【SPONSORED LINK】

数列の基本2|等差数列と等比数列の和の公式

  
   

[動画解説あり]

前の記事【数列の基本1|等差数列と等比数列の一般項】の続きです.

数列の中でも,等差数列と等比数列は非常に基本的です.

初項をa,公差をd,公比をrとすると,等差数列の一般項はa+(n-1)d,等比数列の一般項はar^{n-1}と表せることは前の記事に書きました.

この記事では等差数列の和,等比数列の和を考えます.

【SPONSORED LINK】

数列の和

数列の項を順に足し合わせていったものを「数列の和」といい,「数列の和」を考えるときには基本的にはn項までの和として考えることが多いです.

また,数列の項を無限に足していく場合は「無限級数」と言い,これは数IIIの範囲です.

関連カテゴリー:無限級数

シグマ記号

さて,数列の和の記号を導入します.

i<jとし,数列\{a_n\}の第i項から第j項までの和a_i+a_{i+1}+\dots+a_j

\displaystyle\sum_{k=i}^{j}a_k

と表します.

つまり,\displaystyle\sum_{k=i}^{j}a_k=a_i+a_{i+1}+\dots+a_jですね.\displaystyle\sum_{k=i}^{j}a_kは「a_kkに,iを代入したものからjを代入したものまでを順に足せ」という意味なわけです.

なお,この\Sigmaは18番目のギリシャ文字で「シグマ」と読みます.なお\Sigmaは大文字で,小文字は\sigmaと書きます.

シグマ記号の例

\sumを実際に使ってみると,たとえば,

  1. \displaystyle\sum_{k=1}^{n}k=1+2+3+\dots+n
  2. \displaystyle\sum_{k=1}^{n}2^k=2+4+8+\dots+2^n
  3. \displaystyle\sum_{k=3}^{n}k^2=9+16+25+\dots+n^2
  4. \displaystyle\sum_{k=10}^{20}\dfrac{1}{k}=\dfrac{1}{10}+\dfrac{1}{11}+\dfrac{1}{12}+\dots+\dfrac{1}{20}

となります.

ずらずらと足し算を並べていてはスペースの無駄ですし,書くのに時間がかかります.ですから,\sumはスペースと時間の節約のために使われるのです.

\sumが現れると難しく感じてしまう人もいるようですが,「\Sigmaとか大袈裟な記号を使ってるけど,中身はただの和a_i+a_{i+1}+\dots+a_jやな」と頭の中で自動で変換できるくらいにして下さい.

動画解説

等差数列

等差数列の初項から第n項までの和を求めます.つまり,\sum\limits_{k=1}^{n}\{a+(n-1)d\}を求めます.

等差数列の和の公式は公式自体を丸暗記していては,すぐに忘れてしまいます.ではどうすればいいのかというと,公式の導出法を覚えてしまいます.

公式の導出法は難しくないので,一度理解してしまえば公式の導出法はすぐに覚えられますし,納得すれば忘れません.

実際,私も公式自体ではなく公式の導出法を覚えており,必要な時には公式の導出法を考えて公式を導きます.慣れれば数秒もかかりません.

公式を自分で導ければ丸暗記するよりもずっと安心できますし,なによりちゃんと理解できている証拠にもなります.

等差数列の和の公式

初めに結果を書いてしまいますが,等差数列の初項から第n項までの和の公式は

\displaystyle\sum_{k=1}^{n}\{a+(n-1)d\}=\dfrac{n\{2a+(n-1)d\}}{2}

です.たとえば,数列3,\ 7,\ 11,\ 15,\ 19,\ \dotsは初項3,公差4の等差数列ですからa=3,\ d=4です.この数列の初項から第50項までの和は公式から,

\dfrac{50(2\times3+(50-1)\times4)}{2}
=50(3+49\times2)
=150+49\times100
=5050

と分かります.

この程度はさっとできるようになりたいところです.

【参考記事:計算ミスを減らす方法

「等差数列の和の公式」の導出

公式を導出します.

まず,和をS_nとおきます.つまり,

S_n=a+(a+d)+(a+2d)+\dots+\{a+(n-1)d\}

です.また,これは第n項から初項に向かって逆に足すと考えれば,

S_n=\{a+(n-1)d\}+\{a+(n-2)d\}+\{a+(n-3)d\}+\dots+a

と表せます.この2式の両辺を足せば,

\begin{matrix}&S_n&=&a&+&\dots&+&\{a+(n-1)d\}\\ -)&S_n&=&\{a+(n-1)d\}&+&\dots&+&a\\ \hline &2S_n&=&2a+(n-1)d&+&\dots&+&2a+(n-1)d\end{matrix}

となります.このとき,右辺は2a+(n-1)dn個足されているので,n\{2a+(n-1)d\}となります.つまり,

2S_n=n\{2a+(n-1)d\}

が成り立ちます.両辺を2で割って,求める公式

S_n=\dfrac{n\{2a+(n-1)d\}}{2}

が得られます.

