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場合の数の基本5|同じものを含む順列の考え方と公式

  
   

場合の数の基本4|円順列と数珠順列の考え方と公式】の続きです.

前回の記事では,「円順列」と「数珠順列」について書きました.

これまでもそうでしたが,場合の数を考える際には「重複をどのように考えるか」ということがキーポイントになります.前回の記事で説明した「円順列」と「数珠順列」も「重複をどのように考えるか」ということがネックになっていました.

重複の考え方が大切なものは,ほかに「同じものを含む順列」と「重複組み合わせ」があります.

これらはどちらも一つの壁のようで,ここで分からなくなる人がとても多いように思います.

この「場合の数」の一連の記事の最初にも書いたことですが,「場合の数」や「確率」では「あくまで数え上げたいだけ」ということは常に意識しておいてください.

しかし,当然のことながら,場合の数が多くなると書き並べて求めるのが難しくなります.その場合に公式を使うのです.

最初から公式を使おうとしていると,何をやっているのか分からなくなってしまいますから,しっかり考え方を理解して問題に取り組むようにしてください.

「重複組み合わせ」は次の記事で書くことにし,この記事では「同じものを含む順列」について詳しく説明します.

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同じものを含む順列の考え方

次の[問1]を考えます.

問1

[問1] 赤色のカードが3枚,白色のカードが5枚ある.これら8枚のカードを一列に並べてできる並びは全部で何通りか.

[解答]

赤色のカードをr,白色のカードをwとする.

まず,全てのカードを区別して考える.赤のカードをr_1r_2r_3,白のカードをw_1w_2w_3w_4w_5とする.

このときは普通の順列なので,カードの並びは全部で8!通りある.

ここで,赤色のカードの区別をなくすことを考える.

たとえば,r_{1}r_{2}r_{3}w_{1}w_{2}w_{3}w_{4}w_{5}という並びで赤のカードの区別をなくしたものはrrrw_{1}w_{2}w_{3}w_{4}w_{5}となる.同様に,r_{1}r_{3}r_{2}w_{1}w_{2}w_{3}w_{4}w_{5}という並びで赤のカードの区別をなくしたものはrrrw_{1}w_{2}w_{3}w_{4}w_{5}となる.

同様に,赤色のカードの区別をなくすことでrrrw_{1}w_{2}w_{3}w_{4}w_{5}という並びになるものは,8!通りの中に3!通りある.

このように,赤色のカードの区別をなくすことで同じ並びになるものは,8!通りの中に3!通りずつある.

よって,赤色のカードの区別がない並べ方は全部で\f{8!}{3!}通りある.

次に,白色のカードの区別をなくすことを考える.

赤色の場合と同様に,白色のカードの区別をなくすことで同じ並びになるものは,\f{8!}{3!}通りの中に5!通りずつある.

よって,求める場合の数は\f{8!}{3!5!}=56である.

[解答終]

次のように考えることもできます.

[別解]

カードを並べる場所は,全部で8ヶ所ある.

このうち,赤色のカードを並べる場所を選ぶ場合の数は{}_{8}\mrm{C}_{3}である.

赤色のカードを並べる場所を決めれば,白色のカードを並べる場所は決まるから,求める場合の数は{}_{8}\mrm{C}_{3}=56である.

[別解終]

[解答]と[別解]の分かりやすい方で理解してください.

[解答]はまず並べてみてから重複分で割る考え方で,[別解]は並べる場所を選ぶ考え方です.

問2

種類が増えても同様に考えることができます.例えば,次の[問2]を考えます.

[問2] 赤色のカードが3枚,白色のカードが2枚,黒色のカードが4枚,青色のカードが3枚ある.これら12枚のカードを一列に並べてできる並びは全部で何通りか.

[解答]

まず,全てのカードを区別して考えると,カードの並びは全部で12!通りある.

赤色のカード,白色のカード,黒色のカード,青色のカードの区別をなくすことで同じ並びになるものはそれぞれ3!2!4!3!通りあるから,求める場合の数は\f{12!}{3!2!4!3!}=39600である.

[解答終]

次のように考えることもできます.

[別解]

カードを並べる場所は,全部で12ヶ所ある.

このうち,最初に赤色のカードを並べる場所を選ぶ場合の数は{}_{12}\mrm{C}_{3}であり,次に白色のカードを並べる場所を選ぶ場合の数は{}_{9}\mrm{C}_{2}であり,次に黒色のカードを選ぶ場合の数は{}_{7}\mrm{C}_{4}である.

