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複素数1|虚数単位って一体なに?複素数の考え方と基礎知識

数学IIで2次方程式を解くためにちょこっと登場した複素数ですが,数学IIIではこの複素数が1つの大きな分野として登場します.

「複素数は存在しない数だ」という説明をする人もいますが,複素数は図示して「見る」ことができるので,一度イメージが分かってしまえば直感的に考えることができます.

しかし,複素数は現代科学ではなくてはならないものであり,たとえば身の回りのあらゆる電子機器は複素数の理論なくして作ることができないといって良いでしょう.

このように,複素数は存在しないどころか,非常に重要な役割を役割を担っています.

大学受験の先を見据えれば,複素数は大学以上の物理や数学では当たり前のように登場しますから,理系ならばしっかり扱えるようになっておきたい分野です.

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複素数

さて,この分野の主役の複素数が何かをまず説明する必要がありますね.

虚数単位

正の数だろうが負の数だろうが,我々がこれまで触れてきた実数は2乗すると0以上になるのでした.

そうすると,xの方程式x^2=-1の解はどのように考えれば良いでしょうか?

2乗して負の数-1になる実数はありませんから,x^2=-1実数解をもたないことは分かります.

そこで,「x^2=-1の解を新たに定義しよう」と考えた人がいました.

xの方程式x^2=-1の解の1つを虚数単位といい,iで表す.

要するに,i^2=-1となるような数iを新しく考えてやろうというわけです.

最初は虚数単位iがどういう数なのか直感的に理解することは難しいため,なんだか気持ち悪い印象をもってしまうのは,小学校以来ずっと実数に慣れ親しんできたことを考えると仕方がありません.

しかし,iがどのような数なのかはさておいて,i^2=-1となる虚数単位iを定義すると,いいことはいくつかあります.

たとえば,実数の範囲で解をもたなかったxの方程式x^2=-1は虚数単位を用いて,

\begin{align*} x^2=-1 \iff& x^2+1=0 \\\iff& (x+i)(x-i)=0 \\\iff& x=\pm i \end{align*}

と解くことができます.他にも,xの方程式x^2-2x+2=0

\begin{align*} x^2-2x+2=0 \iff& (x^2-2x+1)+1=0 \\\iff& (x-1)^2+1=0 \\\iff& \{(x-1)+i\}\{(x-1)-i\}=0 \\\iff& \{x-(1-i)\}\{x-(1+i)\}=0 \\\iff& x=1\pm i \end{align*}

と解くことができます.

このように,実数の範囲で解くことができなかった方程式の解も表せるようになるのが,虚数単位を定義する大きなメリットの1つです.

実数は2乗すると0以上の実数となる.そこで,2乗して-1となる数をiと定義し,虚数単位という.虚数単位を用いると,実数の範囲では表せないn次方程式の解を表すことができる.

複素数

さて,ここまでで虚数単位について少し考えましたが,この虚数単位を用いて「複素数」を次のように定義します.

実数a, bを用いて,z=a+biと表される数z複素数といい,az実部(または実数部分),bz虚部(または虚数部分)という.

ここで,a, bは0であってもよいことに注意しましょう.つまり,

\begin{align*} 3,\quad \pi,\quad 3i,\quad 3-i,\quad \pi+2i,\quad \sqrt{3}-\pi i \end{align*}

などは全て複素数です.したがって,実数も複素数の一種です.

そこで,以下のように新たに「虚数」を定義します.

実数aと,0でない実数bを用いて,z=a+biと表される数を虚数という.さらにa=0であれば,z純虚数という.

つまり,虚部が0でない複素数を虚数といい,そのもとで実部が0であるような虚数を純虚数というわけですね.たとえば,

\begin{align*} 3i,\quad 3-i,\quad \pi+2i,\quad \sqrt{3}-\pi i \end{align*}

などは全て虚数で,このうち,3iのみが純虚数です.

さて,実数は虚部が0の複素数ですから,次のことが分かりますね.

複素数は実数または虚数である.

つまり,iが残っていなければ実数で,iが残っていれば虚数というわけですね.

このように,虚数と複素数は別物ですので,はっきり区別して理解しておいてください.

複素数は虚部が0であるかないかで実数と虚数の2つに分けられ,さらに実部が0である虚数を純虚数という.

複素数の基礎知識

複素数を定義したので,次は複素数の基礎知識を整理していきましょう.

複素数の相等

さて,2つの複素数z, wがあるとき,この2つが等しいとは以下のように定義します.

2つの複素数z, wに対して,これらの実部同士,虚部同士がそれぞれ等しいとき,zwは等しいと定義し,z=wと表す.

すなわち,z=a+bi, w=c+di (a, b, c, dは実数)とするとき,a=cかつb=dが成り立てばz=wとしましょう,というわけですね.

直感的にも変な感じはしないでしょう.

たとえば,実数a, bに対して,複素数z=2+3ai, w=3b-6iz=wを満たせば,

\begin{align*} \begin{cases} 2=3b\\ 3a=-6 \end{cases} \iff \begin{cases} b=\frac{2}{3}\\ a=-2 \end{cases} \end{align*}

となります.

2つの複素数の実部同士と虚部同士を見比べて,いずれも等しいときにそれら2つの複素数が等しいという.

複素数の四則演算

複素数z=a+bi, w=c+di (a, b, c, dは実数)に対して,四則計算はi^2=-1に注意すれば単純な文字計算と同様です.

