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複素数5|方程式の[ド・モアブルの定理]の解法は3ステップ

前回の記事では,複素数を極形式に変形すると,複素数の積や商を簡単に計算できることを説明しました.

その結果として,複素数の指数計算が簡単にできる[ド・モアブルの定理]が成り立つのでした.

このように,複素数は指数計算に強いことは意識しておいて欲しいポイントです.

[ド・モアブルの定理]を用いると,x^4=1-\sqrt{3}のようなx^n=c型の方程式を解くことができます.

この記事では,このx^n=c型の方程式の解き方を説明します.

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ド・モアブルの定理の確認

念のため,[ド・モアブルの定理]を復習しておきましょう.

[ド・モアブルの定理] r\geqq0とし,\thetaを実数とする.絶対値z,偏角\thetaの複素数zと任意の整数nに対して,

\begin{align*} z^n=r^n(\cos{(n\theta)}+i\sin{(n\theta)}) \end{align*}

が成り立つ.

すなわち,複素数をn乗すれば,

  • 絶対値がn
  • 偏角がn

されるというわけですね.

このように,複素数の指数計算z^nをする場合には,極形式に変形することで簡単に計算できるのでした.

詳しくは前回の記事を参照してください.

方程式の具体例

それでは,x^n=c型の方程式を具体的に解きましょう.いずれも

  1. x=r(\cos{\theta}+i\sin{\theta}) (r>0, 0\leqq\theta<2\pi)と極形式に表す
  2. xの絶対値rを求める
  3. xの偏角\thetaを求める

3ステップで解を求めることができます.

次のxの方程式を解け.

  1. x^6=1
  2. x^3=-2
  3. x^4=-1+\sqrt{3}i

例1

xの方程式x^6=1を解きます.

x=r(\cos{\theta}+i\sin{\theta}) (r>0, 0\leqq\theta<2\pi)とxを極形式で表すと,[ド・モアブルの定理]より

\begin{align*} x^6=1 \iff&r^6(\cos{(6\theta)}+i\sin{(6\theta)})=1 \end{align*}

となります.両辺で絶対値を考えると,r^6=1なのでr=1となります.

次に,r=1と,0\leqq\theta<2\piから0\leqq6\theta<12\piが成り立つことに注意すれば,実部と虚部を比較して

\begin{align*} &\cos{(6\theta)}+i\sin{(6\theta)}=1 \\\iff& 6\theta=0,2\pi,4\pi,6\pi,8\pi,10\pi \\\iff& \theta=0,\frac{\pi}{3},\frac{2\pi}{3},\pi,\frac{4\pi}{3},\frac{5\pi}{3} \end{align*}

偏角が求まります.よって,方程式x^6=1の解は

  • 1(\cos{0}+i\sin{0})=1
  • 1\bra{\cos{\dfrac{\pi}{3}}+i\sin{\dfrac{\pi}{3}}}=\dfrac{1}{2}+\dfrac{\sqrt{3}}{2}i
  • 1\bra{\cos{\dfrac{2\pi}{3}}+i\sin{\dfrac{2\pi}{3}}}=-\dfrac{1}{2}+\dfrac{\sqrt{3}}{2}i
  • 1(\cos{\pi}+i\sin{\pi})=-1
  • 1\bra{\cos{\dfrac{4\pi}{3}}+i\sin{\dfrac{4\pi}{3}}}=-\dfrac{1}{2}-\dfrac{\sqrt{3}}{2}i
  • 1\bra{\cos{\dfrac{5\pi}{3}}+i\sin{\dfrac{5\pi}{3}}}=\dfrac{1}{2}-\dfrac{\sqrt{3}}{2}i

となります.なお,解を複素平面上に図示すると下図のようになります.

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例2

xの方程式x^3=-2を解きます.

x=r(\cos{\theta}+i\sin{\theta}) (r>0, 0\leqq\theta<2\pi)とxを極形式で表すと,[ド・モアブルの定理]より

\begin{align*} x^3=-2 \iff&r^3(\cos{(3\theta)}+i\sin{(3\theta)})=-2 \end{align*}

となります.両辺で絶対値を考えると,r^3=2なのでr=\sqrt[3]{2}となります.