赤色のカード,白色のカード,黒色のカードを並べる場所を決めれば,青色のカードを並べる場所は決まるから,求める場合の数は{}_{12}\mrm{C}_{3}\times{}_{9}\mrm{C}_{2}\times{}_{7}\mrm{C}_{4}=39600である.

[別解終]

「順列なのに{}_{n}\mrm{C}_{r}を使うのはなぜですか?」という質問がたまにあります.「順列だから{}_{n}\mrm{P}_{r}を使う,組み合わせだから{}_{n}\mrm{C}_{r}を使う」という考え方をするとそういう疑問が沸くのは当然かもしれません.

しかし,最初にも書いた通り,場合の数は「あくまで数え上げたいだけ」なのです.ですから,数え上げる過程で{}_{n}\mrm{C}_{r}が必要になれば当然使います.

最初に公式があるわけではないのです.

考え方からしっかり理解していると,惑わされることはなくなります.

{}_{n}\mrm{P}_{r}がどのような場合の数を表すもので,{}_{n}\mrm{C}_{r}がどのような場合の数を表すものなのかをしっかり理解していると,この場合に{}_{n}\mrm{C}_{r}を使うのは当然です.

同じものを含む順列では,重複分を割る考え方と,並べる場所を選ぶ考え方ができる.

同じものを含む順列の公式

上でみた「同じものを含む順列の考え方」の[解答]の考え方と[別解]の考え方から次のことが分かります.

[同じものを含む順列の公式] a_1a_2,……,a_nがそれぞれr_1個,r_2個,……,r_n個あるとする.これらの順列の場合の数は

\f{(r_1+r_2+\dots+r_n)!}{r_1!r_2!\dots r_n!}

である.また,これは

{}_{r_1+r_2+\dots+r_n}\mrm{C}_{r_1}\times{}_{r_2+\dots+r_n}\mrm{C}_{r_2}\times\dots\times{}_{r_{n-1}+r_n}\mrm{C}_{r_{n-1}}

とも表せる.

ここで,

\f{(r_1+r_2+\dots+r_n)!}{r_1!r_2!\dots r_n!} ={}_{r_1+r_2+\dots+r_n}\mrm{C}_{r_1}\times{}_{r_2+\dots+r_n}\mrm{C}_{r_2}\times\dots\times{}_{r_{n-1}+r_n}\mrm{C}_{r_{n-1}}

であることに注意してください.別々の考えで出てきたこの右辺と左辺ですが,どちらも同じ場合の数を表しているのですから,等しくなるはずですね.

難しくはないですが,念のため証明しておきます.

{}_{r_1+r_2+r_3+\dots+r_n}\mrm{C}_{r_1} \times{}_{r_2+r_3+\dots+r_n}\mrm{C}_{r_2} \times\dots\times{}_{r_{n-1}+r_n}\mrm{C}_{r_{n-1}}
=\f{(r_1+r_2+r_3\dots+r_n)!}{r_1!(r_2+r_3\dots+r_n)!} \times\f{(r_2+r_3\dots+r_n)!}{r_2!(r_3+\dots+r_n)!} \times\dots\times\f{(r_{n-1}+r_n)!}{r_{n-1}!r_n!}
=\f{(r_1+r_2+\dots+r_n)!}{r_1!r_2!\dots r_n!}

となって示されました.最後の等号では,バサバサと約分されていますね.

なお,{}_{n}\mrm{C}_{r}=\f{n!}{r!(n-r)!}であることを用いました.

【参考記事:場合の数の基本3|組み合わせの考え方と公式

また,{}_{r_n}\mrm{C}_{r_{n}}=1なので,{}_{r_1+r_2+\dots+r_n}\mrm{C}_{r_1}\times{}_{r_2+\dots+r_n}\mrm{C}_{r_2}\times\dots\times{}_{r_{n-1}+r_n}C_{r_{n-1}}は最後に{}_{r_n}C_{r_{n}}をかけても変わりません.

説明の関係上,{}_{r_n}\mrm{C}_{r_{n}}をかけていないものを公式としましたが,かけていた方が形としては綺麗だと思います.しかし,どちらで書くかは好みの問題でしょう.

次の記事で説明する「重複組み合わせ」はこの「同じものを含む順列」を用いますから,「同じものを含む順列」はしっかり理解しておいてください.

[同じものを含む順列]の表し方は2つある.

場合の数の基本6|重複組み合わせの考え方と公式】に続きます.

最後まで読んで頂きありがとうございました!

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