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三角関数2|偏角の変換公式は覚えるな!簡単に導く方法!

前回の記事では,三角関数を定義し,\sin\cos\tanの間に成り立つ4つの関係式

  • \tan{\theta}=\dfrac{\sin{\theta}}{\cos{\theta}}
  • \cos^{2}{\theta}+\sin^{2}{\theta}=1
  • 1+\tan^{2}{\theta}=\dfrac{1}{\cos^{2}{\theta}}
  • 1+\dfrac{1}{\tan^{2}{\theta}}=\dfrac{1}{\sin^{2}{\theta}}

について説明しました.

特に,1つ目と2つ目の関係式から3つ目と4つ目の関係式はほぼ瞬時に導出できるため,ほとんど努力せず覚えることができるのでした.

さて,以前の記事で三角比の場合には,

  • \sin{(90^\circ-\theta)}=\cos{\theta}
  • \cos{(90^\circ-\theta)}=\sin{\theta}
  • \tan{(90^\circ-\theta)}=\dfrac{1}{\tan{\theta}}

が成り立つことを説明しましたが,この三角比の角度の変換公式は三角関数でも同様に成り立ちます.

ただ,三角関数になると,他にも\tan{(180^\circ+\theta)}\sin{(90^\circ+\theta)}などの変換公式も出てきます.

これらの公式は非常に多いため,全部を覚えようとすると挫折してしまいます.

というより,これらの公式は丸覚えするようなものではありませんし,コツさえつかめばほんの数秒で導くことができます.

しかし,実は分かりやすい公式をほんの少し覚えるだけで,他の偏角の変換公式は全て導けるようになっています.

今回の記事では,偏角の変換公式をできるだけ覚えずに導けるようになる方法も説明します.

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基本の変換公式

まずは角度の変換公式の中でも,理解しやすい公式を理解しましょう.

理解しやすい基本公式

以下の公式をまず覚えてしまいましょう.

実数\thetaに対して,次が成り立つ.

  1. \begin{cases} \cos{(\theta\pm180^{\circ})}=\cos{\theta}\\ \sin{(\theta\pm180^{\circ})}=\sin{\theta} \end{cases}
  2. \begin{cases} \cos{(-\theta)}=\cos{\theta}\\ \cos{(-\theta)}=-\sin{\theta} \end{cases}
  3. \begin{cases} \cos{(90^{\circ}-\theta)}=\sin{\theta}\\ \sin{(90^{\circ}-\theta)}=\cos{\theta} \end{cases}

公式としては6個ありますが,\sin\cosでペアになっているので

  • タイプ1:(\theta\pm180^{\circ})型の公式
  • タイプ2:-\theta型の公式
  • タイプ3:(90^{\circ}-\theta)型の公式

の3タイプですね.

以下では,点Oを原点,点Pを単位円周上の偏角\thetaの点(\cos{\theta},\sin{\theta})とします.

タイプ1

単位円周上の偏角\theta+180^\circの点も偏角\theta-180^\circの点も,どちらも点Pと原点対称な点Qなので,下図のようになります.

Rendered by QuickLaTeX.com

よって,点P(\cos{\theta},\sin{\theta})と点Q(\cos{(\theta\pm180^\circ)},\sin{(\theta\pm180^\circ)})では,x座標,y座標がともに正負が逆になっているので,(\theta\pm180^{\circ})型の公式

  • \cos{(\theta\pm180^{\circ})}=\cos{\theta}
  • \sin{(\theta\pm180^{\circ})}=\sin{\theta}

が成り立ちます.

タイプ2

単位円周上の偏角-\thetaの点は,どちらも点Pとx軸対称な点Qなので,下図のようになります.

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よって,点P(\cos{\theta},\sin{\theta})と点Q(\cos{(-\theta)},\sin{(-\theta)})では,x座標は等しく,y座標の正負が逆になっているので,-\theta型の公式

  • \cos{(-\theta)}=\cos{\theta}
  • \sin{(-\theta)}=-\sin{\theta}

が成り立ちます.

タイプ3

タイプ3の

  • \cos{(90^{\circ}-\theta)}=-\sin{\theta}
  • \sin{(90^{\circ}-\theta)}=\cos{\theta}

は三角比(0<\theta<90^\circ)の場合に成り立つことは,以前の記事で証明しました.

この記事で証明しましたが,0<\theta<90^\circの場合には以下のように直角三角形をイメージすれば簡単に覚えることができます.

\ang{B}=90^\circの直角三角形ABCに対して,

Rendered by QuickLaTeX.com

このとき,\ang{C}=90^{\circ}-\thetaであることを当たり前にしておけば,くるっと裏返した図

Rendered by QuickLaTeX.com

を見れば,(90^\circ-\theta)型と\theta型では\sin\cosが入れ替わることが分かります.

ただし,0<\theta<90^\circの範囲にない一般の\thetaの場合に,この公式を図から直接証明するのは実は少々面倒です(証明は最後の「補足」を参照).

とはいえ,このタイプ3の公式は直角三角形から非常にイメージしやすいので,実用上はこの公式を基本として覚えておくのが良いでしょう.

