,それらをパターンごとに解けるようにしておくことは大切です.

特に,例1,例2のような等差数列,等比数列を表す漸化式は非常に基本的で,見た瞬間に一般項が分かるくらいになっておきたいところです.

漸化式の基本2|等差数列,等比数列の漸化式】に続きます.

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