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力の基本3|運動方程式,力と質量と加速度の関係

前の記事「力の基本2|力のつりあいとその例」の続きです.

この記事では「運動方程式」について説明します.

「運動方程式」とは,質量mの物体に力\overrightarrow{F}を加えたときに物体が得る加速度を\overrightarrow{a}としたときに,成り立つ式\overrightarrow{F}=m\overrightarrow{a}のことをいいます.

「力のつりあい」による等式は静止している物体に対して有効でした.一方,「運動方程式」は静止している物体だけでなく,等加速度運動している物体に対しても有効です.

「運動方程式」は非常に重要なので,必ず押さえてください.

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運動方程式

まず,「運動方程式」を書く前に,次の[事実]を知っておく必要があります.

[事実] 一定の力がはたらいている物体は,その力の向きに等加速度運動をする.逆に,等加速度運動をしている物体には,その向きに一定の力がはたらいている.

等加速度運動については「運動の基本2|加速度と等加速度直線運動」を参考にしてください.

例えば,真空中を自由落下する物体には常に「重力」がはたらいています.ですから,この物体は鉛直下向き(重力がはたらく方向)に等加速度運動をします.すなわち,この物体はどんどん加速しながら落下していきます.

また,一度石が坂を転がるとどんどん速くなっていきますが,あれは坂に沿った向きの重力によってどんどん加速しています.

このように,[事実]は身近なところにもよく現れている現象です.

さて,この[事実]を踏まえて,「運動方程式」を説明します.「運動方程式」とは次の「『力』と『質量』と『加速度』の関係式」のことをいいます.

[運動方程式] 一定の力\overrightarrow{F}がはたらいている質量mの物体が加速度\overrightarrow{a}で等加速度運動するとする.このとき,等式\overrightarrow{F}=m\overrightarrow{a}が成り立つ.

ただし,力と加速度は向きも含めて考えるので,ともにベクトル\overrightarrow{F}\overrightarrow{a}であることに注意してください.

上で書いた[事実]で,一定の力がはたらいている物体が等加速度運動をすることは分かっています.そこで,力を\overrightarrow{F},物体の質量をm,そのときの加速度を\overrightarrow{a}としたとき,等式\overrightarrow{F}=m\overrightarrow{a}が成り立つ,ということですね.

力がつりあっているときの運動

前回の記事では,「力のつりあい」に関して次のように説明しました.

[力のつりあい] 物体にはたらく力がつりあっているとき,静止している物体は静止し続け,運動している物体は等速直線運動をする.逆に,物体が静止し続けたり,等速直線運動をしているとき,物体にはたらく力はつりあっている.

実は,このことは「運動方程式」から説明できます.

「力がつりあっている」とき,物体にはたらく力の合力の大きさは0なので,\overrightarrow{F}=\overrightarrow{o}です.したがって,運動方程式\overrightarrow{F}=m\overrightarrow{a}において,\overrightarrow{o}=m\overrightarrow{a}ですから,\overrightarrow{a}=\overrightarrow{o}が従います.

よって,加速度の大きさは0となり,物体は加速度をもたないことが分かります.したがって,「静止している物体は静止し続け,運動している物体は等速直線運動をする」ことが分かりました.

逆に,「物体が静止し続けたり,等速直線運動をしている」とき,運動方程式\overrightarrow{F}=m\overrightarrow{a}において\overrightarrow{a}=\overrightarrow{o}だから,\overrightarrow{F}=\overrightarrow{o}が従う.

よって,合力の大きさは0となり,「物体にはたらく力はつりあっている」ことがわかりました.

このように,「力のつりあい」における運動は「運動方程式」から説明することができます.

ここでは「自由落下」を例に,「運動方程式」を用いる簡単な例を説明します.

自由落下

%e5%8a%9b%e3%81%ae%e5%9f%ba%e6%9c%ac2重力加速度をg[\mathrm{m/s^2}]とし,空気抵抗を無視します.質量m[\mathrm{kg}]の小球は,自由落下するときどのような運動をするのかを考えます.

小球は重力のみを受けており,この重力の大きさはmg[\mathrm{N}]で,向きは鉛直下向きです.よって,この小球は鉛直下向きに等加速度運動をします.

このときの加速度の大きさをaとすると,運動方程式より,

mg=m\times a

が成り立ちます.したがって,a=gとなります.以上から,小球は鉛直下向きに加速度g[\mathrm{m/s^2}]で等加速度運動をすることが分かります.

さて,この例から次のことが分かります.

[重要] 重力加速度をg[\mathrm{m/s^2}]とし,空気抵抗を無視する.このとき,自由落下する物体はその質量によらず,加速度g[\mathrm{m/s^2}]で鉛直下向きに等加速度運動をする.

始めに質量をm[\mathrm{kg}]としましたが,結果得られた加速度はg[\mathrm{m/s^2}]でこれはm[\mathrm{kg}]に無関係です.つまり,小球が1[\mathrm{kg}]だろうと1000[\mathrm{kg}]だろうと,同じ加速度g[\mathrm{m/s^2}]で等加速度運動をするわけです.

ピサの斜塔の実験

さて,いま[重要]で書いた内容はまさにガリレオ・ガリレイが行ったと言われる「ピサの斜塔の実験」で得られた結果です.

[ピサの斜塔の実験] ピサの斜塔上の同じ高さから重さの違う2つの球を落下させ,地面に到達する時間が同じであるかどうかをみるために行った実験.

実験の結果,2つの球はほぼ同時に地面に到達した.

もしかすると,直感に合わないと思う人がいるかもしれません.確かに,例えば家の2階から紙と鉄球を同時に落下させても,おそらく鉄球の方が圧倒的に早く地面に到達するでしょう.

これは「空気抵抗」があることが原因で,たとえば空気がほとんどない火星上で紙と鉄球を同時に落とせば,紙と鉄球は同時に地面に到達します.

このように,空気抵抗が無視できる条件下の自由落下では,同じ加速度の等加速度運動をすることは当たり前にしておきたいところです.

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