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論理と集合1|「集合」は数学の共通語!集合の基礎知識

集合は数学の基礎で,ほとんどの数学の基礎は集合にある大切な概念です.

しかし,高校数学の中で集合をハッキリと意識することはそれほどないと思いますし,大学で専門的に数学をする場合以外でそこまで意識しなくてもそれほど問題はない場合が多いのも事実です.

しかし,高校数学でも「場合の数」や「確率」などの分野で積極的に集合を扱う場面もあるため,集合の扱いには慣れておく必要があります.

この記事では,集合の基礎知識を整理します.

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集合の基礎知識

まずは集合の基礎を説明しましょう.

集合の定義

高校数学では以下のように定義します.

数学的な対象の集まりを集合という.

たとえば,

  • 1以上10以下の整数の集合
  • 1以上10以下の実数の集合
  • 自然数全部の集合

など集合には様々なものが考えられます.

ただ,この高校数学の定義は厳密な定義ではなく,厳密に集合を定義するには「公理的集合論」を学ぶ必要があります.

とはいえ,そこまで厳密に集合を定義していなくても,高校の範囲で困ることはまずあり得ませんから,集合とは「数などの数学的なモノの集まり」とざっくり思っていて大丈夫です.

集合の表し方

次に,集合の表し方を説明します.

集合を構成する1つ1つの対象を要素(またはゲン)という.

たとえば,「6の正の約数の集合」をAとするとき,

  • 1
  • 2
  • 3
  • 6

はいずれもAの要素です.

集合の表し方1

集合は中括弧\{\qquad\}で要素を括ることで表すことができます.たとえば,

  • 「1と3と5と7を要素とする集合」は\{1,3,5,7\}
  • 「12の正の約数全部の集合」は\{1,2,3,4,6,12\}
  • 「正の偶数全部の集合」は\{2,4,6,8,10,\dots\}
  • 「整数全部の集合」は\{\dots,-2,-1,0,1,2,\dots\}

などと表します(このように,要素を書き並べて表す方法を「内包的記法」といいます).

集合の表し方2

また,12の約数全部の集合\{1,2,3,4,6,12\}

\{x|xは12の約数\}

と表すこともできます.これはどういう表し方かというと,前の

\begin{align*} \{x| \end{align*}

の部分で,まず「この集合はx全部の集合である」と宣言し,後ろの

|xは12の約数\}

の部分で,xは12の約数である」と宣言しています.併せて,「xは12の約数であり,この集合はx全部の集合である」ということになります(このように,「要素」と「要素が満たす条件」で表す方法を「外延的記法」といいます).

たとえば,

  • \set{2n-1}{n=1,2,3,\dots}は「正の整数nに対して,2n-1と表せるものの集合」
  • \set{2n}{n=1,2,3,\dots}は「正の整数nに対して,2nと表せるものの集合」

という意味になります.実際に要素を書き並べると,それぞれ

  • \{1,3,5,7,9,\dots\} (正の奇数全部の集合)
  • \{2,4,6,8,10,\dots\} (偶数全部の集合)

となります.

この条件を用いて表す方法を用いると,書き並べて表すことができない集合も表すことができます.

集合の要素と部分集合

xが集合Aが要素であるとき,x\in Aと書き,xA属するという.また,xAに属さないとき,x\not\in Aと書く.

たとえば,A=\{\dots,-6,-3,0,3,6,\dots\} (3の倍数の集合)とするとき,

  • 3\in A
  • 6\in A
  • -24\in A
  • 5\notin A

などとなります.

集合Aの要素が全て集合Bの要素でもあるとき,A\subset Bと書き,AB部分集合(またはBA含む)という.また,ABの部分集合でないとき,A\not\subset Bと書く.

また,集合A, Bが等しいとは,A\subset BかつB\subset Aが成り立つことをいい,A=Bと表す.

たとえば,

  • A=\{\dots,-12,-6,0,6,12,\dots\} (6の倍数の集合)
  • B=\{\dots,-6,-3,0,3,6,\dots\} (3の倍数の集合)

とするとき,Aの要素は全てBの要素なので,A\subset Bとなります.

また,A\subset Bと書くとAがすっぽりBの中に入っていなければならないと思ってしまう人もいますが,それは間違いでA=BのときでもA\subset Bと表します.

(※古い文献には「\subset=の場合は含まず,=でもよい場合は\subseteqとする」と書かれていることもありますが,現代は国際的にも\subset=の場合も含むのが標準です.)

これらの記号について,

  • 集合と要素の関係を表す\in, \notin
  • 集合と集合の関係を表す\subset, \not\subset

ハッキリと違う意味の記号ですから,使い分けに注意して下さい.

