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場合の数の基本3|組み合わせの考え方と公式

  
   

場合の数の基本2|順列の考え方と公式】の続きです.

前回の記事では,「順列」について説明しました.

「順列」は「n個ある中から,r個選んで並べること」をいうのでした.そして,この場合の数を{}_{n}P_{r}で表すのでした.

この記事では,「組み合わせ」について説明します.

「組み合わせ」とは,「n個ある中から,r個選ぶこと」をいいます.つまり,「順列」と違って並べることはしないのです.

「組み合わせ」と「順列」は似ているといえば似ていますが,明確に違うのでその違いをきっちり押さえてください.

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組み合わせの考え方

次の問題を考えます.

[問] 1から4までのいずれかの数字が書かれた4枚のカードがある.ただし,どの2枚も同じ数字が書かれていないものとする.このとき,次の場合の数を求めよ.

  1. 4枚のカードから2枚選ぶ場合の数
  2. 4枚のカードから3枚選ぶ場合の数

[解答]

1.求める場合の数をxとする.

4枚のカードから2枚選んでから,この2枚を並べる場合の数は{}_{4}\mrm{P}_{2}=4\times3=12である.

2枚を並べる場合の数は2!だから,4枚のカードから2枚選ぶ場合の数をxとしたことから,[積の法則]より

x\times2!=12

となって,これを解くことでx=6を得る.よって,求める場合の数は6通りである.■

2.求める場合の数をyとする.

4枚のカードから3枚選んでから,この2枚を並べる場合の数は{}_{4}\mrm{P}_{3}=4\times3\times2=24である.

3枚を並べる場合の数は3!だから,4枚のカードから3枚選ぶ場合の数をyとしたことから,[積の法則]より

y\times3!=24

となって,これを解くことでy=4を得る.よって,求める場合の数は4通りである.■

[解答終]

次のような考え方もできます.

[別解]

まず,4枚のカードから2枚選んで並べる順列を考える.ありうるものは,

12,13,14,21,23,24, 31,32,34, 41,42,43

{}_{4}\mrm{P}_{2}=4\times3=12通りある.

さて,4枚のカードから2枚選ぶ場合の数を考えるときには,たとえば今挙げた12,21は同じものである.他にも,13と31も同じであり,23と32も同じである.

このように,今の12通りの中には2通りずつ同じものがある.

したがって,求める場合の数は12\div2=6である.■

2.1と同様に考える.

4枚のカードから3枚選んで並べる順列の場合の数は{}_{4}\mrm{P}_{3}=4\times3\times2=24である.

さて,4枚のカードから3枚選ぶ場合の数を考えるときには,たとえば123,132,213,231,312,321は同じものである.他にも,124,142,214,241,412,421は同じものである.

このように,今の24通りの中には6通りずつ同じものがある.

したがって,求める場合の数は24\div6=4である.■

[解答終]

どちらも本質的には同じことですが,分かりやすい方で理解してください.

この問題のように,「いくつかのものから,いくつか選ぶこと」を「組み合わせ」といいます.前回の記事でみた「順列」とは違って,選ぶところまででストップするのが「組み合わせ」です.

「いくつかのものから,いくつかを選ぶこと」を「組み合わせ」という.「組み合わせ」の場合の数は,まず「順列」で考えて,重複している分で割るのが基本である.

組み合わせの公式

[組み合わせの公式]について説明します.

組み合わせの公式

[組み合わせ]は場合の数を考えるときによく現れるので,[組み合わせ]の場合の数には記号があります.

[組み合わせの記号] n個のものからr個選ぶ場合の数を{}_{n}\mrm{C}_{r}で表す.ただし,{}_{n}\mrm{C}_{0}=1とする.

たとえば,[問]の1,2はそれぞれ{}_{4}\mrm{C}_{2}{}_{4}\mrm{C}_{3}ですね.

{}_{n}\mrm{C}_{0}=1とする」の部分については,この記事の最後に説明するので,ひとまずおいておきます.

なお,{}_{n}\mrm{C}_{r}のCは「組み合わせ」という意味の”Combination”の頭文字”C”に由来します.

さて,[問]と同じように考えると,{}_{n}\mrm{P}_{r}{}_{n}\mrm{C}_{r}は次のような関係になっています.

[順列と組み合わせの関係] r!\times{}_{n}\mrm{C}_{r}={}_{n}\mrm{P}_{r}が成り立つ.

[考え方1]

[解答]の考え方をするなら,次のように理解できます.

[積の法則]より,

(n個からr個選ぶ場合の数)×(r個並べる場合の数)=(n個からr個選んで並べる場合の数)

n個からr個選ぶ場合の数」は{}_{n}\mrm{C}_{r},「r個並べる場合の数」はr!,「n個からr個選んで並べる場合の数」は{}_{n}\mrm{P}_{r}だから,

r!\times{}_{n}\mrm{C}_{r}={}_{n}\mrm{P}_{r}

が成り立つ.

