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図形と方程式の基本5|2点間の距離,点と直線の距離

   
   

図形と方程式の基本4|2直線の関係】の続きです.

この記事では,xy平面上で,「2点が与えられたときの『2点間の距離』」と「1点と1本の直線が与えられたときの『点と直線の距離』」について書きます.

「2点間の距離」は中学校でも習っているはずで難しくはないのですが,「点と直線の距離」の公式は式の形が少し複雑で嫌いな人が多いようです.

ベクトルを使うと「点と直線の距離」の公式の意味を理解することもできますが,この記事では公式を導出するに留めます.

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2点間の距離

xy平面上の2点の距離は次のように与えられます.

[公式] xy平面上の2点A(x_1,y_1),B(x_2,y_2)間の距離ABは次で得られる.

\mathrm{AB}=\sqrt{(x_1-x_2)^2+(y_1-y_2)^2}

これは三平方の定理を知っていれば容易に導くことができます.

[証明]

点C(x_1,y_2)をとると,\mathrm{AC}=|y_2-y_1|\mathrm{BC}=|x_2-x_1|である.

[1] x_1\neq x_2かつy_1\neq y_2のとき,

三角形ABCは\angle\mathrm{ACB}=90^{\circ}の直角三角形だから,三平方の定理より,

\mathrm{AB}=\sqrt{\mathrm{BC}^2+\mathrm{CA}^2}=\sqrt{(x_1-x_2)^2+(y_1-y_2)^2}

が得られる.図形と方程式13

[2] y_1=y_2のとき,

|y_1-y_2|=0だから,

\mathrm{AB}=\mathrm{BC}=|x_2-x_1|=\sqrt{(x_1-x_2)^2}=\sqrt{(x_1-x_2)^2+(y_1-y_2)^2}

が得られる.図形と方程式12

[3] x_1=x_2のとき,

[2]と同様に,|x_1-x_2|=0だから,

\mathrm{AB}=\mathrm{CA}=|y_2-y_1|=\sqrt{(y_1-y_2)^2}=\sqrt{(x_1-x_2)^2+(y_1-y_2)^2}

が得られる.

図形と方程式11

[証明終]

これは\mathrm{AC}=|y_2-y_1|\mathrm{BC}=|x_2-x_1|が分かれば問題ないでしょう.

点と直線の距離

まず,「点と直線の距離」の説明の前に,「垂線の足」という言葉を確認しておきます.

[定義] 点Aと直線lに対して,点Aを通り直線lに垂直な直線をmとしたとき,直線lと直線mの交点を,「点Aから直線lに下ろした垂線の足」という.

「垂線の足」という言葉は教科書に出てきませんが,非常に便利な概念ですし,数学では当たり前に使われるので,入試等で使っても問題ありません.

定義

さて,「点と直線の距離」の説明に移りますが,そもそも「点と直線の距離」は次で定義されてます.

[定義] 点Aと直線lに対して,点Aから直線lに垂線を下ろしたときの垂線の長さを,「点Aと直線lの距離」という.

補足として,教科書では「点と直線の距離」は上の[定義]のように定めていますが,実は次の[定義]’のように「点と直線の距離」を定義することもあります.

[定義]’ xy平面上の点Aと直線lに対して,点Aと直線l上の点Bの距離の最小値を「点Aと直線lの距離」という.

ですが,やはり高校数学では基本的には1つ目に書いた[定義]で考えることが多いです.

導出

さて,ここで本題です.xy平面上の「点と直線の距離」は次のように与えられます.

[公式] xy平面上の2点\mathrm{A}(x_1,y_1)と直線l:ax+by+c=0 (abの少なくとも一方は0でない)の距離dは次で得られる.

d=\dfrac{|ax_1+by_1+c|}{\sqrt{a^2+b^2}}

「2点間の距離」とは違い,この「点と直線の距離」の公式の導出は少々面倒です.導出法はいくつか考えられますが,ここでは素朴に,上で導出した「2点間の距離」を用いて導出します.

そのために,【図形と方程式の基本4|2直線の関係】で考えた2本の直線が垂直な場合の,2直線の関係を用います.

