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場合の数5|同じものを含むと順列はどう変わる?

n個のものからr個選ぶ場合の数」を\Co{n}{r}で表し,この場合の数を「組み合わせ」というのでした.

また,「円状にものを並べる場合の数」を円順列というのでした.

前回の記事では「組み合わせ」を,前々回の記事では「円順列」を説明しましたが,いずれも「重複で割る」という重複の処理の仕方がポイントでした.

この「重複で割る」という考え方は場合の数や確率では,身に付くと非常に便利な考え方です.

本記事で扱う「同じものを含む順列」は

  1. 重複で割る
  2. 組み合わせ

の2つの考え方があります.

考え方を理解はしやすいのは(2)でしょうが,計算が楽なのは(1)の方でしょう.

どちらにせよ,「同じものを含む順列」の考え方は実際の問題でも頻繁に用いるので,しっかり理解しておいてください.

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考え方1

まずは「重複で割る」という考え方で「同じものを含む順列」をみてみましょう

例題

  1. カードAが3枚,カードBが5枚ある.これら8枚のカードを一列に並べてできる並びは全部で何通りか.
  2. カードAが3枚,カードBが2枚,カードCが4枚,カードDが3枚ある.これら12枚のカードを一列に並べてできる並びは全部で何通りか.

[解答]

(1) まず,全てのカードを区別し,カードAを\mathrm{A}_1\mathrm{A}_2\mathrm{A}_3,カードBを\mathrm{B_1}\mathrm{B_2}\mathrm{B_3}\mathrm{B_4}\mathrm{B_5}とします.

カードを全て区別すると,普通の順列の考え方ができるので,カードの並びは全部で8!通りありますね.

ここで,カードAの区別をなくすことを考えます.たとえば,

  • \mathrm{A_1A_2A_3B_1B_2B_3B_4B_5}\mathrm{AAAB_1B_2B_3B_4B_5}
  • \mathrm{A_1B_2B_5A_2B_3B_4A_3B_1}\mathrm{AB_1B_2AB_3B_4AB_5}
  • \mathrm{B_4B_3B_2A_3A_2B_1B_5A_1}\mathrm{B_1B_2B_3AAB_4B_5A}

となります.

さて,カードAに区別があるときは,

  • \mathrm{A_1A_2A_3B_1B_2B_3B_4B_5}
  • \mathrm{A_1A_3A_2B_1B_2B_3B_4B_5}

は違うものとして考えていますが,これらでカードAの区別をなくせばともに同じ

  • \mathrm{AAAB_{1}B_{2}B_{3}B_{4}B_{5}}

になります.

しかし,カードAの区別をなくして同じ\mathrm{AAAB_{1}B_{2}B_{3}B_{4}B_{5}}になるものは,\mathrm{A}_1,\mathrm{A}_2,\mathrm{A}_3の並び替え方の3!通りあります.

このように,カードAの区別をなくすことで同じ並びになるものは,8!通りの中に3!通りずつあることになります.

よって,カードAの区別がない並べ方は全部で\dfrac{8!}{3!}通りあることになります.

同様に,カードBの重複をなくして同じ並びになるものは,\dfrac{8!}{3!}通りの中に5!通りずつあります.

よって,求める場合の数は

\dfrac{8!}{3!5!}=56

となります.

(2) 全てのカードを区別して考えると,カードの並びは全部で12!通りあります.

カードA,カードB,カードC,カードDの区別をなくすことで同じ並びになるものはそれぞれ3!2!4!3!通りあるから,求める場合の数は

\dfrac{12!}{3!2!4!3!}=39600

となります.

[解答終]

(1)は考え方を見るために丁寧に解きましたが,実際には(2)のようにパッと解くことができます.

公式

同じ考え方で以下の公式が得られます.

\mathrm{A}_1\mathrm{A}_2,……,\mathrm{A}_nがそれぞれr_1個,r_2個,……,r_n個あるとき,これらの並べ方の総数は

\dfrac{(r_1+r_2+\dots+r_n)!}{r_1!r_2!\dots r_n!}

である.

それでは証明しましょう.

[証明]

\mathrm{A}_1\mathrm{A}_2,……,\mathrm{A}_nを全て区別すると,(r_1+r_2+\dots+r_n)!通りの並べ方があります.

\mathrm{A}_k (k=1,\dots,n)の区別をなくしたときの重複はn_k通りあるから,重複で割って

\dfrac{(r_1+r_2+\dots+r_n)!}{r_1!r_2!\dots r_n!}

が求める並べ方の総数となります.

[証明終]

同じものが含まれるときの順列は,一度全て区別して順列を考え,そのあと区別をなくして重複の個数で割ればよい.

