【SPONSORED LINK】

ワンステップ数学1|「2直線の交点」の3パターンの解法

 
 

[この記事の最後には,解説動画があります]

次の問題は,教科書のベクトルの分野に載っている基本的な問題です.

[問] \tri{ABC}において,辺ABの中点をD,辺ACを2:1に内分する点をEとし,線分BE,CDの交点をFとする.このとき,\Ve{AF}\Ve{AB}\Ve{AC}を用いて表せ.

当然,ベクトルの分野に書かれている問題ですから,「ベクトルを用いた解法」を知っておくことは大切です.ただ,この問題はベクトルを用いない便利な方法で解くこともでき,この記事ではその便利な解法も紹介します.

ベクトルができないから便利な解法でカバーするのではなく,ベクトルを用いた解法をいつでも使えるようにしておき,その上で便利な解法を身につけてください.

【SPONSORED LINK】

3パターンの解法

上にも書いたように,次の問題を考えます.

[問] \tri{ABC}において,辺ABの中点をD,辺ACを2:1に内分する点をEとし,線分BE,CDの交点をFとする.このとき,\Ve{AF}\Ve{AB}\Ve{AC}を用いて表せ.

この問題の解答として,次の3パターンのものが考えられます.

  1. ベクトルを用いた解法
  2. チェバの定理,メネラウスの定理を用いた解法
  3. 面積比を用いた解法

1は数学Bの教科書にも載っている「ベクトルを用いた解法」です.冒頭にも書いたように,この解法は分数係数の連立方程式が現れるので,計算が面倒で嫌いという人も多いです.

一方,2,3はほとんど面倒な計算が必要なく,とても便利な解法です.

当然,1の解法も重要なのですが,1の解法に加えて2と3の解法も是非身に付けてください.

ベクトルを用いた解法

まずはベクトルを用いた解法です.

この解法は教科書にも載っているので,知っている人も多いでしょう.逆に知らない人はこの機会にしっかり押さえておいてください.

[解答]

\mathrm{CF}:\mathrm{FD}=(1-t):t\mathrm{BF}:\mathrm{FE}=(1-s):sとおく.

このとき,\tri{ADC}について,\Ve{AD}\Ve{AC}による内分公式と,\Ve{AD}=\f{1}{2}\Ve{AB}であることから

\Ve{AF}=\frac{(1-t)\Ve{AD}+t\Ve{AC}}{(1-t)+t}=\f{1-t}{2}\Ve{AD}+t\Ve{AC}

である.

同様に,\tri{ABE}について,\Ve{AB}\Ve{AE}による内分公式と,\Ve{AE}=\f{2}{3}\Ve{AC}であることから

\Ve{AF}=\frac{(1-s)\Ve{AE}+s\Ve{AB}}{(1-s)+s}=(1-s)\Ve{AD}+\f{2s}{3}\Ve{AC}

である.

よって,\f{1-t}{2}\Ve{AD}+t\Ve{AC}\f{1-s}{2}\Ve{AD}+s\Ve{AC}は,どちらも\Ve{AF}を表しているので等しい.すなわち,

\f{1-t}{2}\Ve{AD}+t\Ve{AC}=(1-s)\Ve{AD}+\f{2s}{3}\Ve{AC}

である.いま,\Ve{AD}\Ve{AC}は一次独立(零ベクトルでなく,平行でない)だから,両辺の\Ve{AD}の係数と\Ve{AC}の係数が一致するので,

\begin{cases} \frac{1-t}{2}=1-s\\ t=\f{2s}{3} \end{cases}

が成り立つ.このtsに関する連立方程式を解くと,t=\f{1}{2}s=\f{1}{4}である.

よって,\Ve{AF}=\f{1-t}{2}\Ve{AD}+t\Ve{AC}t=\f{1}{2}を代入して,

\Ve{AF}=\f{1}{4}\Ve{AD}+\f{1}{2}\Ve{AC}

となる.

[解答終]

最後に\Ve{AF}=\f{1-t}{2}\Ve{AD}+t\Ve{AC}t=\f{1}{2}を代入しましたが,\Ve{AF}=(1-s)\Ve{AD}+\f{2s}{3}\Ve{AC}s=\f{1}{4}を代入しても,同じく\Ve{AF}=\f{1}{4}\Ve{AD}+\f{1}{2}\Ve{AC}が得られます.

また,というのは\Ve{AD}\Ve{AC}が一次独立でなければ係数が一致するとは限らないので,途中の「\Ve{AD}\Ve{AC}は一次独立」という文言は省略できません.

比を設定して内分公式を用い,一次独立であることから係数を比較する.

チェバの定理,メネラウスの定理を用いた解法

次に,チェバの定理,メネラウスの定理を用いた解法です.

