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図形と方程式4|一般の直線の方程式と[平行・垂直条件]

xy平面上の傾きをもつ直線はy=ax+bの形で表されることを前回の記事で説明しました.

しかし,y=ax+bの式でxy平面上の全ての直線が表せるわけではありません.

そこで,y=ax+bでは表せない直線も含めて表せる直線の方程式を[一般の直線の方程式]といいます.

この記事では,[一般の直線の方程式]の基本事項について説明したのち,[一般の直線の方程式]の

  • 平行条件
  • 垂直条件

を説明します.

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直線の方程式

まず,[傾きをもつ直線]について復習したのち,

  • 傾きをもたない直線
  • 一般の直線の方程式

を説明します.

傾きをもつ直線

y 軸に平行でない直線を[傾きをもつ直線]といい,[傾きをもつ直線]は

\begin{align*} y=mx+c \end{align*}

の形で表せるのでした.

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例えば,

  • y=x+1
  • y=-2x+5
  • y=\pi x
  • y=-3

などはいずれも[傾きをもつ直線]ですね.

[傾きをもつ直線]は中学数学以来扱ってきたもので,非常に馴染みが深いですね.

傾きをもたない直線

そもそも, y 軸に平行でない直線を[傾きをもつ直線]というのですから,[傾きをもたない直線]は y 軸に平行でない直線をいいます.

この[傾きをもたない直線]はこれまでのy=mx+cの方程式で表すことはできません.

では,どのようにして y 軸に平行でない直線の方程式を考えれば良いのでしょうか?

ここで,少し問題を考えてみます.

xy平面上の次の直線の方程式を求めよ.

  1. 2点\mrm{A}(1,2), \mrm{B}(5,2)を通る直線\ell_1の方程式を求めよ.
  2. 2点\mrm{C}(-3,2), \mrm{D}(-3,4)を通る直線\ell_2の方程式を求めよ.

(1) 2点\mrm{A}(1,2), \mrm{B}(5,2)を通る直線の傾きは

\begin{align*} \frac{2-2}{5-1}=0 \end{align*}

なので,直線\ell_1の方程式は

\begin{align*} &y=0(x-1)+2 \\\iff&y=2 \end{align*}

となります.これについては前回の記事で説明した通りですね.

このように,傾きをもつ直線と捉えて直線の方程式を求めても良いですが,次のように考えるともっと簡単です.

まず,直線\ell_1は下図のようになっています.

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直線\ell_1y 座標が2の点を全て通るので,直線の方程式はy=2となることが分かりますね.

(2) (1)の後半の考え方をすれば,(2)の直線の方程式も簡単に求まります.

2点\mrm{C}(-3,2), \mrm{D}(-3,4)を通る直線\ell_2は下図のようになります.

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直線\ell_2x 座標が-2の点を全て通るので,直線の方程式はx=-2となることが分かりますね.

この(2)と同様に考えれば,以下のことが分かりますね.

xy平面上の y 軸に平行な直線はx=Aの形の方程式で表される.逆に,この形の方程式で表されるxy平面上のグラフは y 軸に平行な直線である.

y=mx+cの方程式では,どのようにmc を選んでも y が必ず残ってしまうので,確かにx=aとは表せませんね.

一般の直線の方程式

さて,いまみた

  • 傾きをもつ直線y=mx+c
  • 傾きをもたない直線x=a

の両方を同時に表す方法を考えます.

xy平面上の直線はこのどちらかなので,この両方を表すことのできる方程式があれば,その直線の方程式はxy平面上の全ての直線を表すことができますね.

結論から言えば,それが次の方程式です.

[一般の直線の方程式] xy平面上の直線は,少なくとも一方は0でない実数 a , b と,任意の実数 c を用いて

\begin{align*} ax+by+c=0 \end{align*}

の形の方程式で表される.逆に,この形の方程式で表されるxy平面上のグラフは直線である.

この形の直線の方程式を一般の直線の方程式といいます.

例えば,

  • y=2x-3ax+by+c=0(a,b,c)=(-2,1,3)とすれば得られ,
  • x=3ax+by+c=0(a,b,c)=(1,0,-3)とすれば得られますね.

このように,

  • b\neq0とすれば傾きのある直線y=-\dfrac{a}{b}x-\dfrac{c}{b}が表せ,
  • b=0とすれば y が消えて傾きのない直線の方程式x=Aが表せますね.

