三角比2|sinθ,cosθ,tanθの超重要な4つの関係式

前回の記事では三角比($\sin{\theta}$, $\cos{\theta}$, $\tan{\theta}$)を定義し,具体例として$30^\circ$, $60^\circ$, $90^\circ$の三角比の値を計算しました.

さて,三角比$\sin{\theta}$, $\cos{\theta}$, $\tan{\theta}$は独立したものではなく,互いに関係性をもっています.

この三角比の間に成り立つ基本の関係式は

  1. $\tan{\theta}=\dfrac{\sin{\theta}}{\cos{\theta}}$
  2. $\cos^{2}{\theta}+\sin^{2}{\theta}=1$
  3. $1+\tan^{2}{\theta}=\dfrac{1}{\cos^{2}{\theta}}$
  4. $1+\dfrac{1}{\tan^{2}{\theta}}=\dfrac{1}{\sin^{2}{\theta}}$

の4つあり,三角比の計算をする上では非常に重要です.

この記事では,これら三角比の間の4つの関係式を説明します.

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三角比の関係式

まずはこの記事のテーマである[三角比の4つの基本関係式]を説明します.

三角比の4つの基本関係式

三角比$\sin{\theta}$, $\cos{\theta}$, $\tan{\theta}$の間には次の関係式が成り立ちます.

[三角比の4つの基本関係式] $0<\theta<90^\circ$なる実数$\theta$について

  1. $\tan{\theta}=\dfrac{\sin{\theta}}{\cos{\theta}}$
  2. $\cos^{2}{\theta}+\sin^{2}{\theta}=1$
  3. $1+\tan^{2}{\theta}=\dfrac{1}{\cos^{2}{\theta}}$
  4. $1+\dfrac{1}{\tan^{2}{\theta}}=\dfrac{1}{\sin^{2}{\theta}}$

の4つの関係式が成り立つ.

三角比($\sin{\theta}$, $\cos{\theta}$, $\tan{\theta}$)の定義と考え方については,前回の記事を参照してください.

最初の3つは教科書にもよく載っていることが多いですが,4つ目の関係式はもしかすると初めて見た人もいるかもしれませんね.

具体例

具体的にこの関係式を考えてみましょう.

$\sin{\theta}=\dfrac{1}{3}$ ($0<\theta<90^\circ$)が成り立つとき,$\cos{\theta}$, $\tan{\theta}$を求めよ.

$\sin{\theta}$と$\cos{\theta}$の関係式$\cos^{2}{\theta}+\sin^{2}{\theta}=1$より

\begin{align*} \cos^2{\theta}+\bra{\frac{1}{3}}^2=1 \iff\cos^2{\theta}=\frac{8}{9} \end{align*}

が成り立つ.$\cos{\theta}>0$だから$\cos{\theta}=\dfrac{2\sqrt{2}}{3}$である.

また,$\sin{\theta}$と$\tan{\theta}$の関係式$1+\dfrac{1}{\tan^{2}{\theta}}=\dfrac{1}{\sin^{2}{\theta}}$より

\begin{align*} 1+\frac{1}{\tan^{2}{\theta}}=\frac{1}{(\frac{1}{3})^2} \iff&1+\frac{1}{\tan^{2}{\theta}}=9 \\\iff&\frac{1}{\tan^{2}{\theta}}=8 \end{align*}

が成り立つ.$\tan{\theta}>0$だから$\tan{\theta}=\dfrac{1}{2\sqrt{2}}$である.

このように,$\sin{\theta}$が分かれば,$\cos{\theta}$と$\tan{\theta}$も求まるわけですね.

もちろん,このように解いて何も問題ありませんし,僕もこのように解きます.

ただし,この解答ではあまりイメージが湧きませんから,この問題のイメージを掴むために三角比の定義から図形的な方法でも解いておきましょう.

[別解] $\sin{\theta}=\dfrac{1}{3}$から下図のような直角三角形が描ける.

Rendered by QuickLaTeX.com

このとき,三平方の定理から

\begin{align*} \mrm{AB}=\sqrt{3^2-1^2}=2\sqrt{2} \end{align*}

となるので

\begin{align*} &\cos{\theta}=\frac{\mrm{AB}}{\mrm{CA}}=\frac{2\sqrt{2}}{3}, \\&\tan{\theta}=\frac{\mrm{CA}}{\mrm{AB}}=\frac{1}{2\sqrt{2}} \end{align*}

が得られる.

このように,三角比$\sin{\theta}$, $\cos{\theta}$, $\tan{\theta}$ ($0^\circ<\theta<90^\circ$)のうちの1つの値が分かっていれば直角三角形の形が決まるので,他の2つの値も決まるわけです.

