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図形と方程式の基本4|一般の直線の方程式と2直線の関係

  
   

図形と方程式の基本3|直線の方程式の導出】の続きです.

前の記事では,条件が与えられたときの直線の方程式の導出法について説明しました.

xy平面上の2本の直線に関して,この2本の直線が平行であったり垂直であったりしたとき,2本の直線の方程式の係数はある関係をもちます.

この関係のことを2直線の「平行条件」,「垂直条件」といいます.

この記事では,

  1. 2本の傾きをもつ直線の平行条件,垂直条件
  2. 2本の一般の直線の平行条件,垂直条件

に分けて解説します.

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一般の直線の方程式

図形と方程式の基本2|直線の方程式】で簡単に解説した「一般の直線の方程式」を,ここで詳しく解説します.まず,直線には

  1. 傾きをもつ直線
  2. 傾きをもたない直線

の2種類があります.

傾きをもつ直線

「傾きをもつ直線」とはy=mx+cという形の方程式で表される直線」のことをいいます.

例えば,y=x+1y=-2x+5y=\pi xなどです.

このとき,xの係数mを「傾き」といい,cを「(y軸)切片」といいます.

「傾きをもつ直線」は中学校で習うもので,馴染みも深いと思います.

傾きをもたない直線

「傾きをもたない直線」とはy=mx+cの形の方程式で表されない直線」のことをいいます.

これまで「傾きをもつ直線」でほとんど処理できていたため,「傾きをもたない直線」と言われてもピンとこない人も多いと思います.しかし,「傾きをもつ直線」では表せないxy平面上の直線は存在するのです.

それは「y軸に平行な直線」です.y軸に平行な直線」は「傾きをもたない直線」なのです.

なぜかというと,y=mx+cの形の直線の方程式では,cが変化しても上下に平行移動するだけで,mが直線の傾きを表します.しかし,mにどんな値を入れてもy軸に平行な直線にはなり得ません.

逆に,「y軸に平行でない直線」はうまく傾きを切片を調節すれば,y=mx+cの形の方程式で表すことができます.

よって,「傾きをもたない直線」は「y軸に平行な直線」であることが分かります.

また,次のように考えることでも,「傾きをもたない直線」は「y軸に平行な直線」であることを理解することもできます.

y軸に平行な直線」はx=aの形で表すことになります.したがって,「y軸に平行な直線」の方程式にはyが含まれないので,y=mx+cの形の方程式で表すことができませんね.

逆に,「傾きをもつ直線」はどのようにmcを選んでも,yが消えることはありません.したがって,「傾きをもつ直線」でx=aの形の方程式になることはあり得ず,「y軸に平行な直線」の方程式を表すことができませんね.

一般の直線の方程式

さて,「傾きをもつ直線」と「傾きをもたない直線」の両方を同時に表す方法を考えます.

この両方を表すことができれば,その直線の方程式はxy平面上の全ての直線を表すことができるので,「一般の直線の方程式」ということができます.

つまり,中学以来習ってきた「傾きをもつ直線」よりも多くの直線(y軸に平行な直線)を表すことができるようになります.

それでは,「一般の直線の方程式」を紹介します.

[一般の直線の方程式] xy平面上の直線はax+by+c=0 (abcは実数)の形で表される.ただし,abの少なくとも一方は0でない.

「傾きをもつ直線」を表したければ,b\neq0とすればy=-\f{a}{b}x-\f{c}{b}となって表せます.

また,「傾きをもたない直線」すなわち「y軸に平行でない直線」を表したければ,b=0とすればx=-\f{c}{a}となって表せます.

xy平面上の直線」と言われただけでは,必ずしも傾きをもつ直線とは限らない.一般の直線の方程式を考える.

平行条件と垂直条件

それではxy平面上の2直線が平行になる[平行条件]と,xy平面上の2直線が垂直になる[垂直条件]を解説します.

傾きをつ直線

傾きをもつ2直線の平行条件,垂直条件は次の通りです.

[定理1] xy平面上の傾きをもつ2直線ll'を考え,直線lの傾き,直線l'の傾きをそれぞれmm'とする.このとき,

  1. [平行条件] 直線lと直線l'が平行であることと,m=m'であることは同値
  2. [垂直条件] 直線lと直線l'が垂直であることと,mm'=-1であることは同値

が成り立つ.

「同値(=必要十分)」とは平たく言えば「同じ」ということですが,不安な人は【論理と集合の基本3|必要条件と十分条件】を参考にしてください.

ともかく,傾きをもつ2直線が平行かどうかは傾きの関係を見れば良いというわけですね.

これら[平行条件]と[垂直条件]を詳しく見ておきましょう.

2直線が平行なとき

これは良いでしょう.

xがちょうど1増加するとき,yがどれだけ増加するか,というのが傾きでしたから,平行なら傾きは等しいです.

逆に,傾きが等しいなら平行であることも分かります.

2直線が垂直なとき

図形と方程式9

直線lが右上がり,直線l'が右下がりの場合を考えます.

このとき,直線lの傾き,直線l'の傾きがそれぞれmm'なので,図のようになります.このとき,

\ang{ADB}=90^{\circ}=\ang{CDA}

であることと,

\ang{ABD}
=180^{\circ}-\ang{ADB}-\ang{DAB}
=180^{\circ}-90^{\circ}-\ang{DAB}
=90^{\circ}-\ang{DAB}
=\ang{CAD}

であることから,二角相等により\tri{ADB}\tri{CDA}が相似であることが分かります.よって,

\mrm{AD}:\mrm{DB}=\mrm{CD}:\mrm{DA}
\Longleftrightarrow 1:m=-m':1
\Longleftrightarrow mm'=-1

が得られます.

