【SPONSORED LINK】

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

物理の基本|物理におけるベクトルの扱い方

高校で物理を習うと最初に学ぶ分野が力学であり,他の分野でも力学は当たり前に使える前提で話が進みます.

この意味で,高校物理において力学は最も基本的かつ重要な分野です.

ですから,物理を習い始めて力学でコケてしまうと,そのままズルズルと物理が分からなくなってしまいます.

力学を理解するには,はたらいている力や速度などをきちんと図で表せるようになることが重要で,これらを記述するために「矢印」を用います.

この「矢印」は数学の言葉では「ベクトル」と呼ばれ,物理現象の多くの場面で頻繁に用いられます.

この記事では,高校物理における「ベクトル」の扱い方を簡単に説明します.

【SPONSORED LINK】

ベクトルの基本

高校数学では数Bでベクトルを学びますが,高校物理で用いるベクトルは数Bで習うほどのことを必要としません.

高校物理でのベクトルの扱いは「ベクトルの和」,「ベクトルの分解」を理解していればほぼ十分です.

ベクトル

簡単に言えば,向きを指定した線分のことを「ベクトル」と言い,ベクトルは

  • 向き
  • 大きさ(長さ)

の2つにより定まります.

高校の範囲では,ベクトルは\ve{a}のように上に矢印をつけて表します.

また,「ベクトル」の”矢の側”を終点,”矢とは反対側”を始点と言います.

さて,ベクトルは「向き」と「大きさ」から定まるものだったので,どこにあろうが関係ありません.つまり,平行移動させてぴったり一致するならば,それらは同じベクトルです.

よって,具体的には,下図のベクトルは全て同じベクトルです.

Rendered by QuickLaTeX.com

したがって,気持ちとしては「ベクトル」とは「平行移動させてもよい矢印」だと思ってほとんど差し支えありません.

ベクトルは「平行移動させても良い矢印」と考えればよい.

ベクトルの和

ベクトル\ve{a}, \ve{b}の合成を考えます.

\ve{a}の終点に\ve{b}の始点を”連結”させたとき,「『\ve{a}の始点』を始点,『\ve{a}の終点』を終点」とするベクトル\ve{c}を考えることができます.

この\ve{c}を「\ve{a}\ve{b}の和」といい,\ve{a}+\ve{b}で表します.

Rendered by QuickLaTeX.com

ベクトルの和に関しては,\ve{a}+\ve{b}=\ve{b}+\ve{a}が成り立ちます.

つまり,「ベクトルの和」を考えるときには,「\ve{a}の終点に\ve{b}の始点を”連結”させて」考えても,「\ve{b}の終点に\ve{a}の始点を”連結”させて」考えても同じものになります.

また,\ve{a}と大きさが等しく,向きが逆のベクトルを\ve{a}逆ベクトルといい,-\ve{a}で表します.

Rendered by QuickLaTeX.com

また,「\ve{a}-\ve{b}の和」は\ve{a}-\ve{b}と表します.

ベクトル\ve{a}, \ve{b}を繋ぎ合わせて新たなベクトルを作ることを「ベクトルの和」という.

また,ベクトル\ve{a}と逆向きのベクトルを逆ベクトルといい,-\ve{a}と表す.

ベクトルの分解

ベクトル\ve{c}を考えます.

このとき,下図のように\ve{c}が対角線になる平行四辺形を考えれば,\ve{c}=\ve{a}+\ve{b}となるようなベクトル\ve{a}, \ve{b}に分解することができます.

Rendered by QuickLaTeX.com

このように,「ベクトルの和」の逆で,1つのベクトルを2つ以上のベクトルに分解することを「ベクトルの分解」といいます.

ただし,上の図でも\ve{c}が対角線になる平行四辺形はいくつも考えられるので,「ベクトルの分解」は1通りではなく,いくつも考えられます.

したがって,「ベクトルの分解」は扱いやすいようにうまく分解することが必要ですが,そこまで技巧的な分解が必要な場面はまずありません.

1つのベクトルを2つ(以上)のベクトルの和で表すことができる.これを「ベクトルの分解」という.

ベクトルの例

物理でベクトルを使う基本的な例としては「力」,「速度」が挙げられます.

力学では,物体にはたらく力を理解することが大切で,

  • 力の向き
  • 力の大きさ
  • 力の作用点

の3つは「力の三要素」と呼ばれ,これらはいつでも意識しておきたいものです.

この力の三要素は言ってみれば,「どの点」に「どれくらいの大きさ」の力が「どの向き」にはたらいているのかということで,こう考えれば確かに大切だということは直感的にも分かるでしょう.

作用点を気にする場合にはベクトルの始点を[作用点]にとって表します.

とくに,物体が大きさを持つ物体(=剛体)として考えるときには,「作用点」がどこであるのかは大切で,作用点が違えば異なる運動をします.

いずれにせよ,ベクトルを用いることで,力の三要素を視覚的に表すことができるわけですね.

「力」では「力の三要素」である向き,大きさ,作用点が大切である.このうち,向きと大きさをベクトルで表し,作用点をベクトルの始点で表す.

速度

実は「速さ」と「向き」は異なる概念なのですが,これらの違いを言えるでしょうか?

答えは

  • 速さは「時間当たりの移動距離を表すもの」
  • 速度は「速さ」と「向き」を併せたもの

です.

「速さ」はどの方向に向かっていようが関係ありません.

例えば,「東に時速3kmで歩き,折り返して西に時速3kmで歩く」とき,これはずっと同じ時速3kmの「速さ」で歩いています.

一方,「速度」は向きを含めて考えるので,「同じ時速3kmの『速度』で歩いた」と言うことはできません.

というのは,折り返す前と折り返した後では向きが変わっているので,同じ速度ではないからです.

このように,「速度が同じ」というためには,「速さ」に加えて「向き」も同じでなければなりません.

さて,こう考えると,

  • 「速さ」をベクトルの大きさ
  • 「進む方向」をベクトルの向き

で表すことにより,「速度」をベクトルで表すことができますね.

「速度」は「速さ」と「向き」を合わせたものである.「速さ」,「向き」をそれぞれベクトルの「大きさ 」,「向き」で表す.

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

【SPONSORED LINK】