【SPONSORED LINK】

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

ワンステップ数学1|「2直線の交点」の3パターンの解法

次の問題は,教科書のベクトルの分野に載っている基本的な問題です.

[問] \tri{ABC}において,辺ABの中点をD,辺ACを2:1に内分する点をEとし,線分BE,CDの交点をFとする.このとき,\Ve{AF}\Ve{AB}\Ve{AC}を用いて表せ.

当然,ベクトルの分野に書かれている問題ですから,「ベクトルを用いた解法」を知っておくことは大切です.ただ,この問題はベクトルを用いない便利な方法で解くこともでき,この記事ではその便利な解法も紹介します.

ベクトルができないから便利な解法でカバーするのではなく,ベクトルを用いた解法をいつでも使えるようにしておき,その上で便利な解法を身につけてください.

【SPONSORED LINK】

解説動画

この記事の解説動画もアップロードしています.

「チャンネル登録」「コメント」「高評価」は,今後の動画作成の励みになるので,是非よろしくお願いします!


こちらから【チャンネル登録】ができますので,ぜひ応援よろしくお願いします!

3パターンの解法

上にも書いたように,次の問題を考えます.

[問] \tri{ABC}において,辺ABの中点をD,辺ACを2:1に内分する点をEとし,線分BE,CDの交点をFとする.このとき,\Ve{AF}\Ve{AB}\Ve{AC}を用いて表せ.

Rendered by QuickLaTeX.com

この問題の解答として,次の3パターンのものが考えられます.

  1. ベクトルを用いた解法
  2. メネラウスの定理を用いた解法
  3. 面積比を用いた解法

1は数学Bの教科書にも載っている「ベクトルを用いた解法」です.冒頭にも書いたように,この解法は分数係数の連立方程式が現れるので,計算が面倒で嫌いという人も多いです.

一方,2,3はほとんど面倒な計算が必要なく,とても便利な解法です.

当然,1の解法も重要なのですが,1の解法に加えて2と3の解法も是非身に付けてください.

ベクトルを用いた解法

まずはベクトルを用いた解法です.

この解法は教科書にも載っているので,知っている人も多いでしょう.逆に知らない人はこの機会にしっかり押さえておいてください.

一次独立

この解法で大切なことは[一次独立]です.

2つのベクトル\ve{a}\ve{b}

  1. \ve{a}\neq\ve{0}\ve{b}\neq\ve{0}
  2. \ve{a}\ve{b}は平行でない

を満たすとき,\ve{a}\ve{b}は一次独立であるという.

言葉で言えば,2つのベクトルが零ベクトルでなく,平行でもないとき一次独立というわけですね.

この一次独立について,以下の定理が成り立ちます.

2つのベクトル\ve{a}\ve{b}が一次独立であり,

A\ve{a}+B\ve{b}=A'\ve{a}+B'\ve{b}

が成り立つとき,A=A'かつB=B'が成り立つ.

言葉で言えば,一次独立な\ve{a}\ve{b}で表された2つのベクトルが等しいとき,\ve{a}\ve{b}の係数は等しいというわけですね.

もし\ve{a}\ve{b}が一次独立でなければ,A\ve{a}+B\ve{b}=A'\ve{a}+B'\ve{b}が成り立っていても,係数が一致するとは限りません.

答案の中でベクトルの係数比較をする際には,必ず「一次独立」という言葉を明記しておいてください.

解答

\mathrm{CF}:\mathrm{FD}=(1-t):t\mathrm{BF}:\mathrm{FE}=(1-s):sとおく.

Rendered by QuickLaTeX.com

このとき,\Ve{AD}=\dfrac{1}{2}\Ve{AB}を用いると,\Ve{AD}\Ve{AC}による内分公式から

\Ve{AF}=\dfrac{(1-t)\Ve{AD}+t\Ve{AC}}{(1-t)+t}=\dfrac{1-t}{2}\Ve{AB}+t\Ve{AC}

である.

同様に,\Ve{AE}=\dfrac{2}{3}\Ve{AC}を用いると,\Ve{AB}\Ve{AE}による内分公式から

\Ve{AF}=\dfrac{(1-s)\Ve{AE}+s\Ve{AB}}{(1-s)+s}=s\Ve{AB}+\dfrac{2(1-s)}{3}\Ve{AC}

である.

よって,\dfrac{1-t}{2}\Ve{AB}+t\Ve{AC}\dfrac{1-s}{2}\Ve{AB}+s\Ve{AC}は,どちらも\Ve{AF}を表しているので等しい.すなわち,

\dfrac{1-t}{2}\Ve{AB}+t\Ve{AC}=s\Ve{AB}+\dfrac{2(1-s)}{3}\Ve{AC}

である.いま,\Ve{AB}\Ve{AC}一次独立だから,両辺の\Ve{AB}の係数と\Ve{AC}の係数が一致するので,

\begin{cases} \dfrac{1-t}{2}=s\\ t=\dfrac{2(1-s)}{3} \end{cases}

が成り立つ.このtsに関する連立方程式を解くと,t=\dfrac{1}{2}s=\dfrac{1}{4}である.

よって,\Ve{AF}=\dfrac{1-t}{2}\Ve{AB}+t\Ve{AC}t=\dfrac{1}{2}を代入して,

\Ve{AF}=\dfrac{1}{4}\Ve{AB}+\dfrac{1}{2}\Ve{AC}

となる.

[解答終]

最後に\Ve{AF}=\dfrac{1-t}{2}\Ve{AB}+t\Ve{AC}t=\dfrac{1}{2}を代入しましたが,\Ve{AF}=s\Ve{AB}+\dfrac{2(1-s}{3}\Ve{AC}s=\dfrac{1}{4}を代入しても,同じく\Ve{AF}=\dfrac{1}{4}\Ve{AB}+\dfrac{1}{2}\Ve{AC}が得られます.

