場合の数2
順列のₙPₖの考え方と公式は超カンタン!

場合の数と確率
場合の数と確率

場合の数を求めるには樹形図を考えて数え上げるのが最も基本的で,樹形図から和の法則積の法則は簡単に説明できることを前回の記事で解説しました.

今回の記事では次のような問題を考えます.

9枚のカード$\fbox{1}\fbox{2}\fbox{3}\dots\fbox{8}\fbox{9}$から

   \begin{align*}\fbox{1}\fbox{2},\ \fbox{1}\fbox{3},\ \dots,\ \fbox{3}\fbox{1},\ \dots\end{align*}

のように$2$枚を選んで,並べる場合の数を求めよ.

この問題のように,モノを一列に並べることを順列といいます.

順列は場合の数の中で最も基本的なもののひとつなので,しっかり求められるようになってください.

この記事では,

  • 順列の考え方
  • 順列の公式$\Pe{n}{k}$
  • 階乗$n!$

を順に説明します.

順列の考え方

まずは冒頭の問題を考えましょう.

具体例1

9枚のカード$\fbox{1}\fbox{2}\fbox{3}\dots\fbox{8}\fbox{9}$から$2$枚選んで並べる場合の数を求めよ.

場合の数の基本は樹形図を考えてからの数え上げでしたね.最初なので丁寧に考えましょう.

9枚のカード$\fbox{1}\fbox{2}\fbox{3}\dots\fbox{8}\fbox{9}$で2桁の整数を作る場合の数を求めれば良い.

たとえば,1の位の数が$\fbox{1}$なら,10の位の数は$\fbox{1}$以外の$8$通りある.

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同様に1の位の数が$\fbox{1}$でなくても,それぞれの場合で10の位の数は$8$通りある.

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よって,求める場合の数は

   \begin{align*}9\times 8=72\end{align*}

より$72$通りである.

ポイントは10の位の数としてどの数を持ってきても,1の位の数は$8$通りあるというところですね.

このように,モノを並べてできる並びのことを順列といいます.

具体例2

9枚のカード$\fbox{1}\fbox{2}\fbox{3}\dots\fbox{8}\fbox{9}$から$3$枚選んで並べる場合の数を求めよ.

状況は同じですが,今度は$3$枚のカードを並べることを考えます.

上の問題で考えた順列に加えて,100の位の数のカードを加えて考えればよい.

1の位の数,10の位の数のカードを選ぶと,100の位の数の選び方は7通りあるので,求める場合の数は

   \begin{align*}9\times 8\times7=504\end{align*}

より$504$通りである.

順列の公式

今の考え方を一般化すると,次のようにいうことができますね.

$k\leqq n$を満たす正の整数$n$, $k$に対して,$n$個のものから$k$個選んで並べる場合の数は

   \begin{align*}n(n-1)(n-2)\dots(n-k+1)\end{align*}

である.

順列の表し方

この順列はよく現れるので次のように記号$\Pe{n}{k}$を定めましょう.

$n$個のものから$k$個選んで並べる場合の数を$\Pe{n}{k}$で表す.すなわち,

   \begin{align*}\Pe{n}{k}=n(n-1)(n-2)\dots(n-k+1)\end{align*}

である.また,$k=0$のときは$\Pe{n}{0}=1$と定める.

例えば,

  • 上の具体例1の異なる$9$枚のカードから$2$枚選んで並べる場合の数は$\Pe{9}{2}$
  • 上の具体例2の異なる$9$枚のカードから$3$枚選んで並べる場合の数は$\Pe{9}{3}$

というわけですね.

$\Pe{n}{k}$の$\mrm{P}$は順列という意味の“Permutation”の頭文字“P”に由来します.

さて,この公式を用いると,例えば異なる$5$枚のカードから$3$個を選んで並べる場合の数は

   \begin{align*}\Pe{5}{3}=5\times4\times3=60\end{align*}

と計算できますね.

階乗

順列の記号$\Pe{n}{k}$に関して,特に$k=n$の場合には階乗と呼ばれます.

$n$を正の整数とする.$1$から$n$までの整数全部の積を$n!$で表し,$n$の階乗 (factorial)という.すなわち,

   \begin{align*}n!=\Pe{n}{n}=n(n-1)(n-2)\dots2\cdot1\end{align*}

である.また,$n=0$のときは$0!=1$と定める.

つまり,$n$の階乗$n!$は「$n$個のものを全部並べる場合の数」を表すわけですね.

さて,$\Pe{n}{k}$は階乗を用いると,次のようにスッキリ表せます.

正の整数$n$と負でない整数$k$は$k\leqq n$を満たすとする.このとき,

   \begin{align*}\Pe{n}{k}=\frac{n!}{(n-k)!}\end{align*}

が成り立つ.

$k$が

  • $0<k<n$のとき
  • $k=0$のとき
  • $k=n$のとき

に分けて示す.

[1] $k$が$0<k<n$を満たすとき,

   \begin{align*}\Pe{n}{k} =\ &n(n-1)\dots(n-k+1) \\=\ &n(n-1)\dots(n-k+1)\times\frac{(n-k)!}{(n-k)!} \\=\ &\frac{n(n-1)\dots(n-k+1)\times(n-k)\dots2\cdot1}{(n-k)!} \\=\ &\frac{n!}{(n-k)!}\end{align*}

が成り立つ.

[2] $k=0$のときは$\Pe{n}{k}=1$と定義されており,

   \begin{align*}\frac{n!}{(n-k)!}=\frac{n!}{n!}=1\end{align*}

なので$\Pe{n}{k}=\dfrac{n!}{(n-k)!}$が成り立つ.

[3] $k=n$のときは$\Pe{n}{k}=n!$であり,$0!=1$と定義されているから

   \begin{align*}\frac{n!}{(n-k)!}=\frac{n!}{0!}=n!\end{align*}

なので$\Pe{n}{k}=\dfrac{n!}{(n-k)!}$が成り立つ.

以上の証明の[1]の考え方がポイントで,$\Pe{n}{k}=n(n-1)\dots(n-k+1)$を階乗で表すために,分子が$n!$になるために足りない$(n-k)!=(n-k)(n-k-1)\dots2\cdot1$を分母分子にかけたわけですね.

これが見えればこの等式は当たり前ですね.

上の$\Pe{n}{k}$, $n!$の定義では,余計なことは言わずしれっと$\Pe{n}{0}=1$, $0!=1$と定義しました.

これは$0<k<n$のときに成り立つ公式$\Pe{n}{k}=\dfrac{n!}{(n-k)!}$が$k=0,n$でも成り立つように$\Pe{n}{0}$, $0!$を定義しようとすると,自然に$\Pe{n}{0}=1$, $0!=1$となるためです.

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