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式の計算の基本7|解と係数の関係

  
   

式の計算の基本6|因数定理と剰余の定理】の続きです.

この記事では,「解と係数の関係」について説明します.

2次方程式x^2+bx+c=0が解\alpha\betaをもつとします.このとき,次の関係式が成り立ちます.

\begin{cases}b=-(\alpha+\beta)\\c=\alpha\beta\end{cases}

見て分かる通りですが,2次方程式の係数bcと解\alpha\betaの関係式なので,この2つの式を「(2次方程式の)解と係数の関係」といいます.

「解と係数の関係」は2次方程式に限った話だけではなく,3次以上の方程式でも同様の式が成り立ちます.

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2次方程式の解と係数の関係

冒頭にも書きましたが,

[2次方程式の解と係数の関係(その1)] 2次方程式x^2+bx+c=0が解\alpha\betaをもつとき,

\begin{cases}b=-(\alpha+\beta)\\c=\alpha\beta\end{cases}

が成り立つ.

この関係式を「2次方程式の解と係数の関係」といいます.また,実は2次の係数が”a“の場合,次が成り立ちます.

[2次方程式の解と係数の関係(その2)] 2次方程式ax^2+bx+c=0が解\alpha\betaをもつとき,

\begin{cases}\dfrac{b}{a}=-(\alpha+\beta)\\\dfrac{c}{a}=\alpha\beta\end{cases}\dots(*)

が成り立つ.

(その2)を覚えても良いですが,(その2)は(その1)から瞬間的に導けるため,覚えなくても導出できるようになっておきたいところです.

実際,2次方程式ax^2+bx+c=0の両辺をaで割れば,x^2+\dfrac{b}{a}x+\dfrac{c}{a}=0となって,2次の係数が1の場合の「解と係数の関係」より(*)が成り立ちます(具体的には下の「例2」参照).

2次方程式の解と係数の関係の例1

2次方程式x^2+bx+c=0の解が23であるとする.

解と係数の関係より,

b=-(2+3)=-5,\quad c=2\cdot3=6

である.よって,もとの2次方程式はx^2-5x+6=0である.

2次方程式の解と係数の関係の例2

2次方程式2x^2+bx+c=0の解が\dfrac{1}{2}2であるとする.

この2次方程式の両辺を2で割るとx^2+\dfrac{b}{2}x+\dfrac{c}{2}=0で解は\dfrac{1}{2}2のままなので,解と係数の関係より,

\dfrac{b}{2}=-\left(\dfrac{1}{2}+2\right)=-\dfrac{5}{2}
\dfrac{c}{2}=\dfrac{1}{2}\cdot2=1

だから,

b=-5,c=2

である.よって,もとの2次方程式は2x^2-5x+2=0である.

2次方程式の解と係数の関係の例3

2次方程式x^2+bx+1=0の解が\alpha3であるとする.

解と係数の関係より,

b=-(\alpha+3),\quad 1=3\alpha

だから,

\alpha=\dfrac{1}{3},b=-\left(\dfrac{1}{3}+3\right)=-\dfrac{10}{3}

である.よって,もとの2次方程式はx^2-\dfrac{10}{3}x+1=0で,解は\dfrac{1}{3}3である.

2次方程式の解と係数の関係の例4

2次方程式x^2+bx+2=0の解が\alpha2\alpha (\alpha>0)であるとする.

解と係数の関係より,

b=-(\alpha+2\alpha),2=2\alpha^2

だから,

\alpha=1,b=-3\cdot1=-3

である.よって,もとの2次方程式はx^2-3x+2=0で,解は12である.

2次方程式の解と係数の関係の例5

2次方程式x^2+2x+4=0の解が\alpha,\betaであったとする.このとき,

2=-(\alpha+\beta),4=\alpha\beta

である.よって,

\alpha^2+\beta^2=(\alpha+\beta)^2-2\alpha\beta=(-2)^2-2\cdot4=-4
\alpha^2\beta+\alpha\beta^2=\alpha\beta(\alpha+\beta)=4\cdot(-2)=-8

である.

以下,余談です(が重要です).

「解と係数の関係」を見て「他のどこかで似た式を見たぞ」とピンとくる人がいたかもしれません.とくに注目するべきポイントは\alpha+\beta\alpha\betaです.

これらは「基本対称式」と呼ばれるものですね.

