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複素数6|虚数解をもつ方程式の重要ポイント2つを確認!

そもそも高校数学で複素数が現れたのは,2次方程式の実数でない解を表すためでした.

実数は2乗すると必ず0以上となるため, x が実数ならx^2+1=0の左辺は1以上となりこの等式は成り立ち得ません.

そこで, x の方程式x^2+1=0の解をiと表し,これを虚数単位というのでした.

このことからも予想できるように,複素数はn次方程式と密接な関係があります.

前回の記事までで説明した複素数の基本性質を用いて,この記事では

  • 虚数解をもつn次方程式
  • 1の3乗根\omega

について説明します.

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虚数解をもつ方程式

n次方程式が虚数解をもつようなn次方程式は,大学入試でもよく出題されます.

重要な性質

n次方程式の虚数解について,以下が成り立ちます.

実数係数のn次方程式が虚数解\alphaをもてば,その共役複素数\overline{\alpha}も解となる.

たとえば, x の方程式x^2+x+1=0は判別式が1^2-4\cdot1\cdot1=-3<0なので,虚数解をもつことが分かります.

このとき,x^2+x+1=0の虚数解が具体的に何かが分かっていなくても,x^2+x+1=0の虚数解の1つを\alphaとすれば,定理から共役複素数\overline{\alpha}も必ずx^2+x+1=0の解になるというわけですね.

とはいえ,あまり実感が湧かない人も多いと思うので,実際に解いてみましょう.

\begin{align*} x^2+x+1=0 \iff& x^2+x+\frac{1}{4}=-\frac{3}{4} \\\iff& \bra{x+\frac{1}{2}}^2=-\frac{3}{4} \\\iff& x+\frac{1}{2}=\pm\frac{\sqrt{3}}{2}i \\\iff& x=-\frac{1}{2}\pm\frac{\sqrt{3}}{2}i \end{align*}

となります(解の公式で解いてもよい).このときの2解

  • -\dfrac{1}{2}+\dfrac{\sqrt{3}}{2}i
  • -\dfrac{1}{2}-\dfrac{\sqrt{3}}{2}i

確かに複素共役ですね.

2次方程式なら解の公式を考えれば簡単に分かりますが,3次以上であっても同じことが成り立ちます.

定理の注意点

定理の中でも太字にしましたが,「実数係数の」という部分は欠かせません.

たとえば,複素数係数の方程式x^2-2ix=0

\begin{align*} x^2-2ix=0 \iff& x(x-2i)=0 \\\iff& x=0,2i \end{align*}

となって,虚数解2iをもちますが,この共役複素数-2iは解ではありませんね.

このように,この定理は実数係数のn次方程式にしか成り立たないので,答案の中でこの定理を用いる際には「実数係数だから」と一言書いておく方が良いでしょう.

定理の証明

それでは,定理を証明しておきましょう.

実数係数n次方程式をc_nx^n+c_{n-1}x^{n-1}+\dots+c_1x+c_0=0とし,\alphaをこの虚数解とすると,\alphaを代入してこの等式が成り立つので

\begin{align*} c_n\alpha^n+c_{n-1}\alpha^{n-1}+\dots+c_1\alpha+c_0=0 \end{align*}

を満たします.c_0,c_1,\dots,c_nは実数だから複素共役をとっても変わらないことに注意すると,両辺で複素共役をとることにより

\begin{align*} &\overline{c_n\alpha^n+c_{n-1}\alpha^{n-1}+\dots+c_1\alpha+c_0}=\overline{0} \\\therefore\quad &c_n\overline{\alpha}^n+c_{n-1}\overline{\alpha}^{n-1}+\dots+c_1\overline{\alpha}+c_0=0 \end{align*}

が成り立つことが分かります.

最後の等式はn次方程式c_nx^n+c_{n-1}x^{n-1}+\dots+c_1x+c_0=0\overline{\alpha}を代入したものなので,\overline{\alpha}も解ということになります.

なお,途中の複素共役がバラバラにできることは以前の記事で説明しています.

実数係数のn次方程式が虚数解をもてば,その共役複素数も解である.

1の3乗根ω

3乗して初めて1になる複素数のことを1の原始3乗根といい,これを\omegaと表すことがよくあります.

この\omegaは「 x の方程式x^3=1の1でない解」と言っても同じことですね.

高校数学では,題材としてこの\omegaにまつわる問題がよく出題されるので,ここでまとめておきます.

1の3乗根ωの性質

この\omegaを扱う際には,以下の3つの性質がポイントです.

x の方程式x^3=1の1でない解\omegaは虚数で,次を満たす.

  • \omega^3=1
  • \omega^2+\omega+1=0
  • \omega^2=\overline{\omega}

なお,2つ目の等式\omega^2+\omega+1=0\omega^2=-\omega-1の形でもよく用いる.

[証明]

\omegax の方程式x^3=1の解なので,\omega^3=1が成り立ちます.\omega\neq1なので,

\begin{align*} x^3-1=0 \iff& (x-1)(x^2+x+1)=0 \end{align*}

なので,\omega\neq1より\omegax^2+x+1=0の解なので\omega^2+\omega+1=0が成り立ち,この方程式x^2+x+1=0の判別式は1^2-4\cdot1\cdot1=-3<0なので,\omegaは虚数解と分かります.

また,\omega^3=1の両辺で絶対値をとると,|\omega|^3=1なので|\omega|=1と分かります.よって,

\begin{align*} \omega\overline{\omega}=|\omega|^2=1^2=1=\omega^3 \end{align*}

なので,\omega\overline{\omega}=\omega^3の両辺を\omegaで割って,\omega^2=\overline{\omega}が成り立ちます.

[証明終]

2つ目の性質は\omega^2+\omega+1=0\omega^2=-\omega-1のどちらの形にも,ピンとくるようにしておきましょう.

ωの多項式

\omega\overline{\omega}の多項式については,以下の事実を当たり前にしておきたいところです.

\omega\overline{\omega}の多項式は,\omegaの1次式以下の多項式(A\omega+Bの形)に変形できる.

試しに以下の問題を解いてみましょう.

\omegaを1の3乗根のうち,1でないものとする.このとき,\overline{\omega}^{100}+2\omega^{100}+3\omegaの1次式以下の多項式に変形せよ.

使うものは,先ほどみた\omegaの3性質

  • \omega^3=1
  • \omega^2+\omega+1=0
  • \omega^2=\overline{\omega}

です.

\begin{align*} \overline{\omega}^{100}+2\omega^{100}+3 =&(\omega^2)^{100}+2\omega^{100}+3 \\=&\omega^{200}+2\omega^{100}+3 \\=&\omega^{2}(\omega^{3})^{66}+2\omega(\omega^{3})^{33}+3 \\=&\omega^{2}\cdot1^{66}+2\omega\cdot1^{33}+3 \\=&\omega^{2}+2\omega+3 \\=&(-\omega-1)+2\omega+3 \\=&\omega+2 \end{align*}

\omegaの1次式になりましたね.

このように,\omega\overline{\omega}の多項式は

  1. \overline{\omega}=\omega^2を使って,\omegaの多項式にする
  2. \omega^3=1を使って,3次以上の項を2次以下の項にする
  3. \omega^2=-\omega-1を使って,2次の項を1次にする

3ステップで\omegaの1次式に変形することができます.

\omega\overline{\omega}の多項式は,\omegaの3性質から\omegaの1次以下の多項式に変形できる.

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