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三角関数4|有名角の三角関数は覚えるな!図で判断するコツ

前回の記事では,小学校から使ってきた角度の表し方である「度数法」に代わって,数学的に都合の良い角度の表し方である「弧度法」を考えました.

「弧度法」は「○○ラジアン」という角度の表し方をするもので,半径1の扇形においては「(中心角)[\mrm{rad}]=(弧の長さ)」が成り立つのでした.

今回の記事では,具体的にラジアンを用いて有名角の三角関数の値を考えていきます.

有名角の三角関数の値はサラサラと書けるようになっておかなければなりませんが,丸覚えしているようではいつミスが起こってもおかしくありません.

しっかり図をイメージして値がどうなるか理解しておいてください.

この記事では,0^\circ\leqq\theta\leqq90^\circでない一般の\thetaに対して,有名角の\sin{\theta}\cos{\theta}\tan{\theta}の値の考え方を説明します.

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前回までの確認

念の為,

  • 有名角の三角比
  • 三角関数の定義

を確認しておきましょう.

三角比

三角比は直角三角形によって定義されるので,\sin{\theta}\cos{\theta}\tan{\theta}の角度\theta0^\circ<\theta<90^\circの場合に限定されていました.

この\thetaの範囲を弧度法を用いて表せば,0<\theta<\dfrac{\pi}{2}ですね.

この範囲の三角比は当たり前にしておかないといけませんね.

有名角の三角比
\theta 30^\circ\bra{=\dfrac{\pi}{6}} 45^\circ\bra{=\dfrac{\pi}{4}} 60^\circ\bra{=\dfrac{\pi}{3}}
\sin{\theta} \dfrac{1}{2} \dfrac{\sqrt{2}}{2} \dfrac{\sqrt{3}}{2}
\cos{\theta} \dfrac{\sqrt{3}}{2} \dfrac{\sqrt{2}}{2} \dfrac{1}{2}
\sin{\theta} \dfrac{1}{\sqrt{3}} 1 \sqrt{3}

この覚え方と考え方については以下の記事を参考にしてください.

有名角の三角比の値は,有名角の三角関数の値を考える際に基準となる.度数法で書かれても,弧度法で書かれても,すぐに言えるようにしておく.

 三角関数の定義の確認

\sin{\theta}, \cos{\theta}, \tan{\theta}\theta0<\theta<\dfrac{\pi}{2}の範囲にない場合には,三角関数の定義通りにきちんと単位円を描いて考えましょう.

\thetaを実数とする.このとき,偏角\thetaの単位円周上の点Pについて,Pのx座標を\cos{\theta},Pのy座標を\sin{\theta}と定義する.

Rendered by QuickLaTeX.com

また,\cos{\theta}\neq0のとき,\tan{\theta}=\dfrac{\sin{\theta}}{\cos{\theta}}と定義する.

この単位円周上の点のx座標が\cosで,y座標が\sinというのはしっかり覚えておきましょう.

以下では,点Pを単位円周上の偏角\thetaの点(\cos{\theta},\sin{\theta})とします.

いま確認した

  • 有名角の三角比
  • 三角関数の定義

がしっかり頭に入っていれば,有名角の三角関数の値は覚えるようなものではありませんよ.

三角関数の増減

三角関数を考えるときには,点Pが単位円周上を一周するときに,\cos, \sin, \tanのそれぞれでどのように増減しているか考えることがポイントです.

cosの増減

単位円上の点のx座標が\cosなので,点Pが単位円周上を一周するとき,つまり,\theta0\leqq\theta\leqq2\piの範囲を動くとき,以下のように\cosは増減します.

[1] 0\leqq\theta\leqq\pi\ (0^\circ\leqq\theta\leqq180^\circ)のとき

下図のように\cos{\theta}は1から-1まで減少しますね.

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[2] \pi\leqq\theta\leqq2\pi\ (180^\circ\leqq\theta\leqq360^\circ)のとき

下図のように\cos{\theta}-1から1まで増加しますね.

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よって,\cos{\theta}の増減を表に表すと,以下のようになります.

\cos{\theta}の増減
\theta 0 \dots \pi \dots 2\pi
\cos{\theta} 1 \searrow -1 \nearrow 1

sinの増減

単位円上の点のy座標が\sinなので,点Pが単位円周上を一周するとき,つまり,\theta0\leqq\theta\leqq2\piの範囲を動くとき,以下のように\sinは増減します.

