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図形と方程式の基本1|内分点と外分点

  
   

「図形と方程式」は「なんとなく分かるけど,計算が多いし面倒だ」という人が多い分野です.とくに,「図形と方程式」の最後に習う「軌跡と領域」は,計算して図を描けば終わり,と考えている人も多いようです.

たしかに,そういった傾向があることは否定できません.

しかし,それでは「結局なんだかよく分からない」という感想を持つことにもなり,きちんとした理解が必要となる標準レベル以上の問題になると解けない,といった状況になりかねません.

計算に一生懸命になって,本質を見落としがちな分野ではありますが,きちんとした理解も同時に養ってください.

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絶対値

「図形と方程式」を学ぶ上で,「絶対値」は非常に重要です.というのは,「絶対値」は距離をあらわすのにほとんど必須の概念だからです.

にも関わらず,「絶対値」がなんとなく嫌い,という人は意外に多いです.しかし,実際には「絶対値」は難しいものではなく,基本的なイメージを持っていれば受け入れやすいはずです.

絶対値の定義

さて,実数aの絶対値は|a|と表しますが,ここで質問です.「実数aの絶対値」の定義をきちんと言えますか?この質問に対して,

a\geqq 0のときはaで,a<0のときは-a

という人が結構います.これ自体は間違いではありませんが,「絶対値」の定義ではありません.(しかも,これでは実数が複素数の場合に拡張された場合に対応できません.)

「絶対値」の定義は次のように一言で表せます.

[定義] 実数aの絶対値は,0(原点)とaとの距離のことをいう.

ですから,「0\leqq aのときはaで,a<0のときは-a」というのはこの定義からの帰結ではありますが,定義ではありません.(なお,この定義だと実数が複素数に拡張された場合にも,複素数の絶対値は同様に定義できます.)

絶対値を使った距離の表し方

中学校の時に習ったと思いますが,実数aba\leqq bをみたすとき,abの距離はb-aです.「距離は大きい方から小さい方を引け!」と習った人もいるかと思います.

いまのはabの大小a\leqq bが明示されているので距離はa-bだとすぐに分かりましたが,abの大小が分からないときは少し面倒です.

実際に,abの大小が指定されずに単に「実数abの距離は?」と問われたときは,「a\leqq bのときb-ab<aのときa-b」と答えるしかありません.

しかし,「絶対値」を知っていると,abの大小が分からなくても「|a-b|」と答えることができます.「絶対値」が嫌いだった人も,「絶対値」の便利さがなんとなくでも分かるのではないでしょうか.

数直線上の内分点と外分点

内分点と外分点は図形を考える上で頻繁に出現する概念で,基本中の基本です.

ます,ここを確実にしてから次に進んでください.

内分点,外分点の定義

まず,数直線上の内分点と外分点の定義を書きます.

[定義] 数直線上の点\mathrm{A}\mathrm{B}に対して,

  1. \mathrm{P}が線分\mathrm{AB}m:nに内分するとは,点\mathrm{P}線分\mathrm{AB}上にあって\mathrm{AP:AB}=m:nが成り立つことをいう.このとき,点\mathrm{P}を線分\mathrm{AB}の内分点という.
  2. \mathrm{P}が線分\mathrm{AB}m:nに外分するとは,点\mathrm{P}線分\mathrm{AB}の延長上にあって\mathrm{AP:AB}=m:nが成り立つことをいう.このとき,点\mathrm{P}を線分\mathrm{AB}の外分点という.

ただし,外分を考えるときはm\neq nである.

内分と外分の違いは点が「線分上にある」か「線分の延長上にある」かの違いです.定義を見ればわかるように,どちらも\mathrm{AP:AB}=m:nをみたします.

内分点

線分\mathrm{AB}と内分点\mathrm{P}は下図のようになっています.

図形と方程式1

ただし,mnが「丸囲み」になっているのは,m:nは比であって長さではないからです.たとえば,\mathrm{AP}=2\mathrm{PB}=4であっても,比は\mathrm{AP:PB}=1:2です.

比を「丸囲み」で表さないと,長さと混乱することがあるので,以降も比は「丸囲み」で表します.

外分点

線分\mathrm{AB}と外分点\mathrm{P}n<mなのか,m<nなのかで図が変わってきます.

n<mのときは,\mathrm{BP<AP}なので,下図のようになり,

図形と方程式1

m<nのときは,\mathrm{AP<BP}なので,下図のようになります.

図形と方程式3

内分点,外分点の計算

さて,それでは,点\mathrm{A}\mathrm{B}の座標と比が与えられたとき,内分点と外分点はどうなるのか考えてみます.

以降,点\mathrm{X}の座標がxであることを\mathrm{X}(x)と表します.これは平面上の座標を\mathrm{X}(x,\ y)と表すのと同じ感覚です.

結論から書けば,次のようになります.