【参考:対称式の基本|基本対称式を利用する

そもそも「(xyの)対称式」とは,xyを入れ替えても変わらない多項式のことをいいました.たとえば,

xyx+yx^2y+xy^2x^3+y^3

は対称式です.また,対称式のうちxyx+yをとくに「基本対称式」といいます.これら対称式について,次の事実があります.

[定理] 対称式は基本対称式の和,差,積で表せる.

これは非常に重要な定理です.たとえば,

x^2y+xy^2=xy(x+y)
x^3+y^3=(x+y)^3-3xy(x+y)

と左辺の対称式はうまく変形すれば,右辺のように基本対称式xyx+yの和,差,積で表せるわけです.

この例のように,「解と係数の関係」はまさにこの対称式の話題におあつらえ向きの問題ともなりますから,この考え方も押さえておいてください.

2次方程式の解と係数の関係の証明

さて,ここでは「2次方程式の解と係数の関係」の証明をします.

私の持っている教科書では実際にax^2+bx+c=0を解き,それらの和,積を計算していますが,その方法は3次以上の方程式になると使えないので,ここでは別の方法で証明します.

[2次方程式の解と係数の関係] 2次方程式x^2+bx+c=0が解\alpha\betaをもつとき,

\begin{cases} b=-(\alpha+\beta)\\ c=\alpha\beta \end{cases}

が成り立つ.

[証明]

\alphaが方程式x^2+bx+c=0の解なので,\alpha^2+b\alpha+c=0が成り立つ.よって,因数定理より,多項式x^2+bx+cx-\alphaを因数にもつ.

【参考記事:式の計算の基本6|因数定理と剰余の定理

同様に,x-\betaも因数にもつ.x^2+bx+cは2次式だからx-\alphax-\betaの他に因数を持たないので,

x^2+bx+c=(x-\alpha)(x-\beta)

が成り立つ.右辺を展開して,

x^2+bx+c=x^2-(\alpha+\beta)x+\alpha\beta

となるから,1次の係数,定数項を比較して,

\begin{cases} b=-(\alpha+\beta)\\ c=\alpha\beta \end{cases}

が成り立つ.

[証明終]

本当は,2次方程式が重解も込めて(複素数の範囲で)ちょうど2つ解を持つことを証明しなければならないのですが,これは大学数学を使わないと難しいですし,高校数学では認めている節があるので省略しています.

3次以上の方程式の解と係数の関係

ここでは,「3次以上の方程式の解と係数の関係」について書きますが,本質は「2次方程式の解時計数の関係」と同じなので,実際に書くのは3次の場合に留めます.

実際,私はこれらを覚えているわけではなく,2次方程式の解と係数の関係と同様の方法で毎回導いています.公式の丸暗記は間違いと理解不足の元ですから,可能な限り避けてください.

[3次方程式の解と係数の関係(その1)] 3次方程式x^3+bx^2+cx+d=0が解\alpha\beta\gammaをもつとき,

\begin{cases} b=-(\alpha+\beta+\gamma)\\ c=\alpha\beta+\beta\gamma+\gamma\alpha\\ d=-\alpha\beta\gamma \end{cases}

が成り立つ.

2次方程式の解と係数の関係の導出と同様に,

x^3+bx^2+cx+d=(x-\alpha)(x-\beta)(x-\gamma)

で右辺を展開して,

x^3+bx^2+cx+d=x^3-(\alpha+\beta+\gamma)x^2+(\alpha\beta+\beta\gamma+\gamma\alpha)x-\alpha\beta\gamma

なので,2次の係数,1次の係数,定数項を比較して「3次方程式の解と係数の関係」が得られます.

また,3次の係数がaのときは,次のように「3次方程式の解と係数の関係」が得られます.

[3次方程式の解と係数の関係(その2)] 3次方程式ax^3+bx^2+cx+d=0が解\alpha\beta\gammaをもつとき,

\begin{cases} \dfrac{b}{a}=-(\alpha+\beta+\gamma)\\ \dfrac{c}{a}=\alpha\beta+\beta\gamma+\gamma\alpha\\ \dfrac{d}{a}=-\alpha\beta\gamma \end{cases}

が成り立つ.

さて,今までの議論は何次の方程式に対しても有効なのが分かりますね.実際に4次方程式の場合を自分で考えてにるのも良いと思います.

「解と係数の関係」は非常に強力な関係式で,さまざな場面で出現するのでしっかり押さえてください.

最後までお読み頂き,ありがとうございました!

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