「浪人生したけど予備校には行かず,自宅で一人で勉強を頑張る」という,いわゆる宅浪があります.宅浪はある程度のリスクもありますが,ちゃんと戦略的に宅浪すれば,下手に予備校に通うより高い効果を得ることもできます.
なお,私がいまから浪人して大学入試をやり直せと言われれば,宅浪を選択します.
それは,私が「既に大学に合格する力があるから予備校に通う必要がないから」ということではなく,「予備校で授業を聞いているよりも自分で勉強するほうが効率が良いから」です.
浪人生でなくても下手に学校の授業を聞くぐらいなら,授業を無視して全て自学自習でまかなったほうが良いこともあります.
「でも,それって才能がある人しかでけへんのちゃうの?」
いいえ,私はそうは思いません.私はちゃんと戦略的な勉強をしていれば,特別な才能がない人でも可能だと思います.
集団授業のメリットとデメリットを知る
【クラス授業の2つのメリットと2つのデメリット】でも書きましたが,授業のメリットは
- 全ての範囲を1通りさらえる
- 全体像を掴める
ということです.一方,授業のデメリットは
- 自分に合った勉強ができない
- 演習が少ない
です.はっきり言って,授業のメリットはそこまで厚くありません.
集団授業というのは,学年や学校単位でみればとても効率が良いシステムです.一回の授業で何十人もの生徒が同時に学ぶことができます.
ですが,個人で見てみれば集団授業は非常に非効率なシステムです.というのは,生徒によって理解度は異なるので,その授業内容が生徒にあったものであることが少ないからです.
ですから,自分に合わない授業をだらだらと何時間も聞き続けるよりも,自分で勉強したほうが良いこともあるというわけです.
自分だけで勉強するために必要なこと
ただやみくもに努力するだけではいけません.導いてくれる人がいないわけですから,それなりに作戦を立てて勉強することが必要になってきます.
そのなかでも,「自分の力を把握する」ということはとても重要です.
「授業がない,競争相手がいない」という状況の中でも,自分の力を正しく把握する必要があります.
「自分はこれができていない,ここが他の受験生よりも劣っていそうだ」ということを自分で判断できなければなりません.つまり,自分に厳しくある必要があります.
逆に,これができれば宅浪はほぼ成功します.ほぼというのは言いすぎかもしれませんが,これができれば実力はどんどん伸びていきます.
この自己判断は宅浪ではなく予備校に通っていたとしても,このことはとても重要です.
むしろ,これができない人が落ちます.
できないことから目を背けることが成績を伸ばす障害となります.勉強とは「できないことを認識する→それを克服する」の繰り返しだということは必ず意識しておく必要があります.
【参考記事:自分が向き合うべき課題|すぐにはできなくても構わない】
自分だけで勉強するために注意すること
宅浪をするときの注意点は
- 生活リズム
- モチベーション
です.
生活リズム
学校や予備校に通う必要がない宅浪生は,生活リズムが乱れがちです.
一度早起きが途絶えると,ズルズルと生活時間が夜型になります.朝は非常に勉強に向いている時間であるのに対して,夜は勉強に不向きな時間です.
ほとんどの入試は朝にありますから,生活リズムが夜に偏った状態で入試に突入してしまうと,試験中に頭がはたらきません.
とても優秀な生徒が朝に弱いために,実力を発揮できなかったために不合格となる例はよくあります.
朝に頭がはたらくようにしておくことは必要です.
【参考記事:朝型生活のススメ1|朝型でないとマズイ2つのワケ】
【参考記事:朝型生活のススメ2|無理せず生活リズムを変える方法】
モチベーション
一人で勉強するというのは想像以上に辛いです.1年間,宅浪で一人で黙々とできないところを潰していく作業は精神的にかなり堪えます.
また,周りの人間の努力が見えないと刺激がありません.ですから,「自分も頑張ろう」と思うことができません.自分から頑張る必要があります.
実際にモチベーションが下がることもあるでしょう.これはやる気がないとかそういう問題ではなく,これは心理的な問題です.
そんなときは,休んでみるのもアリです.予備校に通うデメリットとしては「移動時間」があります.
片道1時間なら1日で2時間の損失があります.もちろん電車内で単語帳を読むこともできますが,環境が悪いため頭への定着率も落ちます.
その分,宅浪生は外を走るなどの運動を取り入れても良いでしょう.
勉強には体力も必要です.つまり,運動することが実は勉強に良い結果をもたらします.
モチベーションが下がった時は思い切って,一旦勉強を中断するべきときもあります.
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