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ひねられても応用できる数学の勉強法2|証明編2

多くの問題集の解答は「解答のプロセス」を抜きに解答をいきなり書き始めるため,「なんでこんな綺麗な解答が思い付くんや……」と悩んでしまう人は少なくありません.

前回の記事では,『解答を思いつくまでのプロセス』と『実際の解答』は違うということを説明しました.

また,証明問題では[結論]が分かっているので,[結論]から逆にたどって考える「逆算」がとても便利な考え方であることも説明しました.

この逆算の考え方が身につけば,証明問題にもかなり手をつけやすくなります.

さて,この記事では具体的に証明問題を逆算の考え方を使って解きます.

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解答を思いつくまでのプロセス

いきなり解答を書き始めるのは良くありません.

いつでも,解答の方針を考えてから,解答を書き始める癖をつけるようにしてください.

解答の方針を立てるのは私もやっていることですし,意識的にせよ無意識的にせよ数学が得意な多くの人は方針を立ててから解答を書いています.

さて,以下の問題を考えましょう.

[問] 実数a,b,ca+b+c=0をみたすとき,a^2-bc=b^2-ca=c^2-abであることを示せ.

Step.1

示すことは

A「a^2-bc=b^2-ca=c^2-ab

ですね.

まず考えることは「Aを証明するには,何を言えばいいのだろう?」です.

X=Y=Z」のように2つの等号によって繋がっている式は,「X=YかつY=Z」と式を2つに分けたものと同じでしたから,「Aを証明するには

B『a^2-bc=b^2-caかつb^2-ca=c^2-ab

を言えばいいな」と分かります.

Step.2

次に考えることは「Bを証明するには,何を言えばいいのだろう?」です.

等式を証明するときには,「(左辺)-(右辺)=0」を言えばいいのでしたから,「Bを証明するには

C『(a^2-bc)-(b^2-ca)=0かつ(b^2-ca)-(c^2-ab)=0

を言えばいいな」と分かります.

Step.3.1

次に,Cの前半部分C’「(a^2-bc)-(b^2-ca)=0」を証明しますが,ここで注意があります.

いきなり「(a^2-bc)-(b^2-ca)=0より」と始める人がいますが,それは間違いです.

というのは,まだC’の式が成り立つことは分かっていないので,(a^2-bc)-(b^2-ca)=0という情報を使ってはいけないからです.

例えるなら,国語辞典で「数学」を説明するために「数学」という言葉を使っているようなもので,今から証明したいことが成り立っているように書くのはアウトです.

さて,このC’のような式を示す場合には左辺を変形していって,最終的に0にたどり着くようにすれば良いのです.

それでは,左辺を変形していきましょう.

\begin{align*} (a^2-bc)-(b^2-ca) =&a^2-bc-b^2+ca \\=&(a^2-b^2)+(-bc+ca) \\=&(a-b)(a+b)+c(a-b) \\=&(a-b)(a+b+c) \end{align*}

さて,ここで問題の条件を見てみると,a,b,ca+b+c=0を満たしているので,これは0となります.よって,C’が成り立ちます.

Step.3.2

Cの後半部分C”「(b^2-ca)-(c^2-ab)=0」もC’と同様に変形すると,(a-b)(a+b+c)となりa+b+c=0からC”も成り立ちます.

ですから,このC’とC”から仮定にたどり着くわけです.

以上から,答案の大まかな流れは

a+b+c=0からC’とC”が成り立つ.よって,Bが成り立つので,Aが示された.」

とすればいいのです.

この流れで,次のように解答が書けます.

解答

仮定より,a+b+c=0なので,

\begin{align*} (a^2-bc)-(b^2-ca) =&a^2-bc-b^2+ca \\=&(a^2-b^2)+(-bc+ca) \\=&(a-b)(a+b)+c(a-b) \\=&(a-b)(a+b+c)=0 \end{align*}

であり,

\begin{align*} (b^2-ca)-(c^2-ab) =&b^2-ca-c^2+ab \\=&(b^2-c^2)+(-ca+ab) \\=&(b-c)(b+c)-a(b-c) \\=&(b-c)(a+b+c)=0 \end{align*}

が成り立つ.よって,a^2-bc=b^2-caかつb^2-ca=c^2-abが成り立つので,a^2-bc=b^2-ca=c^2-abが示された.

まとめ

「解答に書く解答」はこれだけ短いのに,「解答を思いつくまでのプロセス」はけっこう長いですね.

この「解答」を書くためには,それだけの背景が必要なのです.繰り返しますが,私も「解答」を書くために,この「解答を思いつくまでのプロセス」を考えます.

多くの問題集の解答は「考え方」を抜きにして「解答」だけが書かれているため,「解答」を読んだだけでは「なぜこのような『解答』を思いついたのか」が分からず,「こんなもん思い付けるか!!」となってしまうのです.

解答の裏には必ず「考え方」があります.

問題集を読むときには,「その『解答』の裏にある『考え方』を自分で考える」ことで数学の感覚が身に付きます.

このことは,以下の記事で「問題を解いたら『なぜその解法で解けたのか』を考える」と書いたこととも関連しています.

「解答を思いつくまでのプロセス」は長い.「解答」読んで,その裏にある「解答を思いつくまでのプロセス」を考えることで,(証明)問題の考え方が身につく.

次の記事では,以下の問を逆算で解きます.

少し難しいですが,一度自分で考えてみてください.

[問] 実数x, y, zx+y+z=aかつx^3+y^3+z^3=a^3をみたすとき,x, y, zのうち少なくとも1つはaであることを示せ.

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