場合の数1
樹形図が全ての基本!和の法則・積の法則

場合の数と確率
場合の数と確率

例えば「2つのサイコロをふって出た目の組の総数はいくつか?」のような場合の数の問題の基本は数え上げです.

高校数学で場合の数を学び進めていくと公式をいくつか学ぶことになりますが,それらはいずれもどのように数え上げるかを理解していれば覚えていなくてもすぐに導けるものばかりです.

さて,その数え上げを考える際に便利なものに樹形図があり,樹形図を用いると場合の数で最も基本的な

  • 和の法則
  • 積の法則

を簡単に導くことができます.

この記事では

  • 樹形図の考え方
  • 和の法則の考え方と具体例
  • 積の法則の考え方と具体例

を順に説明します.

樹形図

次の問題を考えましょう.

下図のように道で繋がった町$\mrm{A}$, $\mrm{B}$, $\mrm{C}$, $\mrm{D}$があり,$\mrm{A}$から出発して$\mrm{A}$に戻る旅行プランを考える.

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一度訪れた町には戻らないとすると,町の巡り方は何通りあるか?

町の巡り方は次のように書き上げることができますね.

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この図により町の巡り方は全部で9通り考えられることが分かりますね.

このように複数の有り得る状況のひとつひとつを事象といい,事象の総数を場合の数といいます.また,起こり得る全ての場合を線で繋いで書き出した上のような図を樹形図といいます.

場合の数を考えるときには,樹形図を考えて数え上げる求めるのが最も基本的な考え方です.

「小学生と高校生に同じ場合の数の問題を出題したとき,小学生は樹形図を書いて3分で解いた一方で,高校生は何かの公式を使おうと迷走し泥沼にはまる」ということがよくあります.

高校数学の場合の数の分野では様々な公式を学びますが,公式を使おうとする前にどのような樹形図になるかをしっかり意識しておくことが大切です.

和の法則と積の法則

樹形図が基本とは言っても,場合の数が多いときは樹形図を全て書いて数え上げるのは大変ですね.

そこで場合の数を求めるための基本的な公式である

  • 和の法則
  • 積の法則

を解説します.

和の法則

同時に起こらない2つの事象を併せた場合の数を求める時には,次の和の法則が便利です.

[和の法則] 同時に起こらない2つの事象$\mrm{A}$, $\mrm{B}$があり,事象$\mrm{A}$の場合の数が$m$通り,事象$\mrm{B}$の場合の数が$n$通りであるとする.このとき,事象$\mrm{A}$と事象$\mrm{B}$のいずれかが起こる場合の数は$(m+n)$通りである.

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同時に起こらない2つの事象のことを排反な事象といいます.

このため,和の法則は「排反な事象$\mrm{A}$, $\mrm{B}$に対して,事象$\mrm{A}$と事象$\mrm{B}$のいずれかが起こる場合の数は,事象$\mrm{A}$の場合の数と事象$\mrm{B}$の場合の数の和で求められる」ということもできますね.

和の法則の具体例

例えば,次の問題を考えましょう.

2個のサイコロ$\mrm{A}$, $\mrm{B}$をふって,出た目の和が$3$または$6$となる場合の数を求めよ.

まずサイコロ$\mrm{A}$の出目を1つずつ固定して,和が$3$または$6$となる$\mrm{B}$の出目を全て書き上げると,樹形図は数のようになりますから答えは$7$通りです.

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和の法則を用いた解答は次のようになります.

「出目の和が$3$である事象」と「出目の和が$6$である事象」は同時に起こらないから,和の法則より

  • 出目の和が$3$となる場合の数
  • 出目の和が$6$となる場合の数

を足し合わせることで,求める場合の数が得られる.

  • 出目の和が$3$となるのは,$(\mrm{A},\mrm{B})=(1,2),(2,1)$の$2$通り
  • 出目の和が$6$となるのは,$(\mrm{A},\mrm{B})=(1,5),(2,4),(3,3),(4,2),(5,1)$の$5$通り

だから,求める場合の数は$2+5=7$より$7$通りである.

確かに樹形図で考えたときと答えが一致していますね.

この問題では樹形図で考えてもそれほど煩雑ではありませんが,もっと場合の数が多くなってくると樹形図では「数え漏れ」が出てきてしまいそうです.

ですが,和の法則を使えば排反な事象をひとつひとつ考えて最後に足し合わせればいいので,「数え漏れ」が起きにくくなります.

積の法則

和の法則と並んで重要な次の公式を積の法則といいます.

[積の法則] 事象$\mrm{A}$の全ての場合に対して事象$\mrm{B}$が起こりうるとし,事象$\mrm{A}$の場合の数が$m$通り,事象$\mrm{B}$の場合の数が$n$通りであるとする.このとき,事象$\mrm{A}$と事象$\mrm{B}$がともに起こる場合の数は$mn$通りである.

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つまり,

  • 事象$\mrm{A}$の要素$a_1$に対して,$\mrm{B}$の要素$b_1,b_2,\dots,b_n$が起こる
  • 事象$\mrm{A}$の要素$a_2$に対して,$\mrm{B}$の要素$b_1,b_2,\dots,b_n$が起こる
  • ……
  • 事象$\mrm{A}$の要素$a_m$に対して,$\mrm{B}$の要素$b_1,b_2,\dots,b_n$が起こる

という場合を考えているわけですね.

積の法則は$a_1,a_2,\dots,a_m$のどれからも同じ$n$本の線が出ているためこのようになるわけです.樹形図をイメージすれば当たり前ですね?

和の法則の具体例

次の問題を考えます.

町$\mrm{P}$と町$\mrm{Q}$は$3$本の道で繋がれており,町$\mrm{Q}$と町$\mrm{R}$は$4$本の道で繋がれているとする.このとき,町$\mrm{P}$から町$\mrm{Q}$を通って,町$\mrm{R}$へ行く道の選び方の総数を求めよ.

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町$\mrm{P}$と町$\mrm{Q}$を繋ぐ道を$a_1,a_2,a_3$とし,町$\mrm{Q}$と町$\mrm{R}$を繋ぐ道を$b_1,b_2,b_3,b_4$とすると,樹形図は次のようになるので答えは$12$通りです.

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町$\mrm{P}$と町$\mrm{Q}$を繋ぐ$3$本の道のどれを選んでも,町$\mrm{Q}$と町$\mrm{R}$を繋ぐ$4$本の道を選べるから,積の法則より

  • 町$\mrm{P}$と町$\mrm{Q}$を繋ぐ道の選び方の数
  • 町$\mrm{Q}$と町$\mrm{R}$を繋ぐ道の選び方の数

をかけ合わせることで,求める場合の数が得られる.

よって,$3\times4=12$より求める場合の数は$12$通りである.

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