[1] 0\leqq\theta\leqq\dfrac{\pi}{2}\ (0^\circ\leqq\theta\leqq90^\circ)のとき

下図のように\sin{\theta}は0から1まで増加しますね.

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[2] \dfrac{\pi}{2}\leqq\theta\leqq\dfrac{3\pi}{2}\ (90^\circ\leqq\theta\leqq270^\circ)のとき

下図のように\sin{\theta}は1から-1まで増加しますね.

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[3] \dfrac{3\pi}{2}\leqq\theta\leqq2\pi\ (270^\circ\leqq\theta\leqq360^\circ)のとき

下図のように\sin{\theta}-1から0まで増加しますね.

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よって,\sin{\theta}の増減を表に表すと以下のようになります.

\sin{\theta}の増減
\theta 0 \dots \dfrac{\pi}{2} \dots \dfrac{3\pi}{2} \dots 2\pi
\sin{\theta} 0 \nearrow 1 \searrow -1 \nearrow 0

tanの増減

単位円の点(1,0)での接線x=1と,直線OPの交点のy座標が\tan{\theta}となるのでした.

このことから,単位円上の点Pが単位円周上を一周するとき,つまり,\theta0\leqq\theta\leqq2\piの範囲を動くとき,以下のように\tanは増減します.

[1] 0\leqq\theta<\dfrac{\pi}{2}\ (0^\circ\leqq\theta<90^\circ)のとき

下図のように\sin{\theta}は0から\inftyまで増加しますね.(正確に表現すれば,\theta\to\dfrac{\pi}{2}-0のとき\sin{\theta}\to\infty)

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[2] \dfrac{\pi}{2}<\theta<\dfrac{3\pi}{2}\ (90^\circ<\theta<270^\circ)のとき

下図のように\sin{\theta}-\inftyから\inftyまで増加しますね.(正確に表現すれば,\theta\to\dfrac{\pi}{2}+0のとき\sin{\theta}\to-\infty\theta\to\dfrac{3\pi}{2}-0のとき\sin{\theta}\to\infty)

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[3] \dfrac{3\pi}{2}\leqq\theta\leqq2\pi\ (270^\circ<\theta<360^\circ)のとき

下図のように\sin{\theta}-\inftyから0まで増加しますね.(正確に表現すれば,\theta\to\dfrac{3\pi}{2}+0のとき\sin{\theta}\to-\infty)

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よって,\tan{\theta}の増減を表に表すと以下のようになります.

\tan{\theta}の増減
\theta 0 \dots \dfrac{\pi}{2} \dots \dfrac{3\pi}{2} \dots 2\pi
\sin{\theta} 0 {}_{0}\nearrow^{\ \infty} × {}_{-\infty}\nearrow^{\ \infty} × {}_{-\infty}\nearrow^{\ 0} 0

\tan{\theta}は点Pがy軸上にあるときには定義されないことを思い出してください.

単位円周上の点Pを一周させれば,定義から\cos{\theta}\sin{\theta}の増減が分かる.また,単位円の点(1,0)での接線x=1と,直線OPの交点のy座標が\tan{\theta}となることから,単位円周上の点Pを一周させれば\cos{\theta}\sin{\theta}の増減が分かる.

有名角の三角関数

以上より,三角関数の値は0^\circ\leqq\theta\leqq90^\circの場合の点Pに対して,y軸,x軸に関して折り返して考えることで,以下のように有名角の三角関数の値が得られます.

繰り返しますが,以下の三角関数の表は覚えるものではなく,単位円を描けば簡単に得られます.

有名角のcos

[1] 0\leqq\theta\leqq\piのとき

1から-1まで減少し,

\cos{\theta}の有名角1
\theta 0 \dfrac{\pi}{6} \dfrac{\pi}{4} \dfrac{\pi}{3} \dfrac{\pi}{2} \dfrac{2\pi}{3} \dfrac{3\pi}{4} \dfrac{5\pi}{6} \pi
\cos{\theta} 1 \dfrac{\sqrt{3}}{2} \dfrac{\sqrt{2}}{2} \dfrac{1}{2} 0 -\dfrac{1}{2} -\dfrac{\sqrt{2}}{2} -\dfrac{\sqrt{3}}{2} -1

となります.

