学校では毎日クラス授業を受けるでしょうし,予備校に通っている人は学校が終わってからもクラス授業を受けるかもしれません.
教師が一度の喋るだけで多くの生徒に対して授業ができるので,教育システムとしてクラス授業はとても便利です.
また,多くの場合,クラス授業は絶対視されがちなのですが,授業だけで満足していては危険であることにも気をつける必要があるでしょう.
かといって,一方で授業を軽視するのももったいないことでもあります.
クラス授業には,メリットとデメリットの両方があることをしっかり意識しておくことは大切です.
クラス授業のメリット
クラス授業のメリットは
- 全ての範囲をさらい,全体像をつかめる
- 仲間と競える
の2つです.
全ての範囲をさらい,全体像をつかめる
クラス授業の最大のメリットは全ての範囲をさらえる点です.
学校の授業でもそうですが,クラス授業ではきちんとカリキュラムが組まれていることが多く,よほど酷くない限り出席していればやるべき内容は習うことになります.
定期試験は授業で習った範囲から試験問題が作られるのが基本ですから,授業の内容がだいたい頭に入っていれば高得点は望めるはずです.
定期試験できちんと得点できる実力がついていれば,比較的容易に入試にも対応することができるようにもなります.
また,内容の全体像をつかめるのもメリットの一つです.
一度で授業内容を理解する必要はありませんが,おぼろげながらでも一度授業で聞いた内容を覚えていれば,復習のときに「この議論は何をしたいのか」という全体像が捉えやすいです.
そうなると,自分でやり直すのはずいぶん楽です.
何も知らないところを独学で何とかするというのにはかなりのエネルギーを要しますから,「聞いていない」とか「寝ていた」というのは,とてももったいないことです.
仲間と競える
競う仲間がいるというのは大切なことです.一人で勉強できるなら良いのですが,一人で黙々と勉強を続けられる人はそこまで多くないと思います.
切磋琢磨という言葉があるくらいですから,やはり競い合って高め合うというのはある程度の効果があります.
テストが返却されてから点数を競い合っている光景がよくありますが,特に高得点層ではそのバトルが熾烈になっています.本気で試験対策をしての「勝った負けた」ですから,当然熱くもなります.
今回負けたら,次は勝とうともっと努力します.
一人ではこういったことはなかなかできません.
参考記事:負けず嫌いのススメ
クラス授業のデメリット
クラス授業のデメリットは
- 自分にあった勉強ができない
- 演習が少ない
の2つです.
自分にあった勉強ができない
クラス授業のメリットで書いたように,授業は多くの生徒に同時に教えられるということがメリットである反面,少人数制の授業でない限り,それぞれの個人に合わせて授業を進めることができません.
僕の経験上ですが,5~7人程度まではそれぞれの生徒の理解度を把握して,理解の速い生徒には別々に課題を出したりできますが,それ以上になると個々の理解具合を把握すること自体が困難になります.
とても授業が上手い先生だと,人数が増えてもそういったことに目を配ることができるかもしれませんが,そこまでしてくれる先生はほとんどいないという印象です.
ですから,理解の速い人は退屈な授業になりがちですし,理解が遅れている人はどんどん分からなくなっていってしまいます.
理解の速い人はまだいいとして,理解が遅れている人には困ったことです.
「分からないからもう一度授業やって!」ということは,なかなかできません.ですから,授業で分からなかった部分は自分でやるしかありません.
演習が少ない
理論と実践にはギャップがあります.理解できていても実際に自分の頭で解こうと思うと意外と解けないことがあります.
これについては【「やったのに解けない」をなくす勉強法】で説明しています.これもとても重要なので,読んでいない人は読んでください.
たとえ演習の授業があってもそれだけでは足りないことも多いです.
というのも,演習の時間はたかだか学校なら45~70分,塾でも90分程度がいいところでしょう.
「その科目がとても得意で,毎週90分の演習でどうにでもなる」というのならいいですが,ほとんどの人はそうではないと思います.
普通は応用問題が解けるようになるために,基本問題から標準問題,応用問題と順を追っていかなければいけませんから,演習の時間だけでは足りません.
まとめ
クラス授業にはメリットもデメリットもありますから,絶対視するのも授業を軽視するのも良くありません.
例えば,40人が受けるクラス授業では,クラス全員の能力が1上がれば,全体で40上がることになります.しかし,レベルは1しか上がりません.
一方,個別授業や家庭教師を受ければ,自分にあった授業を受けられるので,レベルが3上げることができます,しかし,全ての生徒に一人ずつ先生をつけるわけにはいきません.
(きちんとした講師につければ,)個人を見れば個別授業の方が良いに決まっています.
自分は何を授業から得て,何を授業以外でするべきかは意識しておくことが大切です.