【SPONSORED LINK】

背理法1|背理法はこう考える!仕組みを具体例から理解する

数学の証明には色々な論法が用いられますが,その中でも「背理法」は非常に重要な証明法です.

「背理法」は本質には「命題とその対偶の真偽は一致する」という事実があります.

【参考記事:論理と集合の基本5|「逆,裏,対偶」と対偶の利用

背理法を用いて証明するものの代表としては,「$ \sqrt{2}$が無理数である」や「素数は無限に存在する」などが挙げられます.

また,受験数学では有名な「$ \tan{1^{\circ}}$は無理数か.」という京都大学の過去の入試問題も背理法を使って解くことができます.

この記事ではまず「背理法」がどんな論法なのかを説明し,次の記事で「背理法」がどのような証明に対して有効なのかを説明します.

【SPONSORED LINK】

背理法はどういう論法なのか

条件$P$, $Q$に対して「$P\Rightarrow Q$」を「背理法」を使って証明するときのイメージを書きます.

「犯人」は「$P$が成り立っていても,$Q$が成り立たないことがある」と言いました.

しかし,それが嘘だと思った「刑事」は「犯人」に「アレはどうだ?」「じゃあ,コレは?」といろいろ質問をします.

「犯人」はだんだんと追い詰められ,言葉に窮し始めます.ある質問に答えた「犯人」の発言を聞いて,今度は「刑事」はにやりとして言います.

「お前の言ったことは矛盾している.この矛盾は『$ P$は成り立っているけど,$ Q$が成り立たないことがある』という主張が嘘だから起きた矛盾だ.だから,『$P$は成り立っているけど,$Q$が成り立たないことがある』というのは嘘だ!」

言い逃れできなくなった「犯人」は「そうだ.$P$は成り立っていれば,必ず$Q$が成り立つ.」と認めます.

「つまり,$P\Rightarrow Q$は正しいんだな.」

「その通りだ.」

「背理法」のイメージはこんな感じです.主張が嘘であることをいうには,その主張が矛盾していることを言えばいいというわけですね.

ちゃんと書くと次のような感じになります.

  1. 「$P$は成り立っているけど,$Q$が成り立たないことがある」と勝手に仮定をする.
  2. 1の仮定から,「$P$が成り立たない」ということを証明します.
  3. 2で矛盾する結果が得られたので,1で勝手に仮定したことは誤りです.
  4. というわけで,「$P$が成り立っていれば,$Q$が成り立つ」ことが分かります.

「$P$が成り立つ」という前提はないこともありますが,あまり気にしなくても大丈夫です.

わざと「$ Q$が成り立たない」と間違った仮定して矛盾を導く.そして,「だからこの仮定は間違ってるよね」というイメージです.

背理法を使った証明の例

[問1] 整数$a$に対し,$a^2$が偶数なら$a$も偶数であることを示せ.

[問2] $\sqrt{2}$は無理数であることを示せ.

まずは考え方からです.背理法の雰囲気を掴んでください.

[問1の考え方]

犯人「$ a$が偶数じゃないこともある」

刑事「本当か?じゃあ,そのとき$a$は奇数だから$a=2n+1$ ($n$は整数)と表せる.よって,

$a^2=2(2n^2+2n)+1$

は奇数だな.これは$a^2$が偶数であることに矛盾する.よって,「犯人」の言ったことは嘘だ!」

犯人「ばれたか!」

[問1の考え方終]

結論の否定「$a$が偶数ではない」と仮定し,矛盾を導いていますね.

[問2の考え方]

犯人「$ \sqrt{2}$は無理数じゃない」

刑事「本当か?このとき,$\sqrt{2}$は有理数で,有理数は$\dfrac{p}{q}$ ($p,q$は整数,$p,q$は互いに素)と表せるから,$\sqrt{2}=\dfrac{p}{q}$としよう.

すると,$2q^2=p^2$となるから,$p^2$は偶数だ.よって,(1)から$p$は偶数だから$p=2k$ ($k$は整数)とおける.

これから$q^2=2k^2$となるから,$q^2$は偶数だ.よって,もう一度(1)から$q$は偶数だな.$p$と$q$は互いに素としたのに,$p$も$q$も偶数だから2を素因数にもつから矛盾する.よって,「犯人」の言ったことは嘘だ!」

犯人「ばれたか!」

[問2の考え方終]

これも,結論の否定「$\sqrt{2}$が無理数ではない」と仮定し,矛盾を導いています.なお,ちょっと刑事さんが喋り過ぎているのが気になりますが,そこは大目にみてください(笑)

以上の[考え方]をしっかり解答に直します.

[問1の解答]

$ a$が偶数でない,と仮定する.

このとき,$a$は奇数であるから,$a=2n+1$ ($n$は整数)と表せる.よって,

$a^2=(2n+1)^2=4n^2+4n+1=2(2n^2+2n)+1$

となり,$a^2=(2n^2+2n)+1$は奇数だから,$a^2$が偶数であるという仮定に矛盾する.よって,$a$が偶数でない,という仮定は誤りなので,$a$は偶数である.

[問1の解答終]

[問2の解答]

$ \sqrt{2}$は無理数でない,と仮定する.

このとき,$\sqrt{2}$は有理数となるから,$\sqrt{2}=\dfrac{p}{q}$ ($p,q$は整数,$p,q$は互いに素)と表せる.よって,両辺2乗して,

$2=\dfrac{p^2}{q^2}\quad\therefore 2q^2=p^2$

となる.よって,$p^2$は偶数だから(1)より$p$は偶数.よって,$p=2k$($k$は整数)と表せるので,$2q^2=p^2$に代入すると,

$2q^2=p^2=(2k)^2=4k^2 \quad \therefore q^2=2k^2$

となる.よって,$q^2$は偶数だから再び(1)より$q$は偶数と分かる.

よって,$p$も$q$も偶数となったので同じ素因数2をもつ.一方,$p,q$$は互いに素,すなわち同じ素因数を持たないとしたので,これは矛盾である.よって,$\sqrt{2}$が無理数でない,という仮定は誤りなので,$\sqrt{2}$は無理数である.

[問1の解答終]

かなり丁寧に解答を書きましたが,4つのステップが分かったでしょうか.

(2)は重要な問題で,今年の大阪大学にも類問が出題されました.

なお,多くの本では(2)だけがいきなり出題されることが多のですが,実はこの(1)が予備知識として必要なのでここでつまずく人が多い印象があります.

(1)は一度つかめればアタリマエなのですが,背理法を使って証明するので問題として載せてみました.この(1)も重要なので確実に押さえておいてください.

背理法2|背理法が有効な証明の2つのタイプと例】に続きます.

最後までありがとうございました!

参考になった方は是非シェアをお願いします!

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

以下の関連記事もいかがですか?

SPONSORED LINK
関連記事

記事一覧はこちらからどうぞ!

記事

一覧へ

Twitterを

フォロー

TouTube

を見る

オススメ

参考書

大学数学の

姉妹ブログ