もしかすると,図を見て「あれ?\mathrm{CD}=m'ちゃうの?」と思う人もいるかもしれませんが,直線l'は右下がりなのでm'は負ですから,長さは\mathrm{CD}=|m'|=-m'となります.

直線lが右下がり,直線l'が右上がりの場合も同様に正しいことが分かります.

傾きをもつ直線の[平行条件],[垂直条件]は傾きを考えれば良い.

一般の直線

傾きをもつ2直線の平行条件,垂直条件は次の通りです.

[定理1′] xy平面上の一般の2直線\ell:ax+by+c=0\ell':a'x+b'y+c'=0を考える.このとき,

  1. [平行条件] 直線\ellと直線\ell'が平行であることと,ab'=a'bであることは同値
  2. [垂直条件] 直線\ellと直線\ell'が垂直であることと,aa'=-bb'であることは同値

が成り立つ.

[定理1′]が成り立つ理由を考えます.

考え方1

直感的には,

\ell:y=-\f{a}{b}x-\f{c}{b}
\ell':y=-\f{a'}{b'}x-\f{c'}{b'}

と書き換えれば,傾きをもつ直線の[平行条件]により,平行であることと

-\f{a}{b}=-\f{a'}{b'}\Leftrightarrow ab'=a'b

であることが同値で,傾きをもつ直線の[垂直条件]により,\ell\ell'垂直であることと

\bra{-\f{a}{b}}\times\bra{-\f{a'}{b'}}=-1\Leftrightarrow aa'=-bb'

であることが同値となります.bb'も0でないの場合にはこれは正しいですが,bb'が0の場合には割ることはできませんからこの考え方はできません.

【参考記事:ワンポイント数学3|0で割ってはいけない理由

しかし,bb'が0の場合に途中経過は成り立たないものの,結論の[平行条件]ab'=a'bと[垂直条件]aa'=-bb'bb'が0の場合にも正しいです.

ですから,結局はbb'が0であろうとなかろうと[平行条件],[垂直条件]が成り立つことが分かります.

考え方2

直線の「傾き」は「係数の比」と思うことができます.

たとえば,[平行条件]の-\f{a}{b}=-\f{a'}{b'}を比例式を使って書き換えるとa:b=a':b'となります.

a:babのどちらかが0でなければ定義することができます.「一般の直線の方程式」ではxの係数かyの係数のどちらかは0ではないので,「傾き」の代わりに「係数の比」を考えれば良いのです.

つまり,一般の直線では「xの係数とyの係数の比」が「傾きに相当するもの」になっているわけですね.

こう考えると,\ell\ell'が平行なら係数の比が等しくa:b=a':b'が平行条件になることは当たり前ですね.これを計算するとab'=a'bとなり,確かに[平行条件]が成り立ちます.

また,\ell\ell'が垂直なら係数の比が逆になってどちらかにマイナスをつければ良いので,a:b=b':(-a')が垂直条件になります.これを計算するとaa'=-bb'となり,確かに[垂直条件]が成り立ちます.

一般の直線の方程式では,「傾き」や「係数の比」を考えれば直線の[平行条件],[垂直条件]が得られる.

平行条件と垂直条件の利用

[平行条件]と[垂直条件]により,次の[定理2]が分かります.

[定理2] xy平面上の直線\ell:ax+by+c=0 (abの少なくとも一方は0でない)に対して,

  1. 直線\ellに平行で(x_1,y_1)を通る直線\ell_1a(x-x_1)+b(y-y_1)=0
  2. 直線\ellに垂直で(x_2,y_2)を通る直線\ell_2b(x-x_2)-a(y-y_2)=0

である.

[定理2]について,「係数がややこしい……」「覚えられない……」という人も多いですが,[定理1′]の「考え方2」での「係数の比」と関連付けて考えれば簡単に得られます.

まず,\ell_1(x_1,y_1)を通ることから,\ell_1の方程式はA(x-x_1)+B(y-y_1)=0と表すことができます.ここで,\ell_1\ell:ax+by+c=0に平行なので,xの係数とyの係数の比が等しいです.

よって,A:B=a:bです.

よって,A=aB=bとすれば,\ell_1:a(x-x_1)+b(y-y_1)=0となります.

\ell_2も同様に,\ell_2(x_2,y_2)を通ることから,\ell_2の方程式はA(x-x_2)+B(y-y_2)=0と表すことができます.ここで,\ell_2\ell:ax+by+c=0に垂直なので,A:B=b:(-a)です.

よって,A=bB=-aとして,\ell_2:b(x-x_1)-a(y-y_2)=0となります.

もちろん,直感的には傾きを考えても問題はありませんが,係数の比の考え方ができると,[定理2]を公式的に覚えなくても,次のように簡単に解けます.

[問] 次の1,2の直線\ellを求めよ.

  1. 3x+5y=2に平行で点(1,2)を通る直線\ell
  2. -3x+6y=5に平行で点(3,4)を通る直線\ell

[解答]

1.直線\ell(1,2)を通るからA(x-1)+B(y-2)=0とおける.

直線\ell3x+5y=2に平行だからA:B=3:5なので,A=3b=5として\ell:3(x-1)+5(y-1)=0すなわち\ell:3x+5y-8=0が得られる.

1.直線\ell(3,4)を通るからA(x-3)+B(y-4)=0とおける.

直線\ell-3x+6y=5に平行だからA:B=6:\{-(-3)\}=2:1なので,A=2b=1として\ell:2(x-3)+(y-4)=0すなわち\ell:2x+y-10=0が得られる.

[解答終]

傾きを出して計算するよりもずっと速く求まるのが分かって頂けたと思います.

一般の直線の方程式の平行条件,垂直条件は,係数の比を用いることですぐに直線の方程式が求まることも多い.

図形と方程式の基本5|2点間の距離,点と直線の距離】に続きます.

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