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解答例と考え方|2017年度|東京大学|数学(理科)問1

  
   

この記事では,2017年2月25日に行われた東京大学前期入試の「数学(理科)の問1」の考え方と解法を説明します.

この問題のポイントは

  1. 2倍角の公式,3倍角の公式を使えるか.
  2. 定義域付きの関数を正しく扱えるか.

です.

解答の方針は一本道ですし,一つ一つもそれほど難しくないので,落ち着いて確実に解きたい問題です.

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問題

2017年東京大学前期入試の「数学(理科)の問1」は以下の通りです.

実数abに対して

f(\theta)=\cos3\theta+a\cos2\theta+b\cos\theta

とし,0<\theta<\piで定義された関数

g(\theta)=\dfrac{f(\theta)-f(0)}{\cos\theta-1}

を考える.

  1. f(\theta)g(\theta)x=\cos\thetaの整式で表せ.
  2. g(\theta)0<\theta<\piの範囲で最小値0をとるためのabについての条件を求めよ.また,条件を満たす点(a,b)が描く図形を座標平面上に図示せよ.

三角関数と多項式(放物線)の最大最小に関する問題です.

abの条件が出れば,点(a,b)の軌跡を図示することはできるでしょう.

解法と考え方

(1)の誘導から,(2)では定義域付きの関数の最小値を考える方針が見えますね.

2倍角の公式と3倍角の公式

(1)では,x=\cos\thetaとしているので,f(\theta)\cos3\theta\cos2\theta\cos\thetaで表す必要があります.

そのためには,\cosの2倍角の公式,3倍角の公式が必要です.

なお,加法定理からすぐに導出できるとはいえ,\cos\sinの2倍角の公式,3倍角の公式は覚えておくべきでしょう.

\cos2\theta=2\cos^{2}\theta-1
\cos3\theta=4\cos^{3}\theta-3\cos\theta
\sin2\theta=2\sin\theta\cos\theta
\sin3\theta=3\sin\theta-4\sin^{3}\theta

なお,「任意の正の整数nに対して,\cos n\theta\cos\thetan多項式で表すことができ,最高次の係数が2^{n-1}である」ということは知っておくとよいでしょう.

詳しく知りたい人は「Chebyshev(チェビシェフ)多項式」で検索してください.

放物線の最大最小

いま考えたことから,f(\theta)=\cos3\theta+a\cos2\theta+b\cos\theta\cos\thetaの3次関数で表すことができ,最高次の係数が2^{3-1}=4であることが分かります.

ここで,f(\theta)\cos\thetaxに置き換えた3次関数をF(x)とします.

\theta=0のときx=1なので,g(\theta)=\dfrac{F(x)-F(1)}{x-1}と平均変化率の形をしています.したがって,\dfrac{F(x)-F(1)}{x-1}x-1で約分することができ,g(\theta)xの2次関数で,最高次の係数が4となります.

よって,y=g(\theta)xy平面上に表すと,下に凸な放物線となります.

このとき,0<\theta<\piから-1<x<1なので,定義域付きの放物線の最小値が0ということから,abの条件が出てきますね.

基本問題によくあるように,軸の位置によって最小値が変化したり,なくなったりします.

解答

以下,解答例です.

(1)の解答

\cosの2倍角の公式,3倍角の公式から,

f(\theta)=\cos3\theta+a\cos2\theta+b\cos\theta
=(4\cos^{3}\theta-3\cos\theta)+a(2\cos^{2}\theta-1)+b\cos\theta
=4x^{3}+2ax^{2}+(b-3)x-a

である.よって,\theta=0のときx=1であることに注意すると,

f(\theta)-f(0)
=(4x^{3}+2ax^{2}+(b-3)x-a)-(4+2a+(b-3)-a)
=4(x-1)(x^2+x+1)+2a(x-1)(x+1)+(b-3)(x-1)
=(x-1)\cub{4(x^2+x+1)+2a(x+1)+(b-3)}

だから,

g(\theta)
=4(x^2+x+1)+2a(x+1)+(b-3)
=4x^2+2(a+2)x+2a+b+1

を得る.

(2)の解答

(1)と同じくx=\cos\thetaとすると,

g(\theta)=4x^2+2(a+2)x+2a+b+1
=4\bra{x+\dfrac{a+2}{4}}^2-\dfrac{(a+2)^2}{4}+2a+b+1
=4\bra{x+\dfrac{a+2}{4}}^2-\dfrac{a^2}{4}+a+b

である.

x=\cos\theta0<\theta<\piからxの動く範囲は-1<x<1である.

よって,-\dfrac{a+2}{4}\le-1または1\le-\dfrac{a+2}{4}のときは最小値を持たない.すなわち,2\le aまたはa\le-6のときは最小値を持たない.

一方,-1\le\dfrac{a+2}{4}\le1\iff -6<a<2のときは,0<\theta<\piにおいてg(\theta)は最小値-\dfrac{a^2}{4}+a+bをとる(最小値をとるのはx=-\dfrac{a+2}{4}のとき).

よって,最小値0をとるためのabについての条件は,-6<a<2かつ

0=-\dfrac{a^2}{4}+a+b
\iff b=\dfrac{a^2}{4}-a
\iff b=\dfrac{1}{4}(a-2)^{2}-1

である.

これを図示すると,以下の実線となる.

Rendered by QuickLaTeX.com

ただし,実線の両端は含まない.

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