全9種類の古文動詞の活用の基本|覚えるべき動詞はコレ!

古文
古文

古文文法の中でも動詞は非常に重要な位置を占めます.

現代文の動詞とは異なり,古文動詞の活用は

  • 未然形
  • 連用形
  • 終止形
  • 連体形
  • 已然形
  • 命令形

となっています.現代の活用とは異なり,仮定形はなく代わりに已然形がありますね.

このように古文動詞の活用は現在の動詞の活用と異なる部分もあり,現代文の調子で訳すと全く違う意味になってしまうこともよくあります.

とはいえ,覚えべきことを少し覚えてしまえば,これらの活用を把握することは難しくありません.

この記事では

  • 覚えるべき動詞
  • その都度対応するべき動詞

に分けて古文動詞の活用をまとめます.

活用の種類

古文において,動詞の活用には次の9種類あります.

  1. 四段活用
  2. 下一段活用
  3. 下二段活用
  4. 上一段活用
  5. 上二段活用
  6. ラ行変格活用(ラ変)
  7. ナ行変格活用(ナ変)
  8. サ行変格活用(サ変)
  9. カ行変格活用(カ変)

最終的には動詞がどれに属するのかを覚えなければなりませんが,覚えやすい順があります.

また,英単語を覚えるのと同様に,特に単語系の暗記をするときには

  • 声に出す
  • 何度も繰り返す

ことがとても効果的なので,ぜひ古典動詞にも応用してください.

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決まった動詞しかない活用

まず覚えるべき活用は

  • 4つの変格活用
  • 2つの一段活用

です.これらの活用をする動詞は決まったものしかありません.属する動詞の個数は

  • カ変,下一段活用……1個
  • サ変,ナ変……2個
  • ラ辺……4個
  • 上一段活用……10個

で,属する動詞の個数が少ない活用から順に覚えていくと整理しやすいでしょう.

属する動詞が1個の活用(カ変,下一段)

「カ変」と「下一段活用」はそれぞれ1つしか属する動詞はありませんから,これを真っ先に覚えてしまいましょう.

カ行変格活用

カ変に属する動詞は「来(く)」のみで,活用は次の通りです.

カ行変格活用
動詞 語幹 未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形
来(く) (来) こ き く くる くれ け

下一段活用

下一段活用に属する動詞は「蹴る」のみで,活用は次の通りです.

下一段活用
動詞 語幹 未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形
蹴る (蹴) け け ける ける けれ けよ

「蹴る」は「カ行」であることと併せて「カ行下一段活用」となります.

属する動詞が2個の活用(サ変,ナ変)

次に「サ変」と「ナ変」を覚えます.これらはそれぞれ2つしか属する動詞はありません.

サ行変格活用

サ変に属する動詞は「す」と「おはす」のみで,活用は次の通りです.

サ行変格活用
動詞 語幹 未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形
す (す) せ し す する すれ せ
おはす おは せ し す する すれ せ

これらは語幹が違うだけでどちらも活用語尾は「せ」「し」「す」「する」「すれ」「せ」で同じですから,実質的に「す」の活用を覚えればよいですね.

なお,サ変の注意として,「す」は複合語(「旅す」や「愛す」など)になり得ることに注意が必要です.しかし,これらの動詞は語幹が変わるだけで

サ行変格活用(複合語)
動詞 語幹 未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形
旅す 旅 せ し す する すれ せ

となります.

ナ行変格活用

ナ変に属する動詞は「死ぬ」,「往(い)ぬ」のみで,活用は次の通りです.

ナ行変格活用
動詞 語幹 未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形
死ぬ 死 な に ぬ ぬる ぬれ せ
往(い)ぬ 往 な に ぬ ぬる ぬれ ね

「サ変」と同じく語幹が違うだけで,どちらも活用語尾は「な」「に」「ぬ」「ぬる」「ぬれ」「ね」で同じですから,「死ぬ」の1種類を覚えればよいですね.

ラ行変格活用

次に「ラ変」を覚えます.「ラ変」に属する動詞は「あり」「居(を)り」「侍(はべ)り」「いまそかり」の4つで,活用は次の通りです.

ラ行変格活用
動詞 語幹 未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形
あり あ ら り り る れ れ
居をり 居 ら り り る れ れ
侍はべり 侍 ら り り る れ れ
いまそかり いまそか ら り り る れ れ

やはり「サ変」「ナ変」と同じく,これらも語幹が違うだけでいずれも活用語尾は「ら」「り」「り」「る」「れ」「れ」で同じですから,「あり」の1種類を覚えればよいですね.

