解答例と考え方|2021年度|京都大学|理系数学問2

この記事では,2021年2月25日に行われた京都大学前期入試の「理系数学の問2」の考え方と解法を説明します.

この問2は

  • 線分の長さを導けるか
  • 微分をうまく処理できるか

がポイントです.

定石通りの問題なので確実に解き切りたい問題です.

問題

2021年度京都大学前期入試の「理系数学の問2」は以下の通りです.

曲線$y=\dfrac{1}{2}(x^{2}+1)$上の点Pにおける接線は$x$軸と交わるとし,その交点をQとおく.線分PQの長さを$L$とするとき,$L$が取りうる値の最小値を求めよ.

$xy$平面上の曲線$y=\dfrac{1}{2}(x^{2}+1)$は下に凸な放物線で$x$軸に関して$y>0$側にあり,この上を点Pが動きます.

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点Pが$x=0$にあるときは$x$軸と平行になって$x$軸と交点をもちませんから,点Pは$x\neq0$を動かすことになります.

$x>0$と$x<0$は対称なので,ここでは$x>0$としましょう.

点Pが$x=0$の近くにあるときはほとんど$x$軸に平行なので,$x$軸との交点Qは点Pとかなり離れています.

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この状態から点Pの$x$座標を大きくしていくと,点Pでの接線の傾きはどんどん大きくなり線分PQの長さも短くなってきます.

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しかし,点Pの$x$座標を大きくしすぎると,点Pの$y$座標が大きくなっていき,線分PQが長くなっていきます.

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このように,点Pの$x$座標は$0$に近すぎても大きすぎても,線分PQの長さは長くなってしまうので,点Pがどこにあれば最も線分PQが短くなるかを問われているわけですね.

考え方

素直に処理していっても引っ掛かるところもなく解けますが,気付けば処理が楽になるポイントがあります.

接戦が絡む問題では,接点の$x$座標を$t$などとおくのは定石中の定石ですね.

本文では点Pでの接線を考えるので,点Pの$x$座標を$t$とおきましょう.

このとき,線分PQの長さの2乗$L^2$は

\begin{align*} L^2=\frac{(t^2+1)^3}{4t^2} \end{align*}

とり,これを最小にすればよいわけですが,これを単に$t$で微分するのでは筋がよくありません.

$t$は全て$t^2$のかたまりとなっているので,少なくとも$s=t^2$などとおきたいところです.

もう少し工夫するなら,$t^2+1$に注目して$t=\tan{\theta}$とおけば$t^2+1=\dfrac{1}{\cos^2{\theta}}$となるので

\begin{align*} L^2 =&\frac{1}{4\tan^2{\theta}\cos^6{\theta}} =\frac{1}{4(\tan{\theta}\cos^3{\theta})^2} \\=&\frac{1}{4(\sin{\theta}\cos^2{\theta})^2} =\frac{1}{4\{\sin{\theta}(1-\sin^2{\theta})\}^2} \end{align*}

となります.これより$\sin{\theta}(1-\sin^2{\theta})$を最大にすればよいことになり,より計算の見通しが良くなります.

もっと追いかけるなら,$s=\sin{\theta}$とおけば$s$の多項式を最大にする問題にまで帰着しますね.

解答例

以下,解答例です.

$x$軸に関して対称だから$x\geqq0$で考える.

点Pの座標を$\bra{t,\dfrac{1}{2}(t^2+1)}$ ($t\geqq0$)とする.$y=\dfrac{1}{2}(x^{2}+1)$を$x$で微分すると

\begin{align*} y'=\frac{1}{2}(2x+0) \iff y'=x \end{align*}

だから,点Pでの接線の方程式は

\begin{align*} &y=t(x-t)+\frac{1}{2}(t^{2}+1) \\\iff&y=tx-\frac{1}{2}t^2+\frac{1}{2} \end{align*}

である.よって,点Pでの接線が$x$軸と交わるのは$t\neq0$のときである.

このとき,点Qの$x$座標は

\begin{align*} 0=tx-\frac{1}{2}t^2+\frac{1}{2} \iff x=\frac{t^2-1}{2t} \end{align*}

だから

\begin{align*} L^2 =&\bra{t-\frac{t^2-1}{2t}}^2+\brb{\frac{1}{2}(t^2+1)}^2 \\=&\bra{\frac{t^2+1}{2t}}^2+\bra{\frac{t^2+1}{2}}^2 \\=&\frac{(t^2+1)^2}{4t^2}(1+t^2) =\frac{(t^2+1)^3}{4t^2} \end{align*}

となる.

ここで

  • $t=\tan{\theta}$ $\bra{0<\theta<\dfrac{\pi}{2}}$
  • $\sin{\theta}=s$

とおくと

\begin{align*} L^2 =&\frac{1}{4\tan^2{\theta}\cos^6{\theta}} =\frac{1}{4(\tan{\theta}\cos^3{\theta})^2} \\=&\frac{1}{4(\sin{\theta}\cos^2{\theta})^2} =\frac{1}{4\{s(1-s^2)\}^2} \end{align*}

となる.$s$は$0<s<1$を動くから,この範囲で$s(1-s^2)$が最大となるとき$L^2$が最小になるので,$L$が最小になる.

$f(s)=s(1-s^2)$とおくと$f'(s)=1-3s^2$なので,$f'(s)=0\iff s=\frac{1}{\sqrt{3}}$だから,$0<s<1$での$f(s)$の増減表は

\begin{align*} \begin{array}{c||c|c|c|c|c} s & 0 & \dots & \frac{1}{\sqrt{3}} & \dots & 1 \\ \hline f'(s) & \times & + & 0 & - & \times \\ \hline f(s) & \times & \nearrow & \frac{2}{3\sqrt{3}} & \searrow & \times \end{array} \end{align*}

となる.

以上より,$L$の最小値は

\begin{align*} \sqrt{\frac{1}{4\bra{\frac{2}{3\sqrt{3}}}^2}} =\sqrt{\frac{27}{16}} =\frac{3\sqrt{3}}{4} \end{align*}

である.

最後までありがとうございました!

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