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数列の基本3|1乗和,2乗和,3乗和の公式と導出

数列には様々なものがあり得ますが,あまり変な数列を考えてしまうと簡単に和が求まらないことも多いです.

前回の記事で扱った

  • 等差数列の和
  • 等比数列の和

は数列の和の中でも簡単に求まるもので,他にも

  • 1乗和1+2+3+\dots+n
  • 2乗和1^2+2^2+3^2+\dots+n^2
  • 3乗和1^3+2^3+3^3+\dots+n^3

は頻繁に現れる和で,しっかり覚えておく必要があります.

この記事では,1乗和,2乗和,3乗和を求めます.

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1乗和,2乗和,3乗和の公式

以下が1乗和,2乗和,3乗和の公式です.

[公式] 次の和の公式が成り立つ.

\begin{align*} &1+2+\dots+n=\frac{n(n+1)}{2}, \\&1^2+2^2+\dots+n^2=\frac{n(n+1)(2n+1)}{6}, \\&1^3+2^3+\dots+n^3=\brb{\dfrac{n(n+1)}{2}}^2 \end{align*}

なお,「1乗和」という表現は少し気持ち悪いですが,「2乗和」,「3乗和」との対応で「1乗和」という表現を使うことにします.

同じことですが,和の\dsumを用いると

\begin{align*} &\sum_{k=1}^{n}k=\frac{n(n+1)}{2}, \\&\sum_{k=1}^{n}k^2=\frac{n(n+1)(2n+1)}{6}, \\&\sum_{k=1}^{n}k^3=\brb{\dfrac{n(n+1)}{2}}^2 \end{align*}

と同じですね.

さて,後に述べるように1乗和はすぐに導けますが,2乗和,3乗和の公式は覚えてしまうことを推奨しています.

2乗和,3乗和の導出を知っておくことは大切ですが,2乗和と3乗和の導出は時間がかかってしまうため,公式を覚えておかないと時間のロスになってしまうのです.

とはいえ,3乗和は1乗和の2乗になっているので覚えやすいですね.ですから,結局覚えるのはほとんど2乗和だけで良いことになりますね.

1乗和はすぐに導出できるが,2乗和と3乗和はすぐには導出できないので覚えておく.

公式の導出

1乗和は「等差数列の和の公式」もしくは,「直感的な方法」からすぐに分かります.

また,2乗和,3乗和は同じ方法で導出します.この2乗和の公式,3乗和の導出法は「階差数列」の公式を求めるのと似た方法なので,この導出法は知っておいてください.

1乗和の公式の導出

1乗和の公式は「等差数列の和の公式からの導出法」と,「直感的な導出法」の2つが簡単です.

等差数列の和の公式からの導出法

復習ですが,初項a,公差dの等差数列の初項から第n項までの和は

\begin{align*} a+(a+d)+(a+2d)+\dots+\{a+(n-1)d\}=\dfrac{n\{2a+(n-1)d\}}{2} \end{align*}

です.とくに,初項1,公差1のときが,1乗和ですから,この公式にa=1d=1を代入して

\begin{align*} 1+2+3+\dots+n=\dfrac{n(n+1)}{2} \end{align*}

と1乗和の公式が導けます.

直感的な導出法

1個のブロック,2個のブロック,3個のブロック,4個のブロック,……を以下のように並べていきましょう.

Rendered by QuickLaTeX.com

これをnまで続けると,1+2+\dots+nのブロックが下図のように並びます.

Rendered by QuickLaTeX.com

このブロックと同じものを逆さまにして連結させると,数のようにn\times(n+1)の長方形になります.

Rendered by QuickLaTeX.com

この長方形はn(n+1)個のブロックで構成されているので,元の1+2+3+\dots+nはその半分なので,

\begin{align*} 1+2+3+\dots+n=\dfrac{n(n+1)}{2} \end{align*}

が得られました.

2乗和の公式の導出

2乗和の公式のためには,次の等式が成り立つことに注意しておきます.

\begin{align*} k^3-(k-1)^3=3k^2-3k+1 \end{align*}

なお,これは左辺を展開すればすぐに成り立つことが分かります.このkに1,2,……,nを代入したものをすべてを足し合わせると,

\begin{align*} \begin{matrix} &n^3&-&(n-1)^3&=&3n^2&-&3n&+&1\\ &&&&\vdots&&&&&\\ &3^3&-&2^3&=&3\cdot3^2&-&3\cdot3&+&1\\ &2^3&-&1^3&=&3\cdot2^2&-&3\cdot2&+&1\\ +)&1^3&-&0^3&=&3\cdot1^2&-&3\cdot1&+&1\\ \hline &n^3&-&0^3&=&3\dsum_{k=1}^{n}k^2&-&3\dsum_{k=1}^{n}k&+&n \end{matrix} \end{align*}

