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弾性力の基本|フックの法則は怖くない

当然,バネは置いておくだけでは,静止して何のアクションも起こしません.しかし,バネは縮められると伸びようとしますし,伸ばされると縮もうとします.

このことは,「変形させられた物体が,元の形に戻ろうとして力がはたらく」ということができます.

この力のことを「弾性力」といいます.「弾性力」は形状記憶とも言えますね.形状記憶メガネはグニグニ曲げても元の形に戻ります.そのようなイメージがあれば良いでしょう.

さて,「弾性力」の大きさを知りたいときは[フックの法則]を用います.「フックの法則」と聞くと苦手意識がはたらく人も多いと思いますが,難しくないのでこの記事でパッと身につけてください.

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弾性力

冒頭でも書きましたが,「変形させられた物体が元の形に戻ろうとしてはたらく力」のことを「弾性力」といいます.「弾性力」を考えるときの代表例としてはバネが挙げられます.

ここでは,バネを例に弾性力を考えます.

当ブログの物理の記事では常々言っていますが,「力」を考えるときには「大きさ」と「向き」を知る必要があります.

「弾性力」で混乱してしまう人で多いパターンは,この「大きさ」と「向き」がごちゃごちゃになってしまうことでしょう.しかし,本来は「大きさ」と「向き」は別々に考えるべきであって,実際に別々に落ち着いて考えれば混乱することもないでしょう.

以下では,「大きさ」と「向き」のどちらを考えているのか確かめながら読み進めてください.

自然長

「弾性力」を理解するには,まず「自然長」という言葉を知っておかなければなりません.「自然長」とは次で言い表されます.

力が加わっていないバネはある長さの状態で静止する.この長さのことを「自然長」や「自然の長さ」などという.

バネの「弾性力」の「大きさ」の「向き」のどちらを知る上でも「自然長」は非常に大切ですから,「バネと聞けば自然長を確認する!」くらいになっておいてください.

弾性力の「向き」

「弾性力」とは「変形させられた物体が元の形に戻ろうとしてはたらく力」でした.すなわち,「バネは縮められると伸びようとし,伸ばされると縮もうとする力」のことですね.

ここで,「バネが縮んでいる」,「バネが伸びている」とは,「自然長」を用いて次のようにいうことができますね.

  • バネが縮んでいる=バネが自然長より長い
  • バネが伸びている=バネが自然長より短い

バネが「自然長より長い」ときは「自然長に戻ろうと縮み」,「自然長より短い」ときは「自然長に戻ろうと伸びる」わけですね.

もっと,簡潔に言えば,

[弾性力の向き]バネはいつでも自然長に戻ろうとする.

となります.これを押さえておけば,「弾性力」の「向き」で迷うことはないでしょう.

弾性力の「大きさ」

「弾性力」の「大きさ」を求めるためには[フックの法則]を用います.[フックの法則]は次で表される法則です.

[フック(Hooke)の法則] バネの弾性力の大きさF[\mathrm{N}]は,バネの自然長からの長さの変化x[\mathrm{m}]に比例する.このときの比例定数k[\mathrm{N/m}]を「バネ定数」という.

すなわち,F=kxが成り立つ.

注意しなければならないのは,バネ定数はバネに固有であることです.つまり,同じバネを使っている限り,バネ定数は変化しません.

ですから,バネ定数が分かっていれば,あとは自然長からの伸び縮みが分かれば,「弾性力」の大きさはすぐに求められることになります.

また,[フックの法則]は「弾性力」の「向き」については何も述べていないことに注意してください.

「向き」に関しては,[弾性力の向き]に書いたように「自然長から伸びているか,縮んでいるか」のみに関係します.

弾性力の例

以下でいくつかの例を見ますが,上で説明した「弾性力」の「向き」と「大きさ」を意識しながら読んでください.

「向き」は[弾性力の向き],「大きさ」は[フックの法則]を用います.

例1(天井から物体をバネで吊した場合)

重力加速度をg[\mathrm{m/s^{2}}]とします.質量m[\mathrm{kg}]の物体を天井からバネで吊るすと,バネが自然長からx[\mathrm{m}]伸びて物体は静止しているとします.

このとき,バネ定数をk[\mathrm{N/m}]を求めます.

バネに物体を吊るすことで,バネは自然長より長くなります.よって,バネによる「弾性力」の「向き」は「鉛直上向き」になります.

また,[フックの法則]より,バネの「弾性力」の「大きさ」はkx[\mathrm{N}]になります.

さらに,物体に「大きさmg[\mathrm{N}]の鉛直下向きの重力」もはたらいています.

いま,物体は静止しているので,物体にはたらく力はつりあっています.すなわち,物体にはたらく力の合力は0[\mathrm{N}]です.

よって,mg=kxだからk=\dfrac{mg}{x}となります.

(参考記事:力の基本2|力のつりあいとその例)

例2(天井から物体を2本のバネで吊した場合)

重力加速度をg[\mathrm{m/s^{2}}]とします.質量m[\mathrm{kg}]の物体を天井から2本の同じバネで吊るすと,バネが自然長からx[\mathrm{m}]伸びて物体は静止しているとします.

このとき,バネ定数をk[\mathrm{N/m}]を求めます.

2本のバネに物体を吊るすことで,バネは2本とも自然長より長くなります.よって,2本のバネによる「弾性力」の「向き」は「鉛直上向き」になります.

また,[フックの法則]より,2本のバネの「弾性力」の「大きさ」はともにkx[\mathrm{N}]になります.

さらに,物体に「大きさmg[\mathrm{N}]の鉛直下向きの重力」もはたらいています.

いま,物体は静止しているので,物体にはたらく力はつりあっています.すなわち,物体にはたらく力の合力は0[\mathrm{N}]です.

よって,mg=kx+kxだからk=\dfrac{mg}{2x}となります.

(参考記事:力の基本2|力のつりあいとその例)

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