[2] \pi\leqq\theta\leqq2\piのとき

-1から1まで増加し,

\cos{\theta}の有名角2
\theta \pi \dfrac{7\pi}{6} \dfrac{5\pi}{4} \dfrac{4\pi}{3} \dfrac{3\pi}{2} \dfrac{5\pi}{3} \dfrac{7\pi}{4} \dfrac{11\pi}{6} 2\pi
\cos{\theta} -1 -\dfrac{\sqrt{3}}{2} -\dfrac{\sqrt{2}}{2} -\dfrac{1}{2} 0 \dfrac{1}{2} \dfrac{\sqrt{2}}{2} \dfrac{\sqrt{3}}{2} 1

となります.

有名角のsin

[1] 0\leqq\theta\leqq\dfrac{\pi}{2}のとき

0から1まで増加し,

\sin{\theta}の有名角1
\theta 0 \dfrac{\pi}{6} \dfrac{\pi}{4} \dfrac{\pi}{3} \dfrac{\pi}{2}
\sin{\theta} 0 \dfrac{1}{2} \dfrac{\sqrt{2}}{2} \dfrac{\sqrt{3}}{2} 1

となります.

[2] \dfrac{\pi}{2}\leqq\theta\leqq\dfrac{3\pi}{2}のとき

1から-1まで減少し,

\sin{\theta}の有名角2
\theta \dfrac{\pi}{2} \dfrac{2\pi}{3} \dfrac{3\pi}{4} \dfrac{5\pi}{6} \pi \dfrac{7\pi}{6} \dfrac{5\pi}{4} \dfrac{4\pi}{3} \dfrac{3\pi}{2}
\sin{\theta} 1 \dfrac{\sqrt{3}}{2} \dfrac{\sqrt{2}}{2} \dfrac{1}{2} 0 -\dfrac{1}{2} -\dfrac{\sqrt{2}}{2} -\dfrac{\sqrt{3}}{2} -1

となります.

[3] \dfrac{3\pi}{2}\leqq\theta\leqq2\piのとき

-1から0まで増加し,

\sin{\theta}の有名角3
\theta \dfrac{3\pi}{2} \dfrac{5\pi}{3} \dfrac{7\pi}{4} \dfrac{11\pi}{6} 2\pi
\sin{\theta} -1 -\dfrac{\sqrt{3}}{2} -\dfrac{\sqrt{2}}{2} -\dfrac{1}{2} 0

となります.

有名角のtan

[1] 0\leqq\theta<\dfrac{\pi}{2}のとき

0から\inftyまで増加し,

\tan{\theta}の有名角1
\theta 0 \dfrac{\pi}{6} \dfrac{\pi}{4} \dfrac{\pi}{3} \dfrac{\pi}{2}
\tan{\theta} 0 \dfrac{1}{\sqrt{3}} 1 \sqrt{3} ×

となります.

[2] \dfrac{\pi}{2}<\theta<\dfrac{3\pi}{2}のとき

-\inftyから\inftyまで減少し,

\tan{\theta}の有名角2
\theta \dfrac{\pi}{2} \dfrac{2\pi}{3} \dfrac{3\pi}{4} \dfrac{5\pi}{6} \pi \dfrac{7\pi}{6} \dfrac{5\pi}{4} \dfrac{4\pi}{3} \dfrac{3\pi}{2}
\tan{\theta} × -\sqrt{3} -1 -\dfrac{1}{\sqrt{3}} 0 \dfrac{1}{\sqrt{3}} 1 \sqrt{3} ×

となります.

[3] \dfrac{3\pi}{2}\leqq\theta\leqq2\piのとき

-\inftyから0まで増加し,

\tan{\theta}の有名角3
\theta \dfrac{3\pi}{2} \dfrac{5\pi}{3} \dfrac{7\pi}{4} \dfrac{11\pi}{6} 2\pi
\tan{\theta} × -\sqrt{3} -1 -\dfrac{1}{\sqrt{3}} 0

となります.

偏角\thetaの単位円周上の点を考えれば,三角関数の値は覚えなくても分かる.

最後まで読んで下さってありがとうございました!

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