すなわち,

\begin{align*} z\pm w =&(a+bi)\pm(c+di) \\=&(a\pm c)+(b\pm d)i, \\zw =&(a+bi)(c+di) \\=&ac+(ad+bc)i+bdi^2 \\=&ac+(ad+bc)i-bd \\=&(ac-bd)+(ad+bc)i, \\\frac{z}{w} =&\frac{a+bi}{c+di} \\=&\frac{(a+bi)(c-di)}{(c+di)(c-di)} \\=&\frac{(ac+bd)+(-ad+bc)i}{c^{2}+d^{2}} \end{align*}

となります.ただし,実数の場合と同じく,0で割ることは定義できないので,最後の\dfrac{z}{w}ではw\neq0の場合のみ考えます.

ここで,

  • z+w=w+z
  • zw=wz

和と積に関して交換法則が成り立つことは大切です.

たとえば,z=2+3i, w=3-2iに対して,

\begin{align*} z+w=&5+i, \\z-w=&-1+5i, \\zw=&\{2\cdot3+3i\cdot(-2i)\}+\{2\cdot(-2i)+3i\cdot3\}=12+5i, \\\frac{z}{w}=&\frac{(2+3i)(3-2i)}{(3-2i)(3+2i)}=\frac{13i}{13}=i \end{align*}

となります.また,実数の場合と同様に,

  • 自然数nに対してz^{n}n個のzの積
  • z^{0}=1
  • z^{-n}z^{n}の逆数

と定義します.

複素数の四則演算はi^2=-1に気を付ければ実数の場合と同様である.

共役複素数

最後に「共役複素数」を定義しましょう.

複素数z=a+bi (a, bは実数)に対して,複素数a-biz共役複素数といい,\overline{z}で表す.

要するに,虚部だけに-1をかけた複素数を共役複素数というわけですね.

たとえば,z=1+3iの共役複素数\overline{z}\overline{z}=1-3iです.

複素数の実部と虚部

複素数zが与えられたとき,zと共役複素数\overline{z}を用いてzの実部と虚部を表すことができます.

複素数z=a+bi (a, bは実数)に対して,

\begin{align*} a=\frac{z+\overline{z}}{2},\quad b=\frac{z-\overline{z}}{2} \end{align*}

が成り立つ.

[証明]

z=a+biから\overline{z}=a-biなので,

\begin{align*} z+\overline{z} =&(a+bi)+(a-bi) =2a, \\z-\overline{z} =&(a+bi)-(a-bi) =2bi \end{align*}

となるから,

\begin{align*} a=\frac{z+\overline{z}}{2},\quad b=\frac{z-\overline{z}}{2} \end{align*}

が成り立つ.

[証明終]

虚部を消したければz+\overline{z}を,実部を消したければz-\overline{z}を考えればよいわけですから,覚えていなくても瞬時に導けますね.

zの実部と虚部はz\overline{z}を用いて表せる.

共役複素数と四則演算

共役複素数は,四則演算に関してバラバラにできます.すなわち,以下が成り立ちます.

複素数z, wに対して,

\begin{align*} & \overline{z\pm w}=\overline{z}\pm\overline{w},\quad \overline{zw}=\overline{z}\overline{w},\quad \overline{\bra{\frac{z}{w}}}=\frac{\overline{z}}{\overline{w}} \end{align*}

が成り立つ.

[証明]

z=a+bi, w=c+di (a, b, c, dは実数)とすると,z=a-bi, w=c-diなので,

\begin{align*} \overline{z\pm w} =&\overline{(a\pm c)+(b\pm d)i} \\=&(a\pm c)-(b\pm d)i \\=&(a-bi)\pm (c-di) \\=&\overline{z}\pm\overline{w}, \\\overline{zw} =&\overline{(ac-bd)+(ad+bc)i} \\=&(ac-bd)-(ad+bc)i \\=&\{ac-(-b)(-d)\}+\{a(-d)+(-b)c\}i \\=&\overline{z}\cdot\overline{w}, \\\overline{\bra{\frac{z}{w}}} =&\overline{\brb{\frac{(ac+bd)+(-ad+bc)i}{c^{2}+d^{2}}}} \\=&\frac{(ac+bd)-(-ad+bc)i}{c^{2}+d^{2}} \\=&\frac{\{ac+(-b)(-d)\}+\{-a(-d)+(-b)c\}i}{c^{2}+d^{2}} \\=&\frac{\overline{z}}{\overline{w}} \end{align*}

が成り立つことが分かります.

[証明終]

この定理から,任意の複素数z_1,z_2,\dots,z_nに対して,

\begin{align*} \overline{z_1+z_2+\dots+z_n} =&\overline{z_1}+\overline{z_2+\dots+z_n} \\=&\overline{z_1}+\overline{z_2}+\overline{z_3+\dots+z_n} \\\qquad\vdots \\=&\overline{z_1}+\overline{z_2}+\dots+\overline{z_n} \end{align*}

が成り立ち,任意の自然数nと複素数zに対して,

\begin{align*} \overline{z^n} =&\overline{z\cdot z^{n-1}} =\overline{z}\cdot \overline{z^{n-1}} \\=&\overline{z}\cdot \overline{z\cdot z^{n-2}} =\overline{z}\cdot \overline{z}\cdot \overline{z^{n-2}} \\\qquad\vdots \\=&\overline{z}\cdot \overline{z}\cdot \dots\cdot \overline{z} =\overline{z}^n \end{align*}

が成り立つことが分かりますね(厳密には数学的帰納法).

共役複素数は四則演算に関して,いつでもバラバラにできる.

最後までありがとうございました!

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