力の基本3
運動方程式は力がつり合わないときの鉄板!

力の基本
力の基本

物体の運動を考えるとき,どのように物体に力がはたらいているかを把握することは大切です.

とくに前回の記事で説明したように,物体にはたらく力がつり合っていれば,静止している物体は静止し続けます.

一方,力がつり合っていなければ,静止している物体も動き始めることになりますが,運動方程式を考えることによって物体の運動を考えることができます.

この記事では

  • 運動方程式とは何か?
  • 力のつりあいとの関係

を順に説明します.

運動方程式

前提として,ひとつの[事実]を確認してから運動方程式を説明します.

事実

一定の向きに同じ大きさの力がはたらいている物体は,その力の向きに等加速度直線運動をする.

例えば,物体を同じ力で引っ張り続けると,最初は遅くても力を加えている方向に少しずつ加速していきます.

これは同じ方向に同じ力を与え続けているためですね.

Rendered by QuickLaTeX.com

他にも真空中を自由落下する物体には重力のみが常に鉛直下向きにはたらきます.

重力は一定なので,この物体は鉛直下向きに等加速度運動をします.

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運動の基本4|重力加速度とは?等加速度直線運動の具体例
前回の記事で,等加速度直線運動に関する3つの重要な公式 \begin{align*} &v=v_0+at, \&x=v_0t+\dfrac{1}{2}at^2, \&v^2-{v_0}^2=2ax...

運動方程式

いまみた[事実]に加えて,どれくらいの大きさの力を与えれば,どれくらいの大きさの加速度を得るかまで分かると,物体がどのように運動するかが分かりますね.

実はこの力の大きさと加速度の大きさの関係について述べたものが運動方程式で,次のようになります.

[運動方程式] 質量$m$の物体に大きさ$F$の力がはたらき,物体は大きさ$a$の加速度を得たとする.このとき,

   \begin{align*}F=ma\end{align*}

が成り立つ.

ニュートンの運動方程式ということもあります.

上の[事実]は「力$F$の向きと加速度$a$の向きの関係」について述べており,この運動方程式では「力$F$の大きさと加速度$a$の大きさの関係」について述べたものになっています.

ベクトルは大きさと向きを同時に表すものなので,これら2つを併せると次のようになりますね.

[運動方程式(ベクトル型)] 質量$m$の物体に力$\ve{F}$がはたらき,物体は加速度$\ve{a}$を得たとする.このとき,

   \begin{align*}\ve{F}=m\ve{a}\end{align*}

が成り立つ.

物理では力・位置・速度・加速度など,大きさと向きをもつものはベクトルで表すことがよくありますが,これについては以下の記事を参照してください.

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力がつりあいとの関係

前回の記事では力のつりあいに関して次が成り立つことを説明しました.

[力のつりあい] 力がつりあっているとき,運動している物体は等速直線運動をする.

逆に,等速直線運動をしているとき,物体にはたらく力はつりあっている.

この事実は運動方程式を用いても説明することができます.

力がつり合っているというのは,物体にはたらく合力の大きさが$0$ということなので,運動方程式$\ve{F}=m\ve{a}$において$\ve{F}=\ve{0}$を考えることになります.

よって,$\ve{0}=m\ve{a}$なので$\ve{a}=\ve{0}$となるので,確かに物体は等速直線運動をすることになりますね.

逆に,物体が等速直線運動を続けるというのは,物体の加速度の大きさが$0$ということなので,運動方程式$\ve{F}=m\ve{a}$において$\ve{a}=\ve{0}$を考えることになります.

よって,$\ve{F}=m\ve{0}$となるので,確かに物体にはたらく力はつりあいますね.

以上から,力のつりあいの等式は運動方程式の$\ve{F}=\ve{0}$の場合に相当することが分かりますね.

運動方程式の使い方の具体例については,例えば以下の記事を参照してください.

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