となります.左辺はマイナスとプラスで打ち消し合ってn^3と0だけが残っています.こうして等式

\begin{align*} n^3=3\dsum_{k=1}^{n}k^2-3\dsum_{k=1}^{n}k+n \end{align*}

が得られました.この右辺の第2項の\sum\limits_{k=1}^{n}kは1乗和\dfrac{n(n+1)}{2}なので,

\begin{align*} n^3=3\sum_{k=1}^{n}k^2-\frac{3n(n+1)}{2}+n \end{align*}

となります.これを整理すると,

\begin{align*} 3\sum_{k=1}^{n}k^2 =&n^3+\frac{3n(n+1)}{2}-n \\=&\frac{n\brb{2n^2+3(n+1)-2}}{2} \\=&\frac{n\bra{2n^2+3n+1}}{2} \\=&\frac{n(2n+1)(n+1)}{2} \end{align*}

となるので,両辺を3で割って,2乗和の公式

\begin{align*} \dsum_{k=1}^{n}k^2=\dfrac{n(2n+1)(n+1)}{6} \end{align*}

が得られます.

3乗和の公式の導出

3乗和の公式の導出も2乗和の公式の導出と同じ方法なので,2乗和の公式の導出と平行に話を進めます.

まず,k^4-(k-1)^4=4k^3-6k^2+4k-1であることに注意しておきます.なお,これも左辺を展開すればすぐに成り立つことが分かります.

このkに1を代入したものからnを代入したものまですべてを足すと,

\begin{align*} \begin{matrix} &n^4\quad-&(n-1)^4&=&4n^3&-&6n^2&+&4n&-\quad1\\ &&&\vdots&&&&&&\\ &3^4\quad-&2^4&=&4\cdot3^3&-&6\cdot3^2&+&4\cdot3&-\quad1\\ &2^4\quad-&1^4&=&4\cdot2^3&-&6\cdot2^2&+&4\cdot2&-\quad1\\ +)&1^4\quad-&0^4&=&4\cdot1^3&-&6\cdot1^2&+&4\cdot1&-\quad1\\ \hline &n^4\quad-&0^4&=&4\dsum_{k=1}^{n}k^3&-&6\dsum_{k=1}^{n}k^2&+&4\dsum_{k=1}^{n}k&-\quad n \end{matrix} \end{align*}

となります.左辺はマイナスとプラスで打ち消し合ってn^4と0だけが残っています.こうして等式

\begin{align*} n^4=4\dsum_{k=1}^{n}k^3-6\dsum_{k=1}^{n}k^2+4\dsum_{k=1}^{n}k-n \end{align*}

が得られました.右辺の第2項の\sum\limits_{k=1}^{n}k^2は2乗和\dfrac{n(n+1)(2n+1)}{6},第3項の\sum\limits_{k=1}^{n}k^2は1乗和\dfrac{n(n+1)}{2}なので,

\begin{align*} n^4=4\dsum_{k=1}^{n}k^3-6\times\dfrac{n(n+1)(2n+1)}{6}+4\times\dfrac{n(n+1)}{2}-n \end{align*}

となります.約分して,

\begin{align*} n^4=4\dsum_{k=1}^{n}k^3-n(n+1)(2n+1)+2n(n+1)-n \end{align*}

となります.これを整理すると,

\begin{align*} 4\dsum_{k=1}^{n}k^3 =&n^4+n(n+1)(2n+1)-2n(n+1)+n \\=&n\brb{n^3+(n+1)(2n+1)-2(n+1)+1} \\=&n\brb{n^3+(2n^2+3n+1)-(2n+2)+1} \\=&n\bra{n^3+2n^2+n} \\=&n^2\bra{n^2+2n+1} \\=&n^2(n+1)^2 \end{align*}

となるので,両辺を4で割って,3乗和の公式

\begin{align*} \sum_{k=1}^{n}k^3=\frac{n^2(n+1)^2}{4} \end{align*}

が得られます.

なお,この公式は1乗和の2乗\brb{\dfrac{n(n+1)}{2}}^2でもありますね.

m乗和の公式の導出

さて,上で書いたことが理解できていれば,m>3の場合でも,2乗和,3乗和と同様に和の公式が導けることが分かるでしょう.

k^{m+1}-(k-1)^{m+1}m次式ですから,上の方法と同様にして4乗和,5乗和と順に求めることができます.

ただし,計算は非常に多くなります.興味のある人は計算してみても良いかも知れません.また,計算が苦手な人も計算力を鍛えるつもりでやってみると良いかもしれません.

最後まで読んで下さってありがとうございました!

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