偏角の変換公式のうちでも,覚えやすい

  • タイプ1:(\theta\pm180^{\circ})型の公式
  • タイプ2:-\theta型の公式
  • タイプ3:(90^{\circ}-\theta)型の公式

をまずはフォローする.

偏角の変換公式の覚え方のコツ

もう一度,以上の基本の6公式を書いておきます.

【再掲】実数\thetaに対して,次が成り立つ.

  1. \begin{cases} \cos{(\theta\pm180^{\circ})}=\cos{\theta}\\ \sin{(\theta\pm180^{\circ})}=\sin{\theta} \end{cases}
  2. \begin{cases} \cos{(-\theta)}=\cos{\theta}\\ \cos{(-\theta)}=-\sin{\theta} \end{cases}
  3. \begin{cases} \cos{(90^{\circ}-\theta)}=\sin{\theta}\\ \sin{(90^{\circ}-\theta)}=\cos{\theta} \end{cases}

以上の基本の6公式をしっかりフォローしておけば,たとえば

  • \sin(\theta-90^{\circ})=-\cos{\theta}
  • \sin(90^{\circ}+\theta)=\cos{\theta}
  • \tan(90^{\circ}+\theta)=-\tan{\theta}

などは,慣れればものの数秒で簡単に導くことができます.

いくつか例を考えましょう.

例1

\sin(\theta-90^{\circ})を簡単にせよ.

[解答]

\sin{(-A)}=-\sin{A}\sin{(90^\circ-A)}=\cos{A}を使えば,

\begin{align*} \sin(\theta-90^{\circ}) =&\sin\{-(90^{\circ}-\theta)\} \\=&-\sin(90^{\circ}-\theta) \\=&-\cos{\theta} \end{align*}

が得られる.

[解答終]

90^\circが絡む三角関数では,この(90^\circ-\theta)型に変形し,6つの基本公式を利用すれば公式が得られます.

例2

\sin(90^{\circ}+\theta)を簡単にせよ.

[解答]

\sin{(90^\circ-A)}=\cos{A}\cos{(-A)}=\cos{A}を使えば,

\begin{align*} \sin(90^{\circ}+\theta) =&\sin\{90^{\circ}-(-\theta)\} \\=&\cos(-\theta) \\=&\cos{\theta} \end{align*}

が得られる.

[解答終]

やはり,90^\circが絡む三角関数では,この(90^\circ-\theta)型に変形することになります.

-\thetaを1つのカタマリとみて,90^\circ+\theta=90^\circ-(-\theta)とすれば,(90^\circ-\theta)型の公式が使えますね.

例3

\tan(180^{\circ}-\theta)を簡単にせよ.

[解答]

\tan{A}=\dfrac{\sin{A}}{\cos{A}}\cos{(-A)}=\cos{A}\sin{(-A)}=-\sin{A}を使えば,

\begin{align*} \tan(180^{\circ}-\theta) =&\dfrac{\sin{(180^{\circ}-\theta)}}{\cos{(180^{\circ}-\theta)}} \\=&\dfrac{\sin{(-\theta)}}{\cos{(-\theta)}} \\=&\dfrac{-\sin{\theta}}{\cos{\theta}} \\=&-\tan{\theta} \end{align*}

が得られる.

[解答終]

\tanの場合には,三角関数の\tan{\theta}の定義式である\tan{\theta}=\dfrac{\sin{\theta}}{\cos{\theta}}を用いて\sin\cosを使って表してから,基本の6公式を使えば良いわけですね.

  • 三角関数で90^\circが絡む場合には,(90^\circ-\theta)型の公式を使えるように変形するとよい.
  • \tanが絡む場合には,\tan{\theta}の定義式である\tan{\theta}=\dfrac{\sin{\theta}}{\cos{\theta}}を用いてから基本6公式を用いるとよい.

補足

最後に,0<\theta<90^\circの範囲にない一般の\thetaの場合のタイプ3((90^\circ-\theta)型)の証明をしておきます.

証明には,(\theta+90^\circ)型の変換公式

  • \cos{(\theta+90^{\circ})}=-\sin{\theta}
  • \sin{(\theta+90^{\circ})}=\cos{\theta}

の証明を経由するのがやりやすいでしょう.

[証明]

点Qを点Pを原点中心に90^\circ回転させた点(\cos{(\theta+90^{\circ})},\sin{(\theta+90^{\circ})})とすると,下図のようになります.

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この図から,(\theta+90^\circ)型の変換公式

  • \cos{(\theta+90^{\circ})}=-\sin{\theta}
  • \sin{(\theta+90^{\circ})}=\cos{\theta}

が成り立ちます.これを用いると,(90^\circ-\theta)型の変換公式

\begin{align*} \cos{(90^\circ-\theta)} =&\cos{(90^\circ+(-\theta))} \\=&-\sin{(-\theta)} \\=&\sin{\theta}, \\\sin{(90^\circ-\theta)} =&\sin{(90^\circ+(-\theta))} \\=&\cos{(-\theta)} \\=&\cos{\theta} \end{align*}

が得られる.

[証明終]

最後まで読んで下さってありがとうございました!

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