図形と方程式9
2円の共有点を通る直線・円はこう求めよ!

図形と方程式
図形と方程式

$xy$平面上の2点で交わる2円$C_1$, $C_2$の方程式が与えられたとき,2交点$\mrm{A}$, $\mrm{B}$を通る円や直線の方程式はどのように求められるでしょうか?

素朴に考えるなら,円$C_1$の方程式と円$C_2$の方程式を連立させて解けば$\mrm{A}$, $\mrm{B}$の座標が得られるので,そこから2点$\mrm{A}$, $\mrm{B}$を通る直線と円の方程式が求められます.

しかし,円の方程式は2次なので計算は煩雑になるため,このアプローチはあまり上手くありません.

実は2点$\mrm{A}$, $\mrm{B}$を通る直線や円がまとめて得られる公式があり,この公式を使えば面倒な計算をする必要がありません.

この記事では

  • 2円の2交点を通る直線の方程式
  • 2円の2交点を通る円の方程式

を順に説明します.


2円の2交点を通る直線の方程式

2交点をもつ異なる円$C_1$, $C_2$を考えるとき,2交点を通る直線$\ell$が1本だけ存在しますね.

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公式

これら2円$C_1$, $C_2$を$xy$平面上において,$C_1$, $C_2$の方程式が分かっているとき,直線$\ell$の方程式は次のように得られます.

$xy$平面上の2つの交点$\mrm{A}$, $\mrm{B}$をもつ異なる2円$C_1$, $C_2$の方程式が

   \begin{align*}&C_1:x^2+y^2+ax+by+c=0, \\&C_2:x^2+y^2+a'x+b'y+c'=0\end{align*}

であるとする.このとき,直線$\mrm{AB}$の方程式は

   \begin{align*}(a-a')x+(b-b')y+(c-c')=0\end{align*}

である.

この方程式$(a-a’)x+(b-b’)y+(c-c’)=0$は$C_1$, $C_2$の方程式で辺々を引いてできる方程式ですね.

例えば,$xy$平面上の2円

   \begin{align*}&C_1:x^2+y^2-4=0, \\&C_2:x^2+y^2-4x+2y+3=0\end{align*}

は2つの交点を持ちます.

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このときの2交点を通る直線$\ell$の方程式は

   \begin{align*}&(x^2+y^2-4)-(x^2+y^2-4x+2y+3)=0 \\\iff&4x-2y-7=0\end{align*}

と得られるわけですね.

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証明

公式を証明しましょう.

(再掲)$xy$平面上の2つの交点$\mrm{A}$, $\mrm{B}$をもつ異なる2円$C_1$, $C_2$の方程式が

   \begin{align*}&C_1:x^2+y^2+ax+by+c=0, \\&C_2:x^2+y^2+a'x+b'y+c'=0\end{align*}

であるとする.このとき,直線$\mrm{AB}$の方程式は

   \begin{align*}(a-a')x+(b-b')y+(c-c')=0\quad\dots(*)\end{align*}

である.

以下の証明で本質的に重要なのは(1)です.考え方を理解するために(1)はよく理解しておいてください.

直線$\mrm{AB}$の方程式が$(*)$であることを示すには

  1. 2点$\mrm{A}$, $\mrm{B}$が方程式$(*)$のグラフ上に存在すること
  2. $x,y$の方程式$(*)$のグラフが直線であること

を示せば良い.

(1) 点$\mrm{A}$の座標を$(p,q)$とする.点$\mrm{A}$は円$C_1$上の点でも円$C_2$上の点でもあるから,

   \begin{align*}&p^2+q^2+ap+bq+c=0, \\&p^2+q^2+a'p+b'q+c'=0\end{align*}

が成り立つ.この辺々を引いて

   \begin{align*}(a-a')p+(b-b')q+(c-c')=0\end{align*}

が成り立つから,点$\mrm{A}(p,q)$は$x,y$の方程式$(*)$のグラフ上の点である.

同様に点$\mrm{B}$も$x,y$の方程式$(*)$のグラフ上の点である.

(2) $a-a’$と$b-b’$の少なくとも一方が$0$でないことを示せば良い.

$a-a’=0$かつ$b-b’=0$であると仮定すると,$(a,b)=(a’,b’)$だから各方程式の左辺を平方完成して$C_1$, $C_2$の中心が一致することが分かり,

  • $c\neq c’$なら中心が等しく半径が異なるから,交点を持つという仮定に矛盾
  • $c=c’$なら$C_1$, $C_2$が一致するから,$C_1$, $C_2$が異なるという仮定に矛盾

といずれの場合も矛盾する.

よって,仮定は誤りなので$a-a’$と$b-b’$の少なくとも一方は$0$でないから,結局$x,y$の方程式$(*)$のグラフは直線である.

