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対称式の基本|基本対称式を利用する

高校数学では「対称式」がよく現れます.

xyの対称式」とはxyを入れ替えてももとの式と等しくなるような多項式のことをいいます.これは「(2次方程式の)解と係数の関係」に絡んで出題されることも多くあります.

対称式に対しては,「対称式は基本対称式の和,差,積で表せる」という定理があり,これはとても強力で必ず使えるようになっておきたい定理です.

与えられた式が対称式であることに気付けば,瞬時に計算ができることもあります.逆に,対称式であることに気付かなければ,面倒な計算が必要になることが多いです.

このように,対称式が扱えるかどうかで,大きなさになりますから,この記事できっちり対称式を身につけてください.

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対称式

冒頭でも述べましたが,「対称式」の定義は次のとおりです.

xyの多項式f(x,y)xyを入れ替えても等しい多項式のことをxyの対称式」という.

どの文字についての対称式か明らかな場合は単に「対称式」ということも多い.

xyを入れ替えても等しい多項式」とは,式で書けばf(x,y)=f(y,x)を満たす多項式f(x,y)のことです.

対称式の例

これだけではピンと来ない人がいると思いますので,例を挙げると次のものが対称式です.

xyx+yx+y-xy(x-y)^2x^3+98x^2y^2+y^3+7

実際にいくつか確かめてみます.

  1. xy=yxなのでxyxyを入れ替えても最初の式と同じです.よって,xyxyの対称式です.
  2. x+y=y+xなのでx+yxyを入れ替えても最初の式と同じです.よって,x+yxyの対称式です.
  3. (y-x)^2=(-(x-y))^2=(x-y)^2なので(y-x)^2xyを入れ替えても最初の式と同じです.よって,(y-x)^2xyの対称式です.

このように,xyを入れ替えてできた式がもとの式と一致するようなxyの多項式が「xyの対称式」です.

上に挙げたものの他にも対称式は非常にたくさんあります.

\pi(-x^2+6xy-y^2)^7+xy(x-y)^23.5x+(x-y)^2+3.5y-(x+y)^3+\log_{7}{2}

なども対称式ですね.このように,対称式は無尽蔵に挙げることが出来ます.

基本対称式

対称式は上で見たように,xyx+yは対称式です.

これらxyx+y最も基本的な対称式で,xyの基本対称式」といいます.これも文字xyが明らかな場合は単に「基本対称式」ということも多いです.

冒頭でも書いたように,基本対称式は対称式の中でも非常に重要な役割を担っています.

基本対称式で対称式を表す

さて,ここからが本番です.対称式と基本対称式について次の定理があります.

[定理] 任意の対称式は基本対称式の和,差,積で表すことができる.

この[定理]の証明は難しいので省略しますが,この事実を踏まえた問題は非常に多く,とても重要な定理です.

たとえば,x^2+y^2は対称式なので,基本対称式xyx+yの和,差,積で表すことができます.また,x^4+y^4も対称式なので,基本対称式xyx+yの和,差,積で表すことができます.

「本当か……?」という人がいるかもしれませんから,実際にいくつか例を見てみます.そのあと,[定理]を利用して問題を解いて見ます.

例1

x^2+y^2

x^2+y^2=(x+y)^2-2xy

と基本対称式x+yxyで表せます.実際に右辺を実際に展開してみると,

(x+y)^2-2xy=(x^2+2xy+y^2)-2xy=x^2+y^2

となって確かに左辺に一致しています.

したがって,対称式x^2+y^2は基本対称式x+yxyの和,差,積で表されます.

例2

x^3+y^3

x^3+y^3=(x+y)^3-3xy(x+y)

と基本対称式x+yxyで表せます.実際に右辺を実際に展開してみると,

(x+y)^3-3xy(x+y)
=(x^3+3x^2y+3xy^2+y^3)-3x^2y-3xy^2
=x^3+y^3

となって確かに左辺に一致しています.

したがって,対称式x^3+y^3は基本対称式x+yxyの和,差,積で表されます.

例3

x^4+y^4

x^4+y^4=(x+y)^4-4xy(x+y)-6(xy)^2

と基本対称式x+yxyで表せます.実際に右辺を実際に展開してみると,

(x+y)^4-4xy(x+y)-6(xy)^2
=(x^4+4x^3y+6x^2y^2+4xy^3+y^4)-4x^2y-4xy^2-6x^2y^2
=x^4+y^4

となって確かに左辺に一致しています.

したがって,対称式x^4+y^4は基本対称式x+yxyの和,差,積で表されます.

例4

次の問題は[定理]を用いる典型的な問題です.

[問] x+y=4xy=2のとき,次の値を求めよ.

  1. x^2+y^2
  2. (x-y)^2
  3. \pi(-x^2+6xy-y^2)^7+xy(x-y)^2

実際にx+y=4xy=2からxyを求めて代入するのではスジが悪いです.

基本対称式の値が与えられていて(x+y=4xy=2),対称式の値を求めるのですから,(1)~(3)の式を基本対称式の和,差,積で表して代入すると良さそうです.

[解答]

1.x^2+y^2=(x+y)^2-2xy=4^2-2\times2=12である.

2.(x-y)^2=x^2-2xy+y^2=(x^2+y^2)-2xy=12-2\times2=8である.

3.-x^2+3xy-y^2=-(x^2+y^2)+6xy=-12+6\times2=0xy(x-y)^2=2\times8=16から,\pi(-x^2+3xy-y^2)^7+xy(x-y)^2=16である.

[解答終]

これらはどれも実際にxyを求めて計算すると,面倒な上に計算ミスもしかねません.この「任意の対称式は基本対称式の和,差,積で表せる」の威力が分かって頂けたと思います.

対称式を見れば,パッと「対称式だ!」と気付けるようになってください.

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