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運動の基本1|等速直線運動,「速さ」と「速度」の違い

「等速直線運動」は非常に基本的かつ重要な運動で,「等速直線運動」は他の分野にも当たり前のように登場します.「等速直線運動」とは,その名の通り「同じ速さでまっすぐ進む運動」のことをいいます.

たとえば,小学校で習う「A君は分速50mで歩きます.3km歩くのに何分かかりますか?」という問題はまさに等速直線運動と同じなのです.

また,「等速直線運動」を理解するためには,「速度」や「速さ」といった概念をしっかり理解しておく必要があります.

この記事では,「等速直線運動」について簡単に説明したあと,「速度」と「速さ」について説明します.

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等速直線運動

等速直線運動とは「等しい速度での運動」のことをいいます.等速直線運動において最も基本的で重要な公式は次のものでしょう.

一直線上を速度vt秒間物体が運動したとき,物体はちょうど距離x移動した.このとき,次の等式が成り立つ.

vt=x

これは小学校でも習う式ですね.「たかし君が家から駅まで速さ分速50mで歩くと10分で着いた.家から駅までの距離を求めよ.」というのと同じです.

これは当然,信号などに引っかからないものとして(あるいは無視して(!?)),同じ速さ分速50mで10分歩き続けるわけです.分速50mとは「1分で50m動く」ということですから,10分では500m歩くことになります.

ただ,この問題は「等速」ですが「直線」とは限りません.家から駅までの道は曲がっているかもしれませんが,この家から駅までの道が真っ直ぐだった場合に,「等速直線運動」というわけです.

「速さ」と「速度」の違い

実は,上の「等速直線運動」の説明でも使い分けていたのですが,「速さ」と「速度」には違いがあります.

「えー,違うの?」と思う人も多いかもしれません.たしかに,日常生活では区別しないことがほとんどですし,区別しなくても文脈で意味が通ります.

しかし,物理では「速さ」と「速度」の違いは重要なのです.

なお,厳密には「速度」を定義してから,「速さ」を定義するのが良いのですが,高校物理ではそこまで要求しませんので,直観的な説明に留めることにします.

瞬間の速さ

「速さ」には2種類あり,その1つが「瞬間の速さ」です.

等速直線運動に限らないとして,人は道によって速く歩いたり遅く歩いたりします.Aさんが速く歩いているのをBさんが見かけたとします.このとき,Bさんは「Aさんは『今』速く歩いているぞ」という「感想」をもちます.

この「感想」は,「今の感想」であり,この1秒後にAさんが立ち止まっていようと関係ありません.また,この1秒前に遅く歩いていようが関係ありません.この「今」どれだけの移動をしているか,というのが「瞬間の速さ」です.

猛ダッシュしていれば,「速えぇ!」という感想を持ちます.走り終わって立ち止まっても関係ありません.これが「瞬間の速さ」です.

平均の速さ

もう1種類の「速さ」は「平均の速さ」です.

「平均の速さ」は「瞬間の速さ」とは違い,「長期的な感想」に由来します.Aさんがこの1秒間,猛ダッシュをしていたとします.しかし,この1秒前までは遅く歩いており,また,1秒後からは立ち止まっていたとします.このとき,10分前にAさんを見ていたBさんは「あれ?Aさん,全然進んでないな」という「感想」を持ちます.

この感想は「長期的な感想」であり,1秒間猛ダッシュしていようが関係ありません.このように,「長期的にみて」どれだけ移動しているか,というのが「平均の速さ」です.

よくマラソンで,最初に猛ダッシュで走り始めて結局途中でバテてしまって記録が伸びない人がいますね.これは「瞬間の速さ」が大きいときもあったかもしれないが,結局「平均の速さ」が遅い例ですね.

速度

「速度」は「瞬間の速さ」と「向き」を併せたものをいいます.つまり,「瞬間の速さ」と「向き」を指定して初めて「速度」と呼べるのです.

さっきの「たかしくん」の例はずっと同じ「瞬間の速さ」で歩いています.これは道が曲がっていようと関係ありません.

ですが,「速度」と書いてしまうと,「たかしくん」はまっすぐ進まなければなりません.道が曲がっていても関係なく,まっすぐ進みます.壁にぶつかろうが側溝に落ちようがお構いなしに,壁をぶち破ったり側溝の水の中をじゃぶじゃぶとまっすぐ同じ速さで進みます.

これが「速度」です.「速度」が一定と言われれば,「瞬間の速さ」と「向き」がずっと同じだということになります.

私は「等速直線運動」の説明を「等しい速度での運動」と書きました.「速度」という言葉を使っているので,これは「一直線上を動く」というニュアンスが自然と含まれているのです.

もし,「等速直線運動」の説明を「速さ」という言葉を使って説明したければ,「『一直線上の』等しい速さでの運動」というように,「一直線上」という言葉が必要になります.「速さ」という言葉には「向き」の情報が含まれていませんから.

物理では,「速さ」と「速度」を使い分けることはとても重要です.

数Bの言葉を使えば,「速度」は「ベクトル」で,「瞬間の速さ」は「ベクトルの大きさ」ということができます.

次の記事「運動の基本2 ―加速度と等加速度直線運動―」に続きます.

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