論理と集合2|補集合の計算は「ド・モルガンの法則」

前回の記事の中で

  • 和集合
  • 共通部分
  • 補集合

について説明しました.これらを組み併せた

  • 共通部分の補集合$\overline{A\cap B}$
  • 和集合の補集合$\overline{A\cup B}$

がどうなるのかを教えてくれる定理として「ド・モルガンの法則」があります.

「ド・モルガンの法則」は補集合を考える際に基本的な定理なので,当たり前に使えるようになっておいてください.

準備

まずはいくつか準備をしておきましょう.

共通部分,和集合,補集合の復習

念のために,共通部分,和集合,補集合の定義を確認しておきましょう.

$A$, $B$を集合とする.このとき,

  1. $A$と$B$の両方に含まれる要素全部の集合を$A$と$B$の共通部分といい,$A\cap B$で表す.
  2. $A$と$B$の少なくとも一方に含まれる要素全部の集合を$A$と$B$の和集合といい,$A\cup B$で表す.

また,集合$C$が集合$U$の部分集合であるとき,$C$に属さない$U$の要素全部の集合を$U$における$C$の補集合といい,$\overline{C}$と表す.

たとえば,集合$A=\{1,3,4\}$, $B=\{0,1,2,3\}$に対して,

  • $A\cap B=\{1,3\}$
  • $A\cup B=\{0,1,2,3,4\}$

です.さらに,$U=\{1,2,3,4,5\}$に対して,$U$における$A$, $B$の補集合は

  • $\overline{A}=\{0,2,5\}$
  • $\overline{B}=\{4,5\}$

となります.記号の上では全体集合$U$を明示しないことが多いですが,全体集合が何かは常に意識しておくことが必要です.

ベン図

円のような閉曲線で集合を表した図をベン図といい,べン図は集合を視覚的に表す際に非常によく用いられます.

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たとえば,上のベン図は全体集合が$U$で,赤丸の内部が$A$で,青丸の内部が$B$となっています.よって,

  • 共通部分$A\cap B$
  • 和集合$A\cup B$
  • $A$の補集合$\overline{A}$

は下図のようになりますね.

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ド・モルガンの法則

それでは,「ド・モルガンの法則」の説明に移ります.

ド・モルガンの法則

[ド・モルガンの法則] 全体集合が同じ集合$A$, $B$に対し,次の等式が成り立つ.

  1. $\overline{A\cap B}=\overline{A}\cup\overline{B}$
  2. $\overline{A\cup B}=\overline{A}\cap\overline{B}$

それぞれ

  1. 共通部分の補集合は,補集合の和集合
  2. 和集合の補集合は,補集合の共通部分

ですね.形式的に書けば,

  1. $\overline{\cap}=\cup$
  2. $\overline{\cup}=\cap$

というわけですね.

ド・モルガンの法則が成り立つことの説明

さて,全体集合を$U$とし,「ド・モルガンの法則」の意味をベン図から考えてみましょう.

公式1

まずは$\overline{A\cap B}=\overline{A}\cup\overline{B}$を考えます.

[1] $\overline{A\cap B}$について

$A\cap B$をベン図で表せば

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であり,$\overline{A\cap B}$は$A\cap B$の補集合なので,$\overline{A\cap B}$をベン図で表せば

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となります.

[2] $\overline{A}\cup\overline{B}$について

$\overline{A}$と$\overline{B}$をベン図で表せば

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なので,この和集合$\overline{A}\cup \overline{B}$をベン図で表せば

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となります.

[1], [2]より,$\overline{A\cap B}$と$\overline{A}\cup\overline{B}$が同じ集合であることが分かるので,

\begin{align*} \overline{A\cap B}=\overline{A}\cup\overline{B} \end{align*}

が成り立つことが分かりました.

公式2

同様の考え方により,$\overline{A\cup B}=\overline{A}\cap\overline{B}$が成り立つことも分かります.

[1] $\overline{A\cup B}$について

$A\cup B$をベン図で表せば

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であり,$\overline{A\cup B}$は$A\cup B$の補集合なので,$\overline{A\cup B}$をベン図で表せば

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となります.

[2] $\overline{A}\cap\overline{B}$について

$\overline{A}$と$\overline{B}$をベン図で表せば

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なので,この共通部分$\overline{A}\cap \overline{B}$をベン図で表せば

Rendered by QuickLaTeX.com

となります.

[1], [2]より,$\overline{A\cup B}$と$\overline{A}\cap\overline{B}$が同じ集合であることが分かるので,

\begin{align*} \overline{A\cup B}=\overline{A}\cap\overline{B} \end{align*}

が成り立つことが分かりました.

次の記事では,数学において重要な「必要条件」と「十分条件」について説明します.

また,「必要条件」「十分条件」の考え方を理解していれば一瞬で答えが求まるが,知らなければ非常に難しい問題も実際の入試では出題されます.

最後までありがとうございました!

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