さまざまな集合

次に,さまざまな集合を説明します.

空集合

ここで,重要な集合である空集合クウシュウゴウを説明しておきます.

要素を1つももたない集合を空集合といい,\emptysetと表す.

空集合を無理矢理書くなら,\{\quad\}ということになります.

また,空集合について重要な点は,空集合は任意の集合の部分集合であるということに注意しましょう.

つまり,集合Aがどんな集合であっても,\emptyset\subset Aです.

和集合と共通部分

2つの集合から,以下のように新しい集合を定義します.

集合A, Bを集合とする.「A, Bの少なくとも一方に属する要素全部の集合」をAB和集合といい,A\cup Bと表す.また,「A, Bの両方に属する要素全部の集合」をAB共通部分といい,A\cap Bと表す.

和集合A\cup BA\cap Bはそれぞれ

  • A\cup B=\{x|x\in Aまたはx\in B\}
  • A\cup B=\{x|x\in Aかつx\in B\}

とも表せます.

日常では「または」は「どちらか一方」という意味で用いることが多いですが,数学では「または」は「少なくとも一方」の意味で用いることに注意してください.

ですから,数学の「または」は両方に含まれていてもOKです.

例1

集合A=\{1,2,3,4,5\}, B=\{2,4,6,8\}に対しては,

\begin{align*} &A\cup B=\{1,2,3,4,5,6,8\}, \\&A\cap B=\{2,4\} \end{align*}

です.

例2

偶数全部の集合C=\{2n|n=0,1,2,3,\dots\},奇数全部の集合D=\{2n+1|n=0,1,2,3,\dots\}に対しては,

\begin{align*} &A\cup B=\{n|n=0,1,2,3,\dots\}, \\&A\cap B=\emptyset \end{align*}

です.なお,A\cup B\{n|n=0,1,2,\dots\}は「0以上の整数全部の集合」ですね.

「どうして空集合という概念を考えるのか」と疑問に思った人もいるかもしれませんが,この例2のように共通部分の要素が存在しない場合などに空集合が自然に現われることを考えると納得できるでしょう.

補集合

最後に,補集合について説明します.

集合UUの部分集合Aに対して,Aに属さないUの要素全部の集合を,UにおけるA補集合といい,\overline{A}と表す.また,このときのU全体集合という.

すなわち,UにおけるAの補集合は

\begin{align*} \overline{A}=\{x|x\in U,\ x\not\in A\} \end{align*}

となりますね.

補集合を考える上でで大切なことは,「どの集合の中での補集合なのか」ということです.これは常に意識しておきましょう.

たとえば,集合AA=\{1,3,5\}とするとき,

  • U=\{0,1,2,3,4,5\}でのAの補集合は\overline{A}=\{0,2,4\}
  • U=\{1,3,5,7,9\}でのAの補集合は\overline{A}=\{7,9\}

なので,全体集合が異なれば補集合も変わってくることが分かりますね.

最後まで読んで下さってありがとうございました!

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コメント

  1. 進藤 より:

    たとえば,

    \{2x+1|xは0以上の整数\}

    は「xは0以上の整数であり,この集合は2x+1全部の集合である」という意味になります.実際に要素を書き並べると,

    \{1,3,5,7,9,\dots\}

    について,1が入るなら、なぜ2は入らないのかの質問に応えられませんでした

    • 山本 拓人 より:

      コメントをありがとうございます

      集合\{2x+1|xは0以上の整数\}は,おっしゃる通り,「xは0以上の整数であり,この集合は2x+1全部の集合である」という意味になります.
      この集合が\{1,3,5,7,\dots\}となるのは,2x+1x=0,1,2,3,\dotsを順に代入してできたものだからですね.
      逆に言えば,これらを代入して表し得ないものは集合に含まれません.
      いま,帰納的に集合が定義されているわけではありませんから,この集合に属するか属さないかは1つずつ検証するしかありません.

      ですから,「1が入るなら,なぜ2は入らないのか」という質問に対しては,
      2x+1=1となる0以上の整数xが存在する(x=0)から1は集合に属する.
      一方で,2x+1=2となる0以上の整数xは存在しない(x=\dfrac{1}{2})から2は集合に属さない.
      これだけの話で,隣のヤツが集合に属しているかどうかは関係ない.」
      という説明になるでしょうか.

      もしくは,直感的に2x+1は奇数なので,少なくとも\dots,-3,-1,1,3,5,\dotsしか表し得ず,xは0以上だから1,3,5,\dotsとなるという説明でも良いかと思います.

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