この解法も有名なので,知っている人も少なくないでしょう.

[解答]

直線AFと直線BCの交点をGとする.

 

このとき,\tri{ABC}と点\tri{F}に関してチェバの定理より,

\f{\mrm{DB}}{\mrm{AD}}\times\f{\mrm{GC}}{\mrm{BG}}\times\f{\mrm{EA}}{\mrm{CE}}=1

である.\f{\mrm{DB}}{\mrm{AD}}=\f{1}{1}\f{\mrm{EA}}{\mrm{CE}}=\f{2}{1}=2を併せて,

1\times\f{\mrm{GC}}{\mrm{BG}}\times2=1

だから,\f{\mrm{GC}}{\mrm{BG}}=\f{1}{2}となる.

\tri{AGC}と直線\mrm{BE}に関してメネラウスの定理より,

\f{\mrm{FG}}{\mrm{AF}}\times\f{\mrm{BC}}{\mrm{GB}}\times\f{\mrm{EA}}{\mrm{CE}}=1

である.上の\f{\mrm{GC}}{\mrm{BG}}=\f{1}{2}とと\f{\mrm{EA}}{\mrm{CE}}=\f{2}{1}=2を併せて,

\f{\mrm{FG}}{\mrm{AF}}\times\f{3}{2}\times\f{2}{1}=1

だから,\f{\mrm{FG}}{\mrm{AF}}=\f{1}{3}となって,\f{\mrm{AF}}{\mrm{AG}}=\f{3}{4}である.

\f{\mrm{GC}}{\mrm{BG}}=\f{1}{2}なので,内分公式から\Ve{AG}=\f{\Ve{AB}+2\Ve{AC}}{3}だから,

\Ve{AF}=\f{\mrm{AF}}{\mrm{AG}}\Ve{AG}=\f{3}{4}\Ve{AG}=\f{1}{4}\Ve{AD}+\f{1}{2}\Ve{AC}

となる.

[解答終]

\Ve{AF}=\f{\mrm{AF}}{\mrm{AG}}\Ve{AG}なので,\f{\mrm{AF}}{\mrm{AG}}を求め,\Ve{AG}\Ve{AD}\Ve{AC}で表すことができれば,\Ve{AF}が得られるというアイデアです.

チェバの定理は「三角形と点」,メネラウスの定理は「三角形と直線」をきちんと明示しておくと,間違えにくくなります.

チェバの定理で残る一辺の比を出し,メネラウスの定理で辺と頂点を結ぶ線分の比を出す.

面積比を用いた解法

最後に,面積比を用いた解法です.

この解法が最も速いと思います.

この解答はそれほど知られているわけではありませんが,中学受験ではベクトルもチェバの定理,メネラウスの定理も使えないので,中学受験組にはこの面積比を用いた解法を知っている人もいるようです.

[解答]

直線AFと直線BCの交点をGとする.

\mrm{AE}:\mrm{EC}=2:1だから,面積比\tri{BFA}:\tri{BFC}=2:1を得る.同様に,\mrm{AD}:\mrm{DB}=1:1だから,面積比\tri{CFA}:\tri{CFB}=1:1を得る.

\tri{BFC}=\tri{CFB}に注意すると,\tri{BFA}:\tri{BFC}:\tri{CFA}=2:1:1である.

よって,\tri{ABC}:\tri{BFC}=4:1なので,\mrm{AG}:\mrm{FG}=4:1である.また,\tri{BFA}:\tri{CFA}=2:1なので,\mrm{BG}:\mrm{GC}=2:1だから内分公式から\Ve{AG}=\f{\Ve{AB}+2\Ve{AC}}{3}である.

よって,

\Ve{AF}=\f{\mrm{AF}}{\mrm{AG}}\Ve{AG}=\f{3}{4}\Ve{AG}=\f{1}{4}\Ve{AD}+\f{1}{2}\Ve{AC}

となる.

[解答終]

チェバの定理,メネラウスの定理を用いた解法と同じく,\Ve{AF}=\f{\mrm{AF}}{\mrm{AG}}\Ve{AG}なので,\f{\mrm{AF}}{\mrm{AG}}を求め,\Ve{AG}\Ve{AD}\Ve{AC}で表すことができれば,\Ve{AF}が得られるというアイデアを使っています.

辺の比を使って面積比を出し,その面積比から辺の比を出す.辺の比と面積比の関係を意識する.

解説動画

以下の動画でこの記事の内容を解説しています.

最後まで読んでいただきありがとうございました!

良ければシェアボタンから共有をお願いします!

関連記事と記事一覧

以下,【関連記事】と【記事一覧】です.


記事一覧はこちら


SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*