また,\Ve{AB}\Ve{AC}一次独立でなければ係数が一致するとは限らないので,途中の「\Ve{AB}\Ve{AC}は一次独立」という文言は省略できません.

比を設定して内分公式を用い,一次独立であることから係数を比較する.

メネラウスの定理を用いた解法

次に,メネラウスの定理を用いた解法です.

この解法も有名なので,知っている人も少なくないでしょう.

準備

次の定理をメネラウスの定理といいますね.

[メネラウスの定理] \tri{ABC}と直線\ellについて,\ell\tri{ABC}の頂点を通らず,どの辺とも平行でないとする.また,直線\mrm{AB}\mrm{BC}\mrm{CA}と直線\ellの交点をそれぞれ\mrm{P}\mrm{Q}\mrm{R}とする.

Rendered by QuickLaTeX.com

このとき,等式

\dfrac{\mrm{PB}}{\mrm{AP}}\times\dfrac{\mrm{QC}}{\mrm{BQ}}\times\dfrac{\mrm{RA}}{\mrm{CR}}=1

が成り立つ.

[メネラウスの定理]で用意するものは,「直線」と「三角形」の2つです.

答案の中でも,どの直線とどの三角形について[メネラウスの定理]を適用するのかを明記しておくと,スムーズに答案が書けます.

解答

Rendered by QuickLaTeX.com

\tri{ABE}と直線\mrm{CD}に関してメネラウスの定理より,

\dfrac{\mrm{DB}}{\mrm{AD}}\times\dfrac{\mrm{FE}}{\mrm{BF}}\times\dfrac{\mrm{CA}}{\mrm{EC}}=1

である.\dfrac{\mrm{DB}}{\mrm{AD}}=\dfrac{1}{1}\dfrac{\mrm{CA}}{\mrm{EC}}=\dfrac{3}{1}=3を併せて,

1\times\dfrac{\mrm{FE}}{\mrm{BF}}\times3=1

だから,\dfrac{\mrm{FE}}{\mrm{BF}}=\dfrac{1}{3}となる.よって,点\mrm{F}は線分\mrm{BE}3:1に内分する.

Rendered by QuickLaTeX.com

\Ve{AE}=\dfrac{2}{3}\Ve{AC}を用いると,内分公式から

\Ve{AF}=\dfrac{1\cdot\Ve{AB}+3\cdot\Ve{AE}}{4}=\dfrac{1}{4}\Ve{AB}+\dfrac{1}{2}\Ve{AC}

となる.

[解答終]

\mrm{FE}:\mrm{BF}が分かれば,内分の公式から\Ve{AF}が得られるというアイデアですね.

メネラウスの定理を用いて,交点による内分比を求める.

面積比を用いた解法

最後に,面積比を用いた解法です.

この解答はそれほど知られているわけではありませんが,中学受験ではベクトルもチェバの定理,メネラウスの定理も使えないので,中学受験組はこの面積比を用いた解法を知っている人も多いようです.

辺の比と面積

この解法で大切なことは以下の定理です.

\tri{ABC}と,\tri{ABC}内部の点\mrm{P}を考え,直線\mrm{CP}と辺\mrm{AB}の交点を\mrm{Q}とする.

Rendered by QuickLaTeX.com

このとき,2つの等式

\mrm{CQ}:\mrm{PQ}=\tri{ABC}:\tri{ABP}
\mrm{AQ}:\mrm{QB}=\tri{APQ}:\tri{BPQ}=\tri{ACQ}:\tri{BCQ}=\tri{ACP}:\tri{BCP}

が成り立つ.

基本的ですが,辺の比と面積を結びつける強力な定理ですね.

解答

直線\mrm{AF}と直線\mrm{BC}の交点を\mrm{G}とする.

\mrm{AE}:\mrm{EC}=2:1\mrm{AD}:\mrm{DB}=1:1から,それぞれ面積比\tri{BFA}:\tri{BFC}=2:1\tri{CFA}:\tri{CFB}=1:1を得る.よって,\tri{BFA}:\tri{BFC}:\tri{CFA}=2:1:1である.

Rendered by QuickLaTeX.com

これより,\tri{ABC}:\tri{FBC}=4:1なので,\mrm{AG}:\mrm{FG}=4:1である.

また,\tri{BFA}:\tri{CFA}=2:1なので,\mrm{BG}:\mrm{GC}=2:1だから内分公式から\Ve{AG}=\f{\Ve{AB}+2\Ve{AC}}{3}である.

よって,

\Ve{AF}=\dfrac{\mrm{AF}}{\mrm{AG}}\Ve{AG}=\dfrac{3}{4}\Ve{AG}=\dfrac{1}{4}\Ve{AB}+\dfrac{1}{2}\Ve{AC}

となる.

[解答終]

\Ve{AF}=\dfrac{\mrm{AF}}{\mrm{AG}}\Ve{AG}なので,\dfrac{\mrm{AF}}{\mrm{AG}}を求め,\Ve{AG}\Ve{AD}\Ve{AC}で表すことができれば,\Ve{AF}が得られるというアイデアですね.

辺の比を使って面積比を出し,その面積比から辺の比を出す.辺の比と面積比の関係を意識する.

次のワンステップ数学の記事は【ワンステップ数学2|部分積分を使わずに楽に計算する方法】です.

最後まで読んで下さってありがとうございました!

こちらから記事一覧ページへ飛べます!

【SPONSORED LINK】

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする