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複素数3|複素数の「極形式」は絶対値と偏角がポイント!

複素数は$a+bi$ ($a$, $b$は実数,$i$は虚数単位)として表される数のことをいうのでした.

この$a+bi$という書き方は実部が$a$で虚部が$b$というシンプルな表現で和や差を考える際には便利ですが,積や商を求める際には$a+bi$の表現では和や差のように単純に計算はできませんでした.

そこで,複素数を「極形式」という表し方をすると,複素数の積や商を簡単に計算することができます.

とくに$(a+bi)^n$など複素数の指数を計算しようとすると計算は非常に面倒ですが,極形式の指数計算は非常に簡単で瞬時に答えが求まります.

この極形式の指数計算に関する定理を[ド・モアブルの定理]といいます.

この[ド・モアブルの定理]の説明は次の記事に回すとして,この記事では極形式の基本を具体例を用いて説明します.

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絶対値と偏角

極形式を説明するには,

  • 絶対値
  • 偏角

をしっかり理解しておく必要があります.

絶対値

絶対値については前回の記事で説明したので,ここでは詳しくは説明しませんが,重要事項を確認しておきましょう.

まずは定義です.

複素数$z$に対して,複素平面上の0と点$z$の距離を$z$の絶対値といい,$|z|$で表す.

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次に絶対値の値を求める公式です.

複素数$z=a+bi$に対して,

\begin{align*} |z|^2=a^2+b^2=z\overline{z} \end{align*}

が成り立つ.

実数$a$に対しては$|a|^2=a^2$が成り立ちますが,複素数$z$に対しては$|z|^2=z\overline{z}$であって$|z|^2$と$z^2$は異なるのでしたね.

ともかく,極形式を考える際には,$|z|$は複素平面上の点$z$と原点の距離のことをいうことが重要です.

偏角

次に偏角について説明します.

「偏角」という言葉は三角関数を学んだ際に出てきましたが,この偏角と複素数で学ぶ偏角はほとんど同じです.

それでは定義です.

複素平面上の原点0とは異なる点Pに対して,実軸の正方向からベクトル$\Ve{OP}$への有向角を(実軸正方向からの)点Pの偏角という.ただし,反時計回りを正とする.

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「偏角」は単なる角度とは異なり,「向きがある」ということに注意してください.

そのため,偏角は

  • $360^{\circ}$を超えるもの
  • 負のもの

も考えることができるわけですね.

極形式

それでは本題の「極形式」の解説に移ります.

極形式の考え方

複素平面上に点$\mrm{P}(z)$をとったとき,どのように言えば点Pの位置が相手に伝わるでしょうか?

1つは前回の記事からここまでで見たように,

  • $z$の実部$a$
  • $z$の虚部$b$

を言えば下図の位置に点$\mrm{P}(z)$があることが分かります.

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他に

  • 点$\mrm{P}(z)$と原点0の距離$r$ ($r=|z|$)
  • 点$\mrm{P}(z)$の偏角$\theta$

を言うことによっても,下図の位置に点Pがあることが分かります.

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このとき,

  • $z$の実部は$r\cos{\theta}$
  • $z$の虚部は$r\sin{\theta}$

なので,

\begin{align*} z=r(\cos{\theta}+i\sin{\theta}) \end{align*}

となることが分かりますね.これについて,以下のように定義します.

$r\geqq0$とし,$\theta$を実数とする.このとき,複素数の$r(\cos{\theta}+i\sin{\theta})$の表し方を極形式という.

極形式の例

それでは,極形式の例を考えましょう.

次の複素数$z$を極形式に書き直し,複素平面上に絶対値,偏角とともに点$\mrm{P}(z)$を図示せよ.

  1. $z=\dfrac{1}{2}+\dfrac{\sqrt{3}}{2}i$
  2. $z=1-i$
  3. $z=-\sqrt{3}-3i$
問1

$z=\dfrac{1}{2}+\dfrac{\sqrt{3}}{2}i$について,

\begin{align*} |z|=\sqrt{\bra{\frac{1}{2}}^2+\bra{\frac{\sqrt{3}}{2}}^2}=\sqrt{\frac{1+3}{4}}=1 \end{align*}

なので,極形式に書き換えると,

\begin{align*} z=&1\cdot\bra{\frac{1}{2}+\frac{\sqrt{3}}{2}i} \\=&1\cdot\bra{\cos{\frac{\pi}{3}}+i\sin{\frac{\pi}{3}}} \end{align*}

となります.なお,このような絶対値が1の場合は,単純に

\begin{align*} z=\cos{\frac{\pi}{3}}+i\sin{\frac{\pi}{3}} \end{align*}

と書いても構いません.さて,

  • $z$は絶対値が1
  • 偏角が$\dfrac{\pi}{3}$

と分かったので下図のようになります.

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問2

$z=1-i$について,

\begin{align*} |z|=\sqrt{1^2+(-1)^2}=\sqrt{2} \end{align*}

なので,極形式に書き換えると,

\begin{align*} z=&\sqrt{2}\bra{\frac{1}{\sqrt{2}}-\frac{1}{\sqrt{2}}i} \\=&\sqrt{2}\bra{\cos{\bra{-\frac{\pi}{4}}}+i\sin{\bra{-\frac{\pi}{4}}}} \end{align*}

となります.

  • $z$は絶対値が$\sqrt{2}$
  • 偏角が$-\dfrac{\pi}{4}$

と分かったので下図のようになります.

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問3

$z=-\sqrt{3}-3i$について,

\begin{align*} |z|=\sqrt{(\sqrt{3})^2+(-3)^2}=\sqrt{12}=2\sqrt{3} \end{align*}

なので,極形式に書き換えると,

\begin{align*} z=&2\sqrt{3}\bra{-\frac{1}{2}-\frac{\sqrt{3}}{2}i} \\=&2\sqrt{3}\bra{\cos{\bra{-\frac{2\pi}{3}}}+i\sin{\bra{-\frac{2\pi}{3}}}} \end{align*}

となります.

  • $z$は絶対値が$2\sqrt{3}$
  • 偏角が$-\dfrac{2\pi}{3}$

と分かったので下図のようになります.

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最後までありがとうございました!

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