上一段活用

最後に「ラ変」を覚えます.「ラ変」に属する動詞は「干(ひ)る」「嚔(ひ)る」「居(ゐ)る」「率(ゐ)る」「着る」「似る」「煮る」「見る」「射(い)る」「鋳(い)る」の10個で,活用形は次の通りです.

上一段活用
動詞 語幹 未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形
干(ひ)る (干) ひ ひ ひる ひる ひれ ひよ
嚔(ひ)る (嚔) ひ ひ ひる ひる ひれ ひよ
居(ゐ)る (居) ゐ ゐ ゐる ゐる ゐれ ゐよ
率(ゐ)る (率) ゐ ゐ ゐる ゐる ゐれ ゐよ
着る (着) き き きる きる きれ きよ
似る (似) に に にる にる にれ によ
煮る (煮) に に にる にる にれ によ
見る (見) み み みる みる みれ みよ
射(い)る (射) い い いる いる いれ いよ
鋳(い)る (鋳) い い いる いる いれ いよ

これらは頭文字をとって「ひゐきにみいる(贔屓に見入る)」と覚えるのがよくある覚え方です.

また,以下の2つのことに注意して下さい.

  • 「嚔る」と「居る」はワ行「ゐる」で,「射る」と「鋳る」はヤ行「いる」
  • 「居(を)り」は「ラ行変格活用」で,「居(ゐ)る」は「ワ行上一段活用」

これらはよく狙われるところですから,しっかり区別して覚えてください.

多くの動詞がある活用

以上の「決まった動詞しかない活用」を覚えてしまえば,残るは

  • 四段活用
  • 上二段活用
  • 下二段活用

の3種類だけです.これらの判別は未然形の活用語尾が「ア段」「イ段」「エ段」のどれなのか,ということで判断できます.

動詞に打ち消しの助動詞「ず」には未然形が接続しますから,実際に「ず」を接続させてどれになるのかを確認して判断します.

四段活用

四段活用の動詞は,未然形の活用語尾が「ア段」の動詞です.

たとえば,「吹く」「来たる」「思ふ」「飽(あ)く」は打消しの助動詞「ず」を接続させると,それぞれ

  • 吹かず
  • 来たらず
  • 思はず
  • 飽かず

となるので,これらは四段活用であることが分かります.

四段活用
動詞 語幹 未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形
吹く 吹 か き く く け け
来(き)たる 来た ら り り る れ れ
思ふ 思 は ひ ふ ふ へ へ
飽(あ)く 飽 か き く く け け

四段活用の活用は「ア段」「イ段」「ウ段」「ウ段」「エ段」「エ段」となります

上二段活用

上二段活用の動詞は,未然形の活用語尾が「イ段」の動詞です.

たとえば,「恥(は)づ」「老(お)ゆ」「落(お)つ」「起(お)く」は打消しの助動詞「ず」を接続させると

  • 恥ぢず
  • 老いず
  • 落ちず
  • 起きず

となるので,これらは上二段活用であることが分かります.

上二段活用
動詞 語幹 未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形
恥(は)づ 恥 ぢ ぢ づ づる づれ ぢよ
老(お)ゆ 老 い い ゆ ゆる ゆれ いよ
落(お)つ 落 ち ち つ つる るれ ちよ
起(お)く 起 き き く くる くれ きよ

上二段活用の活用は「イ段」「イ段」「ウ段」「ウ段」「ウ段」「イ段」となります.

下二段活用

下二段活用の動詞は,未然形の活用語尾が「エ段」の動詞です.

たとえば,「助(たす)く」「捨(す)つ」「得(う)」「植(う)う」は打消しの助動詞「ず」を接続させると

  • 助けず
  • 捨てず
  • 得えず
  • 植ゑず

となるので,これらは下二段活用であることが分かります.

下二段活用
動詞 語幹 未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形
助(たす)く 助 け け く くる くれ けよ
捨(す)つ 捨 て て つ つる つれ てよ
得(う) (得) え え う うる うれ えよ
植(う)う 植 ゑ ゑ う うる うれ ゑよ

上二段活用の活用は「エ段」「エ段」「ウ段」「ウ段」「ウ段」「エ段」となります.

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