ひねられても応用できる数学の勉強法1|証明編1

数学の勉強法

証明は根幹といっても良いほど数学の中で重要なものですが,証明問題が苦手という人は少なくありません.

証明問題が苦手の人の理由の多くは「何をしたらいいのか分からない」というもののようで,問題集の解答を見ても「なぜこんな解答が思いつくんだろう……」と感じてしまうことも多いようです.

しかし,実は

  • 解答を思い付くまでのプロセス
  • 実際の解答

は同じではありません.

このことが分かれば,パッと数学の考え方が分かるようになります.

「解答を思いつくまでのプロセス」と「実際の解答」は違う!

問題集の模範解答を見て,

「なんでこんな綺麗な解法が思い付くんや…….僕には無理や…….」

と思ってしまう人は少なくありません.

しかし,おそらく解答を書いた人は,模範解答の流れで問題を考えている少ないです.つまり,「解答を思い付くまでのプロセス」≠「模範解答」なのです.

多くの参考書は不親切である!

私は「多くの問題集の解答はとても不親切」だと思っています.

というのも,「解答はこうですよ」と模範解答だけが書いてあり,「なぜその解答で解けると思ったのか」というプロセスが書かれていないことが多いからです.

しかし,【ひねられても応用できる勉強法|常に意識すべき2つのこと】でも書いたように,「なぜその解法で解けるのか」が分かっていなければ応用はできません.

苦手な人は「なぜ」が分からないため,ポイントが何か分からず結局苦手なままになってしまうのです.

さて,数学が苦手な人は求値問題よりも証明問題の方が苦手な傾向にありますが,実は証明問題の方が考え方は簡単なことが多いです.

つまり,証明問題の「解答を思いつくまでのプロセス」はそれほど難しくないのです.

証明問題が求値問題と大きく異なる点は結論が分かっていることです.

求値問題では,答えが出てもそれが正しいか自分だけでは確認のしようがありません.

しかし,証明問題は「~を示せ.」という風に,結論が問題の中に明示されていますから,これを利用しない手はありません.

証明問題は結論が分かっている.これを利用したい.

証明問題は逆算で考える

証明問題は結論が分かっているのですから,「逆から考える(逆算)」がとても効果的です.

証明問題の多くは「[仮定]であるとき,[結論]を示せ.」という形式であることが多いです.

このとき,[仮定]から[結論]に向かうのが難しいのであれば,[結論]から[仮定]に向かって考えるのです.

例えば,「[仮定X]であるとき,[結論A]を証明せよ.」という問題があったとします.これを「逆算」で考えようとすると次のようになります.

最初に考えることは「Aを証明するには,何を言えばいいのだろう?」です.

つまり,「どういうことが分かれば,Aが分かるのか」ということですね.そこで,「Aを証明するには,Bが分かればいいな」というBを考えます.

そして,次に考えることは「Bを証明するには,何を言えばいいのだろう?」です.

つまり,「どういうことが分かれば,Bが分かるのか」ということですね.そこで,「Bを証明するには,Cが分かればいいな」というCを考えます.

このように,Aからどんどん別の条件を変えていくわけです.

すると,AからB,BからC,……とこの条件が[仮定X]に近付いていれば,そのうち[仮定X]にまでたどり着くはずです.

AからB,BからC,……と何段階さかのぼれば[仮定X]にたどり着くかは問題によりますが,例えばCの次に[仮定X]にたどり着いたとすれば,答案は次のように書けばいいのです.

「仮定XからCが成り立つ.よって,Bが成り立つので,Aが示された.」

上で考えたように,「解答を思いつくまでのプロセス」はA→B→C→Xでしたが,「解答」はその逆でX→C→B→Aです.というのは,Aを示せと言われている以上,Aが成り立っているのかは分からないからです.そのため,Aから出発してはいけないのです.

繰り返しますが,問題集の解答の多くはあのまま解答を思い付いているわけではなく,逆算で解答を考えてから,逆に書き下ろしていることが多いです.

実は,証明問題に限らず求値問題でも逆算が有効な場合が多いのですが,とくに証明問題の方が逆算が有効な場合が多いです.

証明問題は結論から逆に考えることで解けることが多い.

逆算が有効な理由

数学があまり得意ではない人に多い悩みの1つに「どこから手をつけていいのか分からない」というものがあります.

この悩みが起こる理由はよく分かります.

というのも,数学は結論は1つであっても,その結論にたどり着くまでのプロセスが1つではないからです.

証明問題の問題文の[仮定]から分かることはたくさんあって,そのうちのどれを使えば[結論]にたどり着けるのか分からなくなってしまうわけです.

「正しいこと」はそこらじゅうに転がっていて,どれを使えばいいのか分からない.したがって,「どこから手をつけていいのか分からない」となるのです.

別の言い方をすれば,「結論に向かえているのか分からない」ということになるでしょうか.

ですが,「逆算」の考え方を使えば,「正しい方向に向かっているか分からない」といった悩みは不要になります.

「スタートからゴールにいくのが難しいなら,ゴールから戻ればいい」わけです.安直な考えですが,この考え方が結構有効なのです.

とくに,証明問題では「ゴールがどこかは問題文を見れば分かる」ので,考える必要がないのです.

ゴールが分かれば,先ほど考えたように条件を簡単な方に落としていくことで解くことができます.

木の根元に[仮定]があって,てっぺんに[結論]があるイメージですね.

根元の[仮定]から[結論]に向かおうとしても,枝分かれがたくさんあって,どれが[結論]に続く枝か分からないのです.一方,[結論]から[仮定]に向かう場合には,まっすぐ根元に進めば自然と[仮定]にたどり着きます.

[仮定]から出発するといろんな選択肢があって迷いかねない.[結論]から出発すれば一本道で考えられることが多い.

管理人

プロフィール

山本やまもと 拓人たくと

元予備校講師.講師として駆け出しの頃から予備校の生徒アンケートで抜群の成績を残し,通常の8倍の報酬アップを提示されるなど頭角を表す.

飛び級・首席合格で大学院に入学しそのまま首席修了するなど数学の深い知識をもち,本質をふまえた分かりやすい授業に定評がある.

現在はオンライン家庭教師,社会人向け数学教室での講師としての教育活動とともに,京都大学で数学の研究も行っている.専門は非線形偏微分方程式論.大学数学系YouTuberとしても活動中.

趣味は数学,ピアノ,甘いもの食べ歩き.

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