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三角関数3|「ラジアン」の考え方,公式はシンプル!

三角関数の偏角の変換公式((90^\circ+\theta)型や(180^\circ-\theta)型など)は,全てを覚える必要はなく,実は基本の公式から簡単に導けるということを説明しました.

少し三角関数の性質から離れ,角度の話をします.

小学校以来,30^\circのように「〜度」という単位で角度を表してきましたが,これでは三角関数のグラフを描くときなどに不都合があります.

より数学的に扱いやすい角度の単位として「弧度法」があり,これは度数法よりも計算が簡単にできる単位なので,慣れれば「扇型の面積」などの計算が簡単にできます.

今回の記事では,「弧度法」の定義と,弧度法に関する大切な公式を説明します.

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度数法から弧度法へ

小学校から使ってきた「〜度」という単位の角度を「度数法」と言い,この記事で導入する「弧度法」は「〜ラジアン」という単位の角度になります.

度数法

この記事の主役は「弧度法」ですが,「度数法」についてもさっと書いておきましょう.

[度数法] 円周を360等分した弧に対する中心角を1^\circと定める.この角度の単位を度数法という.

これはみなさんご存知ですね.

さて,この「度数法」はあまりに普通に使われてきた角度の単位なので,あまり疑問に思わないかもしれませんが,どうして360等分なのでしょうか?

これは「1時間=60分」であることと同じ理由です.

実は100以下の自然数の中で最も約数が多いのは60であり,そのため時間の計算が簡単になるので「1時間=60分」となっています.

同じく「度数法」で360等分する理由は,「360は約数が多いから」であり,数学的な意味にはさほど重要な数字ではありません.

弧度法

「数学的に意味のある角度」を考えようということで,「弧度法」を考えましょう.

名前に「弧」とついているように,円の弧を使って定義します.

[弧度法] 半径1の扇形の弧の長さが\thetaであるとき,この扇形の中心角の大きさを\theta[\mrm{rad}]と定める.ただし,\mrm{rad}は「ラジアン(radian)」と読む.

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正確には,「円弧と半径が等しいときの中心角を1[\mrm{rad}]と定める」なのですが,ここでは同値な上の条件を定義としておきましょう.

この定義から,半径1の円においては,

  • 中心角\theta[\mrm{rad}]
  • 弧の長さが\theta

であることは全く同じということになります.

考え方はシンプルですね!

また,「弧度法」においては,単位の[\mrm{rad}]を省略することが多いです.

つまり,「中心角\theta[\mrm{rad}]」というのと「中心角\theta」というのは,同じことを意味します.

例1

半径1,中心角が\dfrac{\pi}{3}の扇形は下図のようになります.

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半径1の円においては,「(中心角)=(弧の長さ)」なので弧の長さ\ell\ell=\dfrac{\pi}{3}です.

例2

半径2,中心角が\dfrac{\pi}{3}の扇形は下図のようになります.

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例1のように,半径1の円においては「(中心角)=(弧の長さ)」したが,半径が2になれば弧の長さも2倍になります.

ですから,半径2の場合の円周は

\begin{align*} \ell=2\cdot\dfrac{\pi}{3} =\dfrac{2\pi}{3} \end{align*}

となります.

半径1の円においては,「中心角[\mrm{rad}]=(弧の長さ)」が成り立つ.半径がrの場合は,相似であることからこの長さもr倍となる.

度数法と弧度法の関係

実際に計算すれば分かりますが,[度数法]と[弧度法]の関係は下表のようになります.

[度数法]と[弧度法]の関係
度数法 0^\circ 30^\circ 45^\circ 60^\circ 90^\circ 120^\circ 135^\circ 150^\circ 180^\circ
弧度法 0 \dfrac{\pi}{6} \dfrac{\pi}{4} \dfrac{\pi}{3} \dfrac{\pi}{2} \dfrac{2\pi}{3} \dfrac{3\pi}{4} \dfrac{5\pi}{6} \pi

以上の有名角の30^\circ45^\circ60^\circは,すぐに弧度法で考えられるようになっておいてください.特に,

  • 度数法での180^\circ
  • 弧度法での\pi

が一致することを意識しておけば,

  • 6等分すれば30^\circ=\dfrac{\pi}{6}
  • 4等分すれば45^\circ=\dfrac{\pi}{4}
  • 3等分すれば60^\circ=\dfrac{\pi}{3}

となることが分かりますね.

[1] 30^\circの場合は6等分

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[2] 45^\circの場合は4等分

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[3] 60^\circの場合は3等分

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弧度法の公式

弧度法について,以下が成り立ちます.

半径r,中心角\thetaの扇形について,弧の長さを\ell,面積をSとすると,以下が成り立つ.

  1. r\theta=\ell
  2. \dfrac{1}{2}r^{2}\theta=S

弧の長さの公式

1つ目の公式r\theta=\ellは,上の例で見たように,相似の考え方を使うことで分かります.

  • 半径1,中心角\thetaの扇形
  • 半径r,中心角\thetaの扇形

の2つを考えると,下図のようになります.

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先ほど説明したように,半径1の扇形においては(中心角)=(弧の長さ)なので\thetaでした.

左の扇形(半径1)と右の扇形(半径r)の相似比は1:rですから,弧の長さも当然1:rとなります.

よって,半径rの扇形の弧の長さはr\thetaとなりますね.

面積の公式

まずは扇形の面積の公式を復習しておきましょう.

半径r,弧の長さ\ellの扇形の面積は\dfrac{1}{2}r\ellである.

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詳しい説明は省略しますが,

  • 高さr,底辺の長さ\ellの三角形の面積
  • 半径r,弧の長さ\ellの扇形の面積

はどちらも\dfrac{1}{2}r\ellですね.

さて,これが分かっていれば,1つ目の公式から扇形の面積公式が得られます.

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半径r,中心角\thetaの扇形の弧の長さはr\thetaでしたから,面積S

\begin{align*} S=\dfrac{1}{2}r\cdot r\theta =\dfrac{1}{2}r^2\theta \end{align*}

となりますね.

扇形に関する公式は半径1,中心角\thetaの扇形との相似を考えれば簡単に得られる.

最後まで読んで下さってありがとうございました!

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