したがって,ax+by+c=0の形の方程式は,xy平面上の一般の(=全ての)直線を表せるので,[一般の直線の方程式]というわけですね.

なお,「 a , b の少なくとも一方は0でない」という条件は,a=b=0ならc=0となって直線を表さない式になってしまうからです(もしa=b=c=0なら図形はxy平面全体,a=b=0かつc\neq0なら図形は存在しません).

切片

ここで,切片の定義をしておきましょう.

xy平面上の直線\ellに対して,

  • 直線\ellx 軸との交点の x 座標を,直線\ell x 軸切片
  • 直線\elly 軸との交点を y 座標を,直線\ell y 軸切片

という.

傾きのある直線の方程式y=mx+cy 軸切片が c とすぐに分かりますね.

また, x 軸にも y 軸にも平行でない直線の方程式ax+by+c=0については,a\neq0かつb\neq0

  • x=0ならy=-\dfrac{c}{b}
  • y=0ならx=-\dfrac{c}{a}

なので,下図のようになります.

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すなわち,

  • y 軸切片は-\dfrac{c}{b}
  • x 軸切片は-\dfrac{c}{a}

というわけですね.

xy平面において,[傾きをもつ直線]と,[傾きをもたない直線]の2つのタイプの直線がある.ax+by+c=0 (実数 a , b は少なくとも一方は0でなく, c は任意の実数)の形の方程式は,これら2つのタイプの直線の両方を含んだ[一般の直線の方程式]である.

平行条件と垂直条件

それでは,xy平面上の直線が平行となる条件,垂直となる条件について説明します.

傾きのある直線の場合

傾きをもつ2直線の[平行条件]と[垂直条件]は次の通りです.

[平行条件・垂直条件1] xy平面上の2直線\ell_1:y=m_1x+c_1, \ell_2:y=m_2x+c_2に対して,次が成り立つ.

  • \ell_1\ell_2は平行である \iff m_1=m_2
  • \ell_1\ell_2は垂直である \iff m_1m_2=-1

この定理については前回の記事で説明した通りですね.

一般の直線の場合

一般の直線の[平行条件]と[垂直条件]は次の通りです.

[平行条件・垂直条件2] xy平面上の2直線\ell_1:a_1x+b_1y+c_1=0, \ell_2:a_2x+b_2y+c_2=0に対して,次が成り立つ.

  • \ell_1\ell_2は平行である \iff a_1b_2=a_2b_1
  • \ell_1\ell_2は垂直である \iff a_1a_2=-b_1b_2

この[平行条件・垂直条件2]が成り立つ理由

  1. 傾きをもつ直線の公式を用いる方法
  2. 係数比を用いる方法

を考えましょう.素朴には1つ目の傾きを用いる方法でも良いですが,2つ目の比を用いる方法はとても便利なので是非身につけて欲しいところです.

特に2つ目の考え方が身についていれば,以下の問題はものの十数秒で解けます.

xy平面上の次の直線の方程式を求めよ.

  1. 3x+5y=2に平行で点(1,2)を通る直線\ell_1
  2. -3x+6y=5に垂直で点(3,4)を通る直線\ell_2

この問題は後で解説するとして,[平行・垂直条件]を簡単に説明しておきましょう.

傾きをもつ直線の公式を用いる方法

一般の直線の方程式をy=mx+cの形に変形し,傾きを考えるのが素朴な方法でしょう.

しかし,傾きをもたない直線ではこの方法が使えないので,きっちり示そうとすると場合分けが必要になって面倒です.

そのため,ここではa_1, b_1, a_2, b_2がいずれも0でない場合のみ証明をします.

\ell_1\ell_2

\begin{align*} &\ell_1:y=-\frac{a_1}{b_1}x-\frac{c_1}{b_1} \\&\ell_2:y=-\frac{a_2}{b_2}x-\frac{c_2}{b_2} \end{align*}

と変形できるので,傾きをもつ直線の[平行条件]により,一般の直線の方程式の[平行条件]は

\begin{align*} &-\frac{a_1}{b_1}=-\frac{a_2}{b_2} \\\iff& a_1b_2=a_2b_1 \end{align*}

となります.また,傾きをもつ直線の[垂直条件]により,一般の直線の方程式の[垂直条件]は

\begin{align*} &\bra{-\frac{a_1}{b_1}}\bra{-\frac{a_2}{b_2}}=-1 \\\iff& a_1a_2=-b_1b_2 \end{align*}

となります.