[考え方2]

[別解]の考え方をするなら,次のように理解できます.

n個からr個選んで並べる場合の数」は{}_{n}\mrm{P}_{r}であり,このうちで並べ替えて同じものは「n個からr個選ぶ場合の数」の{}_{n}\mrm{C}_{r}を考えると同じものだから,{}_{n}\mrm{P}_{r}を重複分で割ると{}_{n}\mrm{C}_{r}をになる.

r個を並べたときの場合の数はr!だから,{}_{n}\mrm{P}_{r}r!通りの重複がある.よって,

{}_{n}\mrm{C}_{r}=\f{{}_{n}\mrm{P}_{r}}{r!}

だから,分母を払ってr!\times{}_{n}\mrm{C}_{r}={}_{n}\mrm{P}_{r}が従う.

この{}_{n}\mrm{C}_{r}{}_{n}\mrm{P}_{r}の関係式から,{}_{n}\mrm{C}_{r}は次のように表せます.

[組み合わせの公式] {}_{n}\mrm{C}_{r}=\f{n(n-1)(n-2)\dots(n-r+1)}{r!}=\f{n!}{(n-r)!r!}が成り立つ.

{}_{n}\mrm{P}_{r}

{}_{n}\mrm{P}_{r}=n(n-1)(n-2)\dots(n-r+1)=\f{n!}{(n-r)!r!}

と2通りで表せることを思い出せば,[組み合わせの公式]は[順列と組み合わせの関係]r!\times{}_{n}\mrm{C}_{r}={}_{n}\mrm{P}_{r}と併せればすぐに分かりますね.

たとえば,{}_{7}\mrm{C}_{2}=\frac{7\times6}{2\times1}=21{}_{6}\mrm{C}_{4}=\frac{6\times5\times4\times3}{4\times3\times2\times1}=15{}_{4}\mrm{C}_{4}=\frac{4\times3\times2\times1}{4\times3\times2\times1}=1ですね.

[組み合わせの公式]は,[順列の公式]と[順列と組み合わせの関係]を考えれば簡単に分かる.

組み合わせの性質

{}_{n}\mrm{C}_{r}には様々な性質があるのですが,ここでは次の性質を説明しておきます.

[組み合わせの性質] {}_{n}\mrm{C}_{r}={}_{n}\mrm{C}_{n-r}が成り立つ.

この[組み合わせの性質]から,たとえば{}_{7}\mrm{C}_{2}={}_{7}\mrm{C}_{5}{}_{15}\mrm{C}_{10}={}_{15}\mrm{C}_{5}が成り立ちます.

実際に{}_{15}\mrm{C}_{10}を考えると,

{}_{15}\mrm{C}_{10}
=\f{15\times14\times13\times12\times11\times10\times9\times8\times7\times6} {10\times9\times8\times7\times6\times5\times4\times3\times2\times1}
=\f{15\times14\times13\times12\times11}{\times5\times4\times3\times2\times1}
={}_{15}\mrm{C}_{5}

と確かに{}_{15}\mrm{C}_{10}={}_{15}\mrm{C}_{5}が成り立ちました.この計算から分かるように,分母と分子でうまく約分されてこの[組み合わせの性質]が成り立ちます.

念のため,ちゃんと{}_{n}\mrm{C}_{r}={}_{n}\mrm{C}_{n-r}を証明すると次のようになります.

[[組み合わせの性質]の証明]

[組み合わせの公式]から,

{}_{n}\mrm{C}_{n-r}=\f{n!}{\{n-(n-r)\}!(n-r)!}=\f{n!}{r!(n-r)!}={}_{n}\mrm{C}_{r}

が従う.

 [証明終]

{}_{n}\mrm{C}_{n-r}が階乗を使ってスッキリ表されているのがうまく効いていますね.

{}_{n}\mrm{C}_{r}rが大きいときは,[組み合わせの性質]を使うと計算がやや楽になる.

nCr=1である理由

さて,[組み合わせ]の定義をしたとき,「{}_{n}\mrm{C}_{0}=1とする」と書きました.

{}_{n}\mrm{C}_{0}は「これはn個から0個選ぶ」ということなので,「何も選ばないという1通り」という解釈で{}_{n}\mrm{C}_{0}=1と考えることができます.

もしかすると,「何も選ばないのだから,0通りじゃないの?」と思う人もいるかもしれません.確かに,そのような解釈ができなくもないですが,それだと都合の悪いことが起こるのです.

{}_{n}\mrm{C}_{n}n個からn個選ぶ場合の数です.n個からn個選ぶ方法は1通りしかありませんから,nが何であっても{}_{n}C_{n}=1となります.

よって,[組み合わせの性質]が成り立つとすると,{}_{n}\mrm{C}_{0}={}_{n}\mrm{C}_{n}=1となります.

したがって,もし{}_{n}\mrm{C}_{0}=0とすると,[組み合わせの性質]が成り立たなくなり,都合が悪いのです.

ということで,{}_{n}\mrm{C}_{n}を「何も選ばないという1通り」と解釈することで,色々と丸く収まるのです.

何となくずるい気がする人がいるかもしれません.しかし,「{}_{n}\mrm{C}_{0}をどう定義するか」は自由ですし,それなら都合よく定義しようというスタンスですね.

{}_{n}\mrm{C}_{0}=1である.

場合の数の基本4|円順列と数珠順列の考え方と公式】に続きます.

最後まで読んで頂きありがとうございました!

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