(2)では$x,y$の方程式$Ax+By+c=0$のグラフが直線であるためには,$A$と$B$の少なくとも一方が$0$であることが必要十分であることを用いています.

詳しくは以前の記事を参照してください.

図形と方程式4
一般の直線の方程式と平行条件・垂直条件
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2円の2交点を通る直線の方程式

2交点をもつ異なる円$C_1$, $C_2$を考えるとき,2交点を通る円はたくさん存在しますね.

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公式

これら2円$C_1$, $C_2$を$xy$平面上において,$C_1$, $C_2$の方程式が分かっているとき,直線$\ell$の方程式は次のように得られます.

$xy$平面上の2つの交点$\mrm{A}$, $\mrm{B}$をもつ異なる2円$C_1$, $C_2$の方程式が

   \begin{align*}&C_1:x^2+y^2+ax+by+c=0, \\&C_2:x^2+y^2+a'x+b'y+c'=0\end{align*}

であるとする.このとき,2点$\mrm{A}, \mrm{B}$を通る円の方程式は

   \begin{align*}k(x^2+y^2+ax+by+c)-k'(x^2+y^2+a'x+b'y+c')=0\end{align*}

と表せる.ただし,$k$, $k’$は異なる定数である.

2交点$\mrm{A},\mrm{B}$を通るどんな円の方程式も,うまく異なる定数$k$, $k’$をとれば作ることができるというわけですね.

$k=k’$の場合は2次の項が消えて直線の方程式となります.つまり,先ほどの2交点を通る直線の方程式が出来上がるわけですね.

例えば,先ほども考えた2交点をもつ$xy$平面上の2円

   \begin{align*}&C_1:x^2+y^2-4=0, \\&C_2:x^2+y^2-4x+2y+3=0\end{align*}

に対して,$k=1$, $k’=-1$とすると

   \begin{align*}&1\cdot(x^2+y^2-4)-(-1)(x^2+y^2-4x+2y+3)=0 \\\iff&2x^2+2y^2-4x+2y-1=0 \\\iff&x^2+y^2-2x+y-\frac{1}{2}=0\end{align*}

で表される円$C$は下図のようになります.

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このように,$k$と$k’$に異なる値を入れると円がひとつ出来上がります.

証明

公式を証明しますが,2交点を通る直線の場合と同じです.

(再掲)$xy$平面上の2つの交点$\mrm{A}$, $\mrm{B}$をもつ異なる2円$C_1$, $C_2$の方程式が

   \begin{align*}&C_1:x^2+y^2+ax+by+c=0, \\&C_2:x^2+y^2+a'x+b'y+c'=0\end{align*}

であるとする.このとき,2点$\mrm{A}, \mrm{B}$を通る円の方程式は

   \begin{align*}k(x^2+y^2+ax+by+c)-k'(x^2+y^2+a'x+b'y+c')=0\quad\dots(*)\end{align*}

と表せる.ただし,$k$, $k’$は異なる定数である.

2交点を通る直線の時と同じく,この証明で本質的に重要なのは$(*)$上に2交点$\mrm{A}, \mrm{B}$が存在することです.

ここでは,このことのみ示しましょう.

2点$\mrm{A}$, $\mrm{B}$が方程式$(*)$のグラフ上に存在することのみ示す.

点$\mrm{A}$の座標を$(p,q)$とする.点$\mrm{A}$は円$C_1$上の点でも円$C_2$上の点でもあるから,

   \begin{align*}&p^2+q^2+ap+bq+c=0, \\&p^2+q^2+a'p+b'q+c'=0\end{align*}

が成り立つ.よって,それぞれ両辺を$k$倍,$k’$倍して辺々引くと,

   \begin{align*}k(p^2+q^2+ap+bq+c)-k'(p^2+q^2+a'p+b'q+c')=0\end{align*}

が成り立つから,点$\mrm{A}(p,q)$は$x,y$の方程式$(*)$のグラフ上の点である.

同様に点$\mrm{B}$も$x,y$の方程式$(*)$のグラフ上の点である.

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プロフィール

山本やまもと 拓人たくと

元予備校講師.講師として駆け出しの頃から予備校の生徒アンケートで抜群の成績を残し,通常の8倍の報酬アップを提示されるなど頭角を表す.

飛び級・首席合格で大学院に入学しそのまま首席修了するなど数学の深い知識をもち,本質をふまえた分かりやすい授業に定評がある.

現在はオンライン家庭教師,社会人向け数学教室での講師としての教育活動とともに,京都大学で数学の研究も行っている.専門は非線形偏微分方程式論.大学数学系YouTuberとしても活動中.

趣味は数学,ピアノ,甘いもの食べ歩き.

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