[証明]

図形と方程式10

\mathrm{A}から直線lに下した垂線の足を点\mathrm{B}とすると,d=\mathrm{AB}である.

いま,点\mathrm{A}の座標は(x_1,y_1)と分かっているので,点\mathrm{B}の座標を求めれば,\mathrm{AB}が求まる.

\mathrm{B}は直線lと直線\mathrm{AB}との交点である.

いま,直線\mathrm{AB}は直線lax+by+c=0に垂直で,点\mathrm{A}(x_1,y_1)を通るから,直線\mathrm{AB}の方程式は,

b(x-x_1)-a(y-y_1)=0

である.展開して,

bx-ay-bx_1+ay_1=0

である.よって,連立方程式

\begin{cases}ax+by+c=0\\ bx-ay-bx_1+ay_1=0\end{cases}

を解けば,点\mathrm{B}の座標が得られる.

第1式の両辺をa倍,第2式の両辺をb倍して足し合わせると,

a(ax+by+c)+b(bx-ay-bx_1+ay_1)=0

だから,これを整理すると,x=\dfrac{b^2x_1-aby_1-ac}{a^2+b^2}である.

これを連立方程式の第1式に代入して,

\dfrac{ab^2x_1-a^2by_1-a^2c}{a^2+b^2}+by+c=0

を整理すると,y=\dfrac{a^2y_1-abx_1-bc}{a^2+b^2}である.したがって,点\mathrm{B}の座標は,

\left(\dfrac{b^2x_1-aby_1-ac}{a^2+b^2},\dfrac{a^2y_1-abx_1-bc}{a^2+b^2}\right)

であると分かる.よって,

d=\mathrm{AB}
=\sqrt{\left(\dfrac{b^2x_1-aby_1-ac}{a^2+b^2}-x_1\right)^2+\left(\dfrac{a^2y_1-abx_1-bc}{a^2+b^2}-y_1\right)^2}
=\sqrt{\left(\dfrac{-a^2x_1-aby_1-ac}{a^2+b^2}\right)^2+\left(\dfrac{-b^2y_1-abx_1-bc}{a^2+b^2}\right)^2}
=\sqrt{\left\{\dfrac{a(ax_1+by_1+c)}{a^2+b^2}\right\}^2+\left\{\dfrac{b(by_1+ax_1+c)}{a^2+b^2}\right\}^2}
=\sqrt{\dfrac{a^2(ax_1+by_1+c)^2}{(a^2+b^2)^2}+\dfrac{b^2(by_1+ax_1+c)^2}{(a^2+b^2)^2}}
=\sqrt{\dfrac{(a^2+b^2)(ax_1+by_1+c)^2}{(a^2+b^2)^2}}
=\sqrt{\dfrac{(ax_1+by_1+c)^2}{a^2+b^2}}
=\dfrac{|ax_1+by_1+c|}{\sqrt{a^2+b^2}}

となって,定理が従うことが分かる.

[証明終]

計算はやや複雑だったかもしれません.最後の等号では,一般に\sqrt{a^2}=|a|であって,\sqrt{a^2}=aではないことに注意して下さい.

また,この計算ではX=x-x_1Y=y-y_1とおけば少し計算が楽になるのですが,置き換えを行うと何をやっているのか分からなくなる人がいるので,あえて置き換えずに計算しました.

なお,この置き換えX=x-x_1Y=y-y_1の直観的な意味は,x軸方向にちょうど-x_1y軸方向にちょうど-y_1平行移動するということですが,分からなければ今はスルーしても構いません.

それでは,1問だけ例題を解いて終わります.

直線2x+3y-4=0と点(5,1)の距離を求める.

点と直線の距離の公式において,a=2b=3c=4x_1=5y_1=1だから,

\dfrac{|2\times5+3\times1-4|}{\sqrt{2^2+3^2}}=\dfrac{9}{\sqrt{13}}\left(=\dfrac{9}{13}\sqrt{13}\right)

が求める距離である.

図形と方程式の基本6|円の方程式】に続きます.

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