考え方2

さて,先ほどと同じ問題を別の考え方で解いてみましょう.

例題

  1. カードAが3枚,カードBが5枚ある.これら8枚のカードを一列に並べてできる並びは全部で何通りか.
  2. カードAが3枚,カードBが2枚,カードCが4枚,カードDが3枚ある.これら12枚のカードを一列に並べてできる並びは全部で何通りか.

[解答]

(1) まず,カードを並べる場所は全部で8ヶ所あるので,カードAを並べる場所を選ぶ場合の数は\Co{8}{3}です.

カードAを並べる場所を決めれば,カードBを並べる場所は決まりますから,求める場合の数は

\Co{8}{3}=56

となります.

(2) まず,カードを並べる場所は全部で12ヶ所あるので,最初にカードAを並べる場所を選ぶ場合の数は\Co{12}{3}です.

ここで,カードAを並べて残った9ヶ所にカードBを並べることになるので,カードBを並べる場所を選ぶ場合の数は\Co{9}{2}です.

同様に,次にカードCを選ぶ場合の数は\Co{7}{4}で,ここまで決めればカードDを並べる場所は決まります.

よって,求める場合の数は

\Co{12}{3}\times\Co{9}{2}\times\Co{7}{4}=39600

となります.

[解答終]

おそらく理解するが簡単なのは,この[考え方2]の方でしょう.

しかし,種類が多くなればなるほど,\Co{n}{r}が増えるので計算は面倒になります(約分すれば[考え方1]と同じ式にはなりますが面倒です).

公式

上でみた「同じものを含む順列の考え方」の[解答]の考え方と[別解]の考え方から次のことが分かります.

\mathrm{A}_1\mathrm{A}_2,……,\mathrm{A}_nがそれぞれr_1個,r_2個,……,r_n個あるとき,これらの並べ方の総数は

\Co{r_1+r_2+\dots+r_n}{r_1}\times\Co{r_2+\dots+r_n}{r_2}\times\dots\times\Co{r_{n-1}+r_n}{r_{n-1}}

である.

それでは証明しましょう.

[証明]

まず,カードを並べる場所は(r_1+r_2+\dots+r_n)ヶ所あるので,最初に\mathrm{A}_1を並べる場所を選ぶ場合の数は\Co{r_1+r_2+\dots+r_n}{r_1}です.

ここで,\mathrm{A}_1を並べて残った(r_2+\dots+r_n)ヶ所に\mathrm{A}_2を並べることになるので,カード\mathrm{A}_2を並べる場所を選ぶ場合の数は\Co{r_2+\dots+r_n}{r_2}です.

これを\mathrm{A}_{n-1}まで繰り返せば,\mathrm{A}_nを並べる位置は決まります.

よって,

\Co{r_1+r_2+\dots+r_n}{r_1}\times\Co{r_2+\dots+r_n}{r_2}\times\dots\times\Co{r_{n-1}+r_n}{r_{n-1}}

が求める並べ方の総数となります.

[証明終]

なお,\Co{r_n}{r_{n}}=1なので,この公式は

\Co{r_1+r_2+\dots+r_n}{r_1}\times\Co{r_2+\dots+r_n}{r_2}\times\dots\times\Co{r_{n-1}+r_n}{r_{n-1}}\times\Co{r_n}{r_{n}}

としても同じです.

[考え方1]と[考え方2]

最後に,[考え方1]の公式と[考え方2]の公式の見た目は違いますが,等しいことは以下のように計算から証明できます.

\Co{r_1+r_2+\dots+r_n}{r_1} \times\Co{r_2+\dots+r_n}{r_2} \times\dots\times\Co{r_{n-1}+r_n}{r_{n-1}}
=\dfrac{(r_1+r_2+r_3\dots+r_n)!}{r_1!(r_2+r_3\dots+r_n)!} \times\dfrac{(r_2+r_3\dots+r_n)!}{r_2!(r_3+\dots+r_n)!} \times\dots\times\dfrac{(r_{n-1}+r_n)!}{r_{n-1}!r_n!}
=\dfrac{(r_1+r_2+\dots+r_n)!}{r_1!r_2!\dots r_n!}

最後の等号では,バサバサと約分されていますね.

なお,\Co{n}{r}の基本的な表示である\Co{n}{r}=\dfrac{n!}{r!(n-r)!}を用いました.

次の記事で説明する「重複組み合わせ」はこの「同じものを含む順列」を使うので,「同じものを含む順列」はしっかり理解しておいてください.

[同じものを含む順列]の考え方は,「重複で割る方法」と「組み合わせを使う方法」の2通りある.当然,どちらも同じ答えが得られる.

 

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