「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話」(坪田信貴著,KADOKAWA刊)が発行部数65万部を超えるベストセラーになり,この「ビリギャル」が映画になったということで見てきました.
この話は単に「成績を伸ばして合格した話」ではなく,「可能性を信じること」がテーマとなっています.
「可能性」という言葉は不確かな言葉ではありますが,これほど希望のある言葉も少ないように思います.
また,「信じること」という点に関して,作中では
- 自分を信じること
- 他人を信じること
の2つの形の「信じる」が出てきます.
あらすじ
中高大一貫の学校に入学したものの,中学入学時からほとんど勉強をしなかったため,高校2年の夏には学校の中でも最下位のクラスに配属されてしまった金髪ギャルの「さやかさん」がこの話の主人公.
さやかさんは母の勧めで個別塾へ入塾の面接へ行く事になり,さやかさんはそこで著者の坪田信貴氏に出会う.
さやかさんは入塾試験を受け0点を取ってしまうが,それでも坪田氏は「全ての解答欄を埋めて0点を取るなんて,こんな謎に満ちたな答案は初めてだ」と絶賛する.
その日のうちに,さやかさんは坪田氏が勧める「慶応大学」を第一志望に決めるが,さやかさんは周りの人間に笑われ,学校の先生や父親にも無理だと一蹴される.
そんな中,さやかさんは慶応大学への合格を信じる坪田氏と母親とともに,1年半後の入試に向けて受験勉強を開始する.
進まなければ何も掴めない.何かを掴むためには,可能性を信じなければならない.
著者の伝えたいこと
本作品は著者の体験談を元にして書かれたドキュメンタリーとなっています.
ダメな生徒はいない
作中で著者の坪田氏は次のように言います.
「ダメな生徒はいない.可能性を信じないダメな教師がいるから,生徒もダメになっていく.」
良くも悪くも,教師は生徒の周りで「手助け」することしかできないのです.ですから,ときとして教師は生徒の可能性を潰すことさえあります.
実際,学校の先生はさやかさんの慶應大学は不可能だと決めつけ,見向きさえしませんでした.
さらに,さやかさんの場合は教師だけではなく,父親でさえさやかさんの決意を踏みにじり,罵倒します.
「お前はダメだ」「無理だ」「諦めろ」と.
しかし,坪田私は「ダメな生徒はいない」と繰り返します.
「教師が生徒より先に諦めんな!お前が勝手に無理と決めつけるな!
誰にでもいろんな可能性を秘めている.その可能性を教師や親が信じなくてどうする!?」
という坪田氏の強い想いがハッキリと伝わってきます.
意思あるところに道は開ける
アメリカ合衆国第16第大統領のエイブラハム・リンカーン(Abraham Lincoln)は”Where there is a will, there is a way.”と言ったとされます.意味は「意思あるところに道は開ける」で,この言葉は映画の中でも登場します.
大切なことは「志をもつ限り,周りの人間が何を言おうが関係ない.自分が自分を信じるられるかどうか.」なのです.
そして,自分を信じてくれる周りの人がいるかどうか.自分を信じてくれる人が周囲にいれば,自然と自分を信じることができます.ですが,教師が,親が,周りの人間が信じてくれないことで,自分自身さえも自分を信じられなくなってしまう.これが一番怖い.
「ダメな生徒はいない」のです.それを自分が信じて行動に移したとき,「道が開け」ます.道を開こうとしない者に道が開けることはあり得ません.道は信じればそこにあります.
自分が掴めると信じているから努力できるのです.
最初から可能性を信じない者に行動は起こせない.可能性を信じて,初めて道が開ける.
感想
「努力が必ずしも結果に結びつくとは限らない」というのは,現実としてそうでしょう.どんなに努力をしても,挫折を味わうことはあるでしょう.しかし,挫折を恐れて努力をしなければ,何も成すことはできません.当たり前ですね.
では,なぜ挫折を恐れるのでしょうか?
挫折によって,努力したことが無駄になるかもしれない?自分の無力さを思い知ることになるかもしれない?
そう思っているのなら,それは大きな間違いです.
挫折したら,努力したことが全て消え去るはずがないでしょう.挫折しても,努力したことはあなたの力になっているのですから,あなたが無力なはずないでしょう.
それよりも,努力しなければそれこそ何も残りませんし,無力なままの方がもったいないです.
何が?
自分が,です.
自分には無限の可能性があることを自分が信じ,努力するのです.
めっちゃしんどい?めっちゃ苦しい?
知っています.かつて私も受験生でしたからね.なんなら私も高校では落ちこぼれていましたから,できないことの苦しさは痛いほど知っています.
今でこそ多くの生徒を勉強を勉強法から教え,成績を伸ばすようにまでになっていますが,高校生のときは国語や英語で欠点は当たり前,理系科目でさえよく欠点をとっていました.
周りから無理だと言われ四面楚歌の状態で戦ってもいました.その中でも私が進んで行くことができたのは,自分はできると信じたからです.
合格する根拠?そんなものありませんよ.先に根拠が必要なら,何もできません.
みんな考えてることが逆なんです.根拠があるから合格を目指すんじゃないんです.
まずは目指して,それから勉強して根拠を積み上げていくんです.だから,「合格する!」ってさっさと言ってしまうことが大切なんです.
道はあるんですよ.
リンカーンが言った”Where there is a will, there is a way.”の意味は「意思あるところに道は開ける」です.「道ができる」とは言ってないんですよ.道はいつでもそこにあって,進むか進まないかはあなたの意思1つなんです.
これはとても大切なことです.道はいつでもあるんです.
あなたはその道を進みますか?それとも今のままでいいですか?答えは明らかですね.
根拠が先にあるのではない.まずは目標を決めて,それを達成するために根拠を積み上げていくのである.
映画と原作
原作
ビリギャルの原点となった原作ですね.文庫版が発売されているので,廉価で購入できます.
読むとめちゃくちゃ勉強に対するモチベーションが上がります.
刺激が欲しい方は是非購入してみてください.
映画
原作の実写化ですね.
あらすじのところで紹介したYouTubeの予告の映画です.
(個人的には有村架純さんの演技が素晴らしく,この映画でファンになりました笑)
私も個人的に受験で苦しんできた人間なので,「めっちゃ分かる……」と何度も歯を食いしばる場面がありました.
DVDを買わなくても,どこかでは必ず見て欲しい作品です.
コメント
[…] ビリギャルから学ぶこと|可能性を信じることの大切さ映画「ビリギャル」のテーマは「可能性を信じること」です.原作者の坪田氏はリンカーンが言ったとされる"Where there is a will, ther […]
映画ビリギャルをAmazon prime videoで見ました。『意思あるところに道は開ける』この言葉を信じて僕も部活、勉強に励んでいきます。改めてありがとうございます