[公式] 数直線上の2点\mathrm{A}(a)\mathrm{B}(b)に対し,

1.線分\mathrm{AB}m:nに内分する点\mathrm{P}(x)の座標は,次で表される.

x=\dfrac{na+mb}{m+n}

2.線分\mathrm{AB}m:nに外分する点\mathrm{P}(x)の座標は,次で表される.

x=\dfrac{-na+mb}{m-n}

内分点

数直線上の2点\mathrm{A}(a)\mathrm{B}(b)に対し,線分\mathrm{AB}m:nに内分する点\mathrm{P}(x)の座標を求めます.

a<bのとき,\mathrm{AP}=x-a\mathrm{PB}=b-xなので,\mathrm{AP:AB}=m:nより

(x-a):(b-x)=m:n\\ \Leftrightarrow m(b-x)=n(x-a)\\ \Leftrightarrow x=\dfrac{na+mb}{m+n}

が得られます.b<aのときも同様にして,x=\dfrac{na+mb}{m+n}が得られます.

よって,点\mathrm{P}の座標はabの大小によらず,x=\dfrac{na+mb}{m+n}となることが分かります.

外分点

数直線上の2点\mathrm{A}(a)\mathrm{B}(b)に対し,線分\mathrm{AB}m:nに外分する点\mathrm{P}(x)の座標を求めます.

a<bn>mのとき,\mathrm{AP}=x-a\mathrm{PB}=x-bなので,\mathrm{AP:AB}=m:nより

(x-a):(x-b)=m:n\\ \Leftrightarrow m(x-b)=n(x-a)\\ \Leftrightarrow x=\dfrac{-na+mb}{m-n}

が得られます.a<bn>m以外のときも同様にして,x=\dfrac{-na+mb}{m-n}が得られます.

内分点についての補足

\mathrm{P}が線分\mathrm{AB}の中点であったときは,\mathrm{AP:AB}=1:1ですから,内分の公式より点\mathrm{P}の座標は\dfrac{a+b}{2}となります.

中点の座標を求める機会は非常に多いので,これは息をするように求められるようにして下さい.

外分点についての補足

外分点で混乱しがちなのは,マイナスの位置です.\dfrac{-na+mb}{m-n}だったか,\dfrac{na-mb}{-m+n}だったか迷う,というものです.

しかし,これは全く悩む必要がなく,どちらでもOKです.

というのは,\dfrac{-na+mb}{m-n}\dfrac{-1}{-1}をかけると,\dfrac{na-mb}{-m+n}となりますが,1=\dfrac{-1}{-1}ですから,結局\dfrac{-na+mb}{m-n}\dfrac{na-mb}{-m+n}は同じものであるということが分かるからです.

したがって,内分の公式\dfrac{na+mb}{m+n}mnのどちらか一方のみにマイナスを付ければ外分の公式が出ます.

平面上の内分点と外分点

さて,平面上の線分\mathrm{AB}の内分点,外分点を考えますが,これは数直線上の内分点,外分点の考え方がほとんどそのまま使えます.

結論から書けば,次のようになります.

[公式] 平面上の2点\mathrm{A}(x_1,y_1)\mathrm{B}(x_2,y_2)に対し,

1.線分\mathrm{AB}m:nに内分する点\mathrm{P}(x,y)の座標は,次で表される.

(x,y)=\left(\dfrac{nx_2+mx_1}{m+n},\dfrac{ny_2+my_1}{m+n}\right)

2.線分\mathrm{AB}m:nに外分する点\mathrm{P}(x,y)の座標は,次で表される.

(x,y)=\left(\dfrac{-nx_2+mx_1}{m-n},\dfrac{-ny_2+my_1}{m-n}\right)

この公式から,平面上の内分点,外分点は,各成分ごとに内分点,外分点の公式を用いればいいことが分かります.これは,次のようにして説明することができます.

線分\mathrm{AB}x軸,y軸にそれぞれ射影して下図のように,\mathrm{A}_x(x_1,0)\mathrm{B}_x(x_2,0)\mathrm{P}_x(x,0)\mathrm{A}_y(0,y_1)\mathrm{B}_y(0,y_2)\mathrm{P}_y(y,0)とします.

図形と方程式4

このとき,\mathrm{A}_x\mathrm{P}_x:\mathrm{B}_x\mathrm{P}_x=m:nなので,x軸を数直線とみるとx=\dfrac{nx_2+mx_1}{m+n}が分かります.

同様に,\mathrm{A}_y\mathrm{P}_y:\mathrm{B}_y\mathrm{P}_y=m:nなので,y軸を数直線と見るとy=\dfrac{ny_2+my_1}{m+n}が分かります.

よって,内分の公式が得られました.外分の公式もx軸,y軸への射影を考えることで,同様に得られます.

図形と方程式の基本2|直線の方程式】に続きます.

最後までお読み頂き,ありがとうございました!

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