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多項式の基本6|3次以上の展開と因数分解の公式の総まとめ

前々回の記事で説明したように,たとえば$x^2-2x-2=0$のような簡単には因数分解できない2次方程式は,いったん解を求めることによって因数分解できるのでした.

では,3次式では因数分解するための公式や方法はあるのでしょうか?

3次の場合にも2次式の場合と同じく,3次方程式の解を求めて因数分解することはできます.

しかし,一般の3次式を解くのは少々手間がかかるので,原理的には可能でもあまり良い方法とは言えません.そして,4次以上になると,さらに因数分解は困難(もしくは不可能)になります.

そこで,この記事では公式で因数分解ができる3次式,4次以上の多項式をまとめます.

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3次式の展開と因数分解の公式

3次式の展開・因数分解について,

  • 4つの基本公式
  • 1つの知っておくとよい公式

を紹介します.

4つの基本公式

3次式の展開と因数分解では,次の4つの公式が基本的です.

\begin{align*} \begin{cases} x^3+a^3=(x+a)(x^2-ax+a^2),\\ x^3-a^3=(x-a)(x^2+ax+a^2),\\ x^3+3ax^2+3a^2x+a^3=(x+a)^3,\\ x^3-3ax^2+3a^2x-a^3=(x-a)^3 \end{cases} \end{align*}

は身に付ける必要があります.

$(x+a)^3$は因数分解された式で,$x^3+a^3$は展開された式ですが,はじめのうちはこの両者を混同しやすいので注意してください.

具体的には,

\begin{align*} &x^3+1=(x+1)(x^2-x+1), \\&x^3-8=(x-2)(x^2+2x+4), \\&x^3+6x+12x+8=(x+2)^3, \\&x^3-9x+27x-27=(x-3)^3 \end{align*}

となります.

2次の場合と同じく,3次式に関するこれらの公式は必ず使えるようになっておく.

3文字の3次式の因数分解

次の公式は基本的ではないものの,よく問われるので知っておくとよい公式です.

\begin{align*} x^3+y^3+z^3-3xyz=(x+y+z)(x^2+y^2+z^2-xy-yz-zx) \end{align*}

これは実際に右辺を展開することで等しいことが分かります.

この式は対称式であるため扱いやすく,この等式はよく現れます.

ここで,「対称式」とは,$x$と$y$と$z$をどのように入れ替えても変化しない等式のことをいいます.

なお,3次方程式の解を求めるための方法として「カルダノの方法」というものがありますが,「カルダノの方法」はこの因数分解に依っています.

興味のある人は是非とも調べてみてください.

対称式において,3文字の3乗の和があるときに$x^3+y^3+z^3-3xyz$を因数分解するとうまくいくことも多い.

4次以上の多項式の因数分解

一般に,4次以上の因数分解では,3次式よりもさらに因数分解がしにくくなります.

偶数次のみの多項式

例えば,$x^4-10x^2+9$や$x^6-1$といった偶数次の項のみもつ多項式では,比較的因数分解できる可能性があります.

次を因数分解せよ.

  1. $x^4-10x^2+9$
  2. $x^6-3x^4+3x^2-1$
  3. $x^6-1$
  4. $x^4-3x^2+1$

(1) $t=x^2$とおくと,

\begin{align*} x^4-10x^2+9 =&t^2-10t+9 \\=&(t-9)(t-1) \\=&(x^2-9)(x^2-1) \\=&(x+3)(x-3)(x+1)(x-1) \end{align*}

となる.

(2) $t=x^3$とおくと,

\begin{align*} x^6-1 =&t^2-1 \\=&(t-1)(t+1) \\=&(x^3-1)(x^3+1) \\=&(x-1)(x^2+x+1)(x+1)(x^2-x+1) \end{align*}

となる.

(3) $t=x^2$とおくと,

\begin{align*} x^6-3x^4+3x^2-1 =&t^3-3t^2+3t-1 \\=&(t-1)^3 \\=&(x^2-1)^3 \\=&(x+1)^3(x-1)^3 \end{align*}

となる.

(4) $x^4-2x^2+1=(x^2-1)^2$に注意すると,

\begin{align*} x^4-3x^2+1 =&(x^4-2x^2+1)-x^2 \\=&(x^2-1)^2-x^2 \\=&\{(x^2-1)+x\}\{(x^2-1)-x\} \\=&(x^2+x-1)(x^2-x-1) \end{align*}

となる.

3次以上の多項式の中でも,偶数次の項のみもつ4次以上の多項式は比較的因数分解できる場合が多い.

(n乗)-(n乗)の多項式

$a^n-b^n$が

\begin{align*} a^n-b^n=(a-b)(a^{n-1}+a^{n-2}b+\dots+b^{n-1}) \end{align*}

と因数分解できます.

これは,右辺を実際に展開することで,ほとんどの項が足し引きで消えて$a^n$と$b^n$だけが残って左辺になります.一度は自分の手を動かして確かめてみてください.

さて,この公式は$n=2$, $n=3$の場合である

  • $a^2-b^2=(a-b)(a+b)$
  • $a^3-b^3=(a-b)(a^2+ab+b^2)$

から連想すれば納得しやすいですね.

例えば,$n=4$の場合には

\begin{align*} a^4-b^4=(a-b)(a^3+a^2b+ab^2+b^3) \end{align*}

であり,$n=5$の場合には

\begin{align*} a^5-b^5=(a-b)(a^4+a^3b+a^2b^2+ab^3+b^4) \end{align*}

となります.

このように$n$が1増えるに従って,$a^{n-1}+a^{n-2}b+\dots+b^{n-1}$の部分が増えているのが見て取れますね.

$a^n-b^n$は因数分解できることを意識する.特に,$a^2-b^2$や$a^3-b^3$からの連想で考えれば納得しやすい.

(n乗)+(n乗)の多項式

$n$が奇数のとき,$a^n+b^n$は

\begin{align*} a^n+b^n=(a+b)(a^{n-1}-a^{n-2}b+\dots-ab^{n-2}+b^{n-1}) \end{align*}

と因数分解できます.

$a^n-b^n$の場合と同じく,右辺を実際に展開することで,ほとんどの項が足し引きで消えて$a^n$と$b^n$だけが残って左辺になります.

一方,$a^n-b^n$の場合と違うのは,実数の範囲では$n$が奇数の場合にしか因数分解ができないことです.

これは,$a^2+b^2$は実数の範囲では因数分解できませんが,$a^3+b^3$は

\begin{align*} a^3+b^3=(a+b)(a^2-ab+b^2) \end{align*}

と因数分解できることから連想できますね.

$n=5$の場合には

\begin{align*} a^5+b^5=(a+b)(a^4-a^3b+a^2b^2-ab^3+b^4) \end{align*}

となります.

$a^{n-1}-a^{n-2}b+\dots-ab^{n-2}+b^{n-1}$の部分で$+$と$-$が交互に出てくるので,最後が$+$になるために$n$が奇数でないといけないわけですね.

$a^n+b^n$は$n$が奇数のときに因数分解できる.これは$a^3+b^3$の因数分解から連想すればよい.

最後までありがとうございました!

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