次に,r=\sqrt[3]{2}と,0\leqq\theta<2\piから0\leqq3\theta<6\piが成り立つことに注意すれば,実部と虚部を比較して

\begin{align*} &\cos{(3\theta)}+i\sin{(3\theta)}=-1 \\\iff& 3\theta=\pi,3\pi,5\pi \\\iff& \theta=\frac{\pi}{3},\pi,\frac{5\pi}{3} \end{align*}

偏角が求まります.よって,方程式x^3=-2の解は

  • \sqrt[3]{2}\bra{\cos{\dfrac{\pi}{3}}+i\sin{\dfrac{\pi}{3}}}=\sqrt[3]{2}\bra{\dfrac{1}{2}+\dfrac{\sqrt{3}}{2}i}
  • \sqrt[3]{2}(\cos{\pi}+i\sin{\pi})=-\sqrt[3]{2}
  • \sqrt[3]{2}\bra{\cos{\dfrac{5\pi}{3}}+i\sin{\dfrac{5\pi}{3}}}=\sqrt[3]{2}\bra{\dfrac{1}{2}-\dfrac{\sqrt{3}}{2}i}

となります.なお,解を複素平面上に図示すると下図のようになります.

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例3

xの方程式x^4=-1+\sqrt{3}iを解きます.

x=r(\cos{\theta}+i\sin{\theta}) (r>0, 0\leqq\theta<2\pi)とxを極形式で表すと,[ド・モアブルの定理]より

\begin{align*} x^4=1-\sqrt{3}i \iff&r^4(\cos{(4\theta)}+i\sin{(4\theta)})=-1+\sqrt{3}i \end{align*}

となります.両辺で絶対値を考えると,r^4=\sqrt{(-1)^2+(\sqrt{3})^2}なのでr=\sqrt{2}となります.

次に,r=\sqrt{2}と,0\leqq\theta<2\piから0\leqq4\theta<8\piが成り立つことに注意すれば,実部と虚部を比較して

\begin{align*} &\cos{(4\theta)}+i\sin{(4\theta)}=-\frac{1}{2}+\frac{\sqrt{3}}{2}i \\\iff& 4\theta=\frac{2\pi}{3},\frac{8\pi}{3},\frac{14\pi}{3},\frac{20\pi}{3} \\\iff& \theta=\frac{\pi}{6},\frac{2\pi}{3},\frac{7\pi}{6},\frac{5\pi}{3} \end{align*}

偏角が求まります.よって,方程式x^4=-1+\sqrt{3}iの解は

  • \sqrt{2}\bra{\cos{\dfrac{\pi}{6}}+i\sin{\dfrac{\pi}{6}}}=\sqrt{2}\bra{\dfrac{\sqrt{3}}{2}+\dfrac{1}{2}i}
  • \sqrt{2}\bra{\cos{\dfrac{2\pi}{3}}+i\sin{\dfrac{2\pi}{3}}}=\sqrt{2}\bra{-\dfrac{1}{2}+\dfrac{\sqrt{3}}{2}i}
  • \sqrt{2}\bra{\cos{\dfrac{7\pi}{6}}+i\sin{\dfrac{7\pi}{6}}}=\sqrt{2}\bra{-\dfrac{\sqrt{3}}{2}-\dfrac{1}{2}i}
  • \sqrt{2}\bra{\cos{\dfrac{5\pi}{3}}+i\sin{\dfrac{5\pi}{3}}}=\sqrt{2}\bra{\dfrac{1}{2}-\dfrac{\sqrt{3}}{2}i}

となります.なお,解を複素平面上に図示すると下図のようになります.

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覚えておくとよい性質

いまみた3つの例では,複素平面上に解を図示すると,全て

  • 原点中心の円周上に
  • 等間隔に

並んでいることが分かります.実は一般に以下が成り立ちます.

cを複素数とする.xの方程式x^n=cの解は複素平面上で,原点中心,半径\sqrt[n]{|c|}の円周上に等間隔に存在する.

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この記事では証明しませんが,これを覚えておくと1つ解が分かれば他の解もすぐに求めることができますし,間違っていればすぐに気付くことができますね.

最後までありがとうございました!

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