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剛体の運動の基本4|重心とその例

  
   

剛体の運動の基本3|力のつりあいとその例】の続きです.

剛体にはたらく力がつりあっているとは,

  1. 力の和が0である
  2. 任意の点での力のモーメントの和が0

であることをいうのでした.

さて,質点や剛体の「ある意味での中心」として,重心があります.詳しく書けば,この重心とは剛体にはたらく重力を合成したときの作用点です.

この記事では,重心について説明します.

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重心

例えば,円板の中心に糸をつけて静かに糸で吊るすと,円板は水平の状態で静止します.これは,円板にはたらく重力と,糸による張力がつりあっている状態になっています.

これは「円板にはたらく重力は円板の中心にはたらいている」ということになります.物理的に表現すれば,「円板の中心は重力の合力の作用点である」と表現できます.

[重心] 剛体にはたらく重力の合力の作用点を,その剛体の重心という.

つまり,円板には中心にのみ重力がはたらくわけではなく,円板の端っこの所にも重力ははたらきます.しかし,これらは全て鉛直下向きですから,全ての箇所にはたらく重力を合成して考えることができます.

このときの合力の作用点を「重心」というのです.

「重心」はそういう意味では,剛体の「中心」というイメージにも繋がります.

数学では三角形の重心を習いますが,均質な三角形の板の「物理的な重心」は「数学的な重心」に一致します.

ただし,重さにムラがある三角形の板の「物理的な重心」が「数学的な重心」と一致するとは限りません.このことは直感的にも分かることでしょう.

また,「重心」に関しては次の[事実]も非常に大切です.

[事実] 剛体がある点,軸,面に対して対称であれば,重心はその点,軸,面上にある.

例えば,ある直線lに関して左右対称な板があったとき,重心はその直線l上にあります.同様に,物体が点対称であれば,その点が重心にありますし,面対称であればその面上にあります.

これも直感的に明らかでしょう.

重心の例

重心の例をいくつか挙げます.

例1

すでに円板の重心は円板の中心であることを説明しましたが,[事実]からもこのことを説明しておきます.

円板の中心\mrm{O}を通る直線lを引くと,直線lを軸として線対称ですから,円板の重心は直線l上にあります.

また,円板の中心\mrm{O}を通る直線l'を引くと,直線l'を軸として線対称ですから,円板の重心は直線l'上にあります.

Rendered by QuickLaTeX.com

さて,円板の重心は直線l上にあり,かつ直線l'上にあることが分かりました.直線l上かつ直線l'上にある点は中心\mrm{O}ですから,円板の重心は中心\mrm{O}であることが分かります.

例2

半径5の円板D_1から,下図のように半径2の円板D_2をくり抜いた板Dの重心を考えます.

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つまり,外側の大きい円板がD_1,中の小さい円板がD_2,灰色の部分がDですね.

Dの重心を\mrm{A},円板D_1の重心を\mrm{A_1},円板D_2の重心を\mrm{A_2}とすると,例1でみたように\mrm{A_1}D_1の中心,\mrm{A_2}D_2の中心です.

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このとき,DD_2を組み合わせるとD_2になります.よって,重心は「重力の合力の作用点」でしたから,\mrm{A}にはたらくDの重力と\mrm{A_2}にはたらくD_2の重力の合力の作用点が\mrm{A_1}となります.

\mrm{A_1}\mrm{A_2}の相似比は5:2なので面積比は25:4ですから,\mrm{A_2}にはたらくD_2の重力を4\ve{W}とすると,\mrm{A_1}にはたらくD_1の重力は25\ve{W}となります.

\mrm{A}にはたらくDの重力の大きさを\ve{W'}とすると,\ve{W}\ve{W'}は同じ向きだから,|\ve{W'}|+|4\ve{W}|=|25\ve{W}|より|\ve{W'}|=21|\ve{W}|となります.

よって,\mrm{A_1}は線分\mrm{AA_2}4:21に内分します.すなわち,\mrm{A}は線分\mrm{A_1}\mrm{A_2}4:25に外分する点となります.

【参考記事:剛体の運動の基本2|力の合成の4つのパターン

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