係数比を用いる方法

次に,係数比を用いて考える方法を説明します.

b\neq0なら,直線\ell:ax+by+c=0の傾きは-\frac{a}{b}になります.つまり, ab の比が直線\ellの向きを決めるということになります.

こう考えると,係数比a:bを考えれば[平行条件]も[垂直条件]も得られることになります.

実際,2直線\ell_1:a_1x+b_1y+c_1=0, \ell_2:a_2x+b_2y+c_2=0の係数の比は,それぞれa_1:b_1, a_2:b_2です.

\ell_1\ell_2の[平行条件]は

\begin{align*} &a_1:b_1=a_2:b_2 \\\iff& a_1b_2=a_2b_1 \end{align*}

と分かります.一方,\ell_1\ell_2の[垂直条件]は

\begin{align*} &a_1:b_1=(-b_2):a_2 \\\iff& a_1a_2=-b_1b_2 \end{align*}

と分かります.

なお,a:bab のどちらかが0でなければ定義することができます.

そのため,直線の方程式ax+by+c=0では a , b の少なくとも一方は0ではないので,1つ目の考え方とは異なり,a_1, b_1, a_2, b_2に0が含まれていても場合分けをする必要がありません.

なお,この考え方はベクトルを用いて説明すればより分かりやすいのですが,ここでは割愛します.

一般の直線の方程式では,傾きや係数の比を考えることで[平行条件],[垂直条件]が得られる.

平行条件と垂直条件の利用

先ほどみた[平行・垂直条件]の「係数の比」を用いた考え方関連付けて考えれば,次の定理が得られます.

xy平面上の次の直線の方程式を求めよ.

  1. 3x+5y=2に平行で点(1,2)を通る直線\ell_1
  2. -3x+6y=5に垂直で点(3,4)を通る直線\ell_2

(1) 直線\ell_1(1,2)を通るからA(x-1)+B(y-2)=0とおけます.

直線\ell_13x+5y=2に平行だからA:B=3:5なので,A=3k, b=5k (kは0でない実数)とおけ,\ell_1の方程式は

\begin{align*} &3k(x-1)+5k(y-1)=0 \\\iff&3(x-1)+5(y-1)=0 \\\iff&3x+5y-8=0 \end{align*}

となりますね.

(2) 直線\ell_2(3,4)を通るからA(x-3)+B(y-4)=0とおけます.

直線\ell_2-3x+6y=5に垂直だからA:B=6:\{-(-3)\}=2:1なので,A=2k, b=k (kは0でない実数)とおけ,\ell_2の方程式は

\begin{align*} &2k(x-1)+k(y-1)=0 \\\iff&2(x-1)+(y-1)=0 \\\iff&2x+y-3=0 \end{align*}

となります.

今の考え方を一般化すると,以下の定理が得られます.

xy平面上の直線\ell:ax+by+c=0に対して,次が成り立つ.

  1. 直線\ellに平行で(x_1,y_1)を通る直線\ell_1の方程式はa(x-x_1)+b(y-y_1)=0
  2. 直線\ellに垂直で(x_2,y_2)を通る直線\ell_2の方程式はb(x-x_2)-a(y-y_2)=0

(1) \ell_1(x_1,y_1)を通ることから,\ell_1の方程式はA(x-x_1)+B(y-y_1)=0と表すことができます.

\ell_1\ell:ax+by+c=0に平行だからA:B=a:bなので,A=ka, B=kb (kは0でない実数)とおけ,直線\ell_1の方程式は

\begin{align*} &ka(x-x_1)+kb(y-y_1)=0 \\\iff&a(x-x_1)+b(y-y_1)=0 \end{align*}

となります.

(2) \ell_2(x_2,y_2)を通ることから,\ell_2の方程式はA(x-x_2)+B(y-y_2)=0と表すことができます.

\ell_2\ell:ax+by+c=0に垂直だからA:B=b:(-a)なので,A=kb, B=-kb (kは0でない実数)とおけ,直線\ell_2の方程式は

\begin{align*} &kb(x-x_1)+(-ka)(y-y_1)=0 \\\iff&b(x-x_1)-a(y-y_1)=0 \end{align*}

となります.

一般の直線の方程式の平行条件,垂直条件は,係数の比を用いることですぐに直線の方程式が求まることも多い.

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