「等差数列の和の公式」の直感的な導出

少し厳密性がありませんが,直感的には次のように考えれば,すぐに出ます.

n項までの等差数列a,a+d,a+2d,\dots,a+(n-1)dの平均は,初項aと末項a+(n-1)dの平均

\dfrac{a+\{a+(n-1)d\}}{2}=\dfrac{2a+(n-1)d}{2}

に一致します.よって,第n項までの等差数列の和a+(a+d)+(a+2d)+\dots+\{a+(n-1)d\}はこの平均\dfrac{2a+(n-1)d}{2}n倍に等しくなります.

したがって,

a+(a+d)+(a+2d)+\dots+\{a+(n-1)d\}=\dfrac{n\{2a+(n-1)d\}}{2}

が得られます.

重要な場合

初項1,公差1の場合の数列1,\ 2,\ 3,\ 4,\ \dotsの和は特に重要です.この場合,a=1,\ r=1ですから,初項から第n項までの和は

1+2+3+\dots+n=\displaystyle\frac{n(n+1)}{2}

となります.これも,初項1と末項nの平均\frac{n+1}{2}nをかけたものになっていることを確認してください.

等比数列

等比数列の初項から第n項までの和を求めます.つまり,\displaystyle\sum_{k=1}^{n}ar^{n-1}を求めます.

こちらも,等差数列の和の公式同様,導出法から納得することが大切です.そうすればそう簡単に忘れることはありません.

等比数列の和の公式は公比がr=1の場合とr\neq1の場合の2種類ありますが,r=1の場合は簡単なので重要なのはr\neq1の場合です.

等比数列の和の公式

初めに結果を書いてしまいますが,等比数列の初項から第n項までの和の公式は

\displaystyle\sum_{k=1}^{n}ar^{n-1} =\begin{cases} \dfrac{a(r^n-1)}{r-1}&(r\neq1)\\ an&(r=1) \end{cases}

です.

r≠1の場合

たとえば,数列3,\ 6,\ 12,\ 24,\ 38,\ \dotsは初項2,公比3の等比数列ですからa=3,\ r=2です.この数列の初項から第10項までの和は公式から,

\dfrac{3(2^{10}-1)}{2-1}=3(1024-1)=3069

と分かります.

このように,初項3,公比2の数列でもたった第10項までの和が3000をこえています.等比数列は急激に増加しますので,等比級数の和も急激に増加しますから,和は意外と大きな値になります.

なお,2^nn=10までは覚えておくと非常に便利です.

r=1の場合

また,数列7,\ 7,\ 7,\ 7,\ \dotsは初項7,公比1の等比数列ですから,a=7,\ r=1です.この数列の初項から第50項までの和は公式から,

7\times50=350

と分かります.こちらは公式を用いないでも,和は明らかでしょう.

「等比数列の和の公式」の導出

公式を導出します.

r≠1の場合

まず,和をS_nとおきます.つまり,

S_n=a+ar+ar^2+\dots+ar^{n-1}

です.両辺にr-1をかければ,

(r-1)S_n=(r-1)\left(a+ar+ar^2+\dots+ar^{n-1}\right)

となります.この右辺は

(r-1)\left(a+ar+ar^2+\dots+ar^{n-1}\right)\\ =a(r-1)\left(1+r+r^2+\dots+r^{n-1}\right)\\ =a\left\{(r-1)+(r^2-r)+(r^3-r^2)+\dots+(r^n-r^{n-1})\right\}\\ =a(-1+r^n)

と変形できるので,

(r-1)S_n=a(-1+r^n)

が成り立ちます.両辺をr-1で割って,求める公式

S_n=\dfrac{a(r^n-1)}{r-1}

が得られます.

r=1の場合

r=1のとき,数列はa,\ a,\ a,\ a,\ \dotsですから,初項から第n項までの和が

a+a+a+\dots+a=na

となることは明らかでしょう.

ポイント

因数分解

実は,次の因数分解は有名です.異なる実数a,\ bと,任意の自然数nに対し,

x^n-y^n=(x-y)(x^{n-1}+x^{n-2}y+x^{n-3}y^2+\dots+y^{n-1})

となります.これを知っていれば,x=r,\ y=1の場合,

r^n-1=(r-1)(r^{n-1}+r^{n-2}+r^{n-3}+\dots+1)

を考え,両辺に\dfrac{a}{1-r}をかけることで,すぐに等比数列の和の公式\dfrac{r^n-1}{r-1}=a+ar+ar^2+\dots+ar^{n-1}が得られます.

rによって形を変える

公比がr\neq1の場合の和は\dfrac{a(r^n-1)}{r-1}ですが,これは分母分子に-1をかけて\dfrac{a(1-r^n)}{1-r}とも書けます.

どちらも同じものですが,公比が1より大きいときは\dfrac{a(r^n-1)}{r-1}を使うと分母分子が正の数になり,一方,公比が1より小さいときは\dfrac{a(1-r^n)}{1-r}を使うと,分母分子が正の数になります.

このように,公比が1より大きいか小さいかで公式の形を使い分ければ,計算が少し見やすくなります.

動画解説

以下の動画でこの記事の内容を解説しています.

次の記事【数列の基本3|1乗和,2乗和,3乗和の公式と導出】に続きます.

関連記事

以下,関連記事です.

【良いと思ったらシェアを!】

SNSでもご購読できます。