これは,三角比の間には関係があるということで,その関係式が上で紹介したものなわけですね.

三角比($\sin{\theta}$, $\cos{\theta}$, $\tan{\theta}$)のうちの1つの値が分かっていれば,他の2つの三角比の値も計算できる.

4つの関係式の証明

証明にあたって,もう一度4つの基本関係式を書いておきます.

[三角比の4つの基本関係式] $0<\theta<90^\circ$なる実数$\theta$について

  1. $\tan{\theta}=\dfrac{\sin{\theta}}{\cos{\theta}}$
  2. $\cos^{2}{\theta}+\sin^{2}{\theta}=1$
  3. $1+\tan^{2}{\theta}=\dfrac{1}{\cos^{2}{\theta}}$
  4. $1+\dfrac{1}{\tan^{2}{\theta}}=\dfrac{1}{\sin^{2}{\theta}}$

の4つの関係式が成り立つ.

ここでは

  • 定義に則した証明
  • 便利な考え方による証明

の2つを紹介します.

定義に則した証明

1つ目の関係式$\tan{\theta}=\dfrac{\sin{\theta}}{\cos{\theta}}$は分母を払った$\tan{\theta}\cos{\theta}=\sin{\theta}$とも同値ですね.

定義より$\theta=\ang{A}$かつ$\ang{B}=90^\circ$を満たす$\tri{ABC}$に対して

\begin{align*} \cos{\theta}=\dfrac{\mrm{AB}}{\mrm{AC}},\quad \sin{\theta}=\dfrac{\mrm{BC}}{\mrm{AC}},\quad \tan{\theta}=\dfrac{\mrm{CB}}{\mrm{AB}} \end{align*}

である.

Rendered by QuickLaTeX.com

よって,この$\sin{\theta}$, $\cos{\theta}$, $\tan{\theta}$の定義と,三平方の定理$\mrm{AB}^2+\mrm{BC}^2=\mrm{CA}^2$より

\begin{align*} \tan{\theta}\cos{\theta} =&\frac{\mrm{CB}}{\mrm{AB}}\cdot\frac{\mrm{AB}}{\mrm{AC}} \\=&\frac{\mrm{BC}}{\mrm{AC}} =\sin{\theta}, \end{align*}

\begin{align*} \\\cos^2{\theta}+\sin^2{\theta} =&\bra{\frac{\mrm{AB}}{\mrm{AC}}}^2+\bra{\frac{\mrm{BC}}{\mrm{AC}}}^2 \\=&\frac{\mrm{AB}^2+\mrm{BC}^2}{\mrm{AC}^2} =\frac{\mrm{AC}^2}{\mrm{AC}^2} =1, \end{align*}

\begin{align*} \\1+\tan^{2}{\theta} =&1+\bra{\frac{\mrm{CB}}{\mrm{AB}}}^2 \\=&\frac{\mrm{AB}^2+\mrm{CB}^2}{\mrm{AB}^2} \\=&\frac{\mrm{CA}^2}{\mrm{AB}^2} =\frac{1}{\cos^2{\theta}}, \end{align*}

\begin{align*} \\1+\frac{1}{\tan^{2}{\theta}} =&1+\bra{\frac{\mrm{AB}}{\mrm{CB}}}^2 \\=&\frac{\mrm{CB}^2+\mrm{AB}^2}{\mrm{CB}^2} \\=&\frac{\mrm{CA}^2}{\mrm{CB}^2} =\frac{1}{\sin^2{\theta}}. \end{align*}

が得られる.

ただ定義に従って$\sin{\theta}$, $\cos{\theta}$, $\tan{\theta}$を辺の比を用いて表し,必要なら三平方の定理を用いて変形しただけですね.

便利な考え方による証明

次に,知っておきたい便利な考え方による証明をします.

1つ目の関係式と2つ目の関係式

斜辺の長さが$r$の直角三角形に対して,以下が成り立つことは当たり前にしておきましょう.

斜辺ACの長さが$r$の直角三角形$\tri{ABC}$において,

  • $\mrm{AB}=r\cos{\theta}$
  • $\mrm{BC}=r\sin{\theta}$

が成り立つ.

*** QuickLaTeX cannot compile formula:
\begin{tikzpicture}

\coordinate[label=left:$\mrm{A}$] (A) at (0,0);
\coordinate[label=right:$\mrm{B}$] (B) at (3,0);
\coordinate[label=right:$\mrm{C}$] (C) at (3,2);

\draw[very thick] (A)- -(B)- -(C)- -cycle;
\draw(0.5,0) arc(0:{atan(2/3) r}:0.5);
\draw({atan(1/3) r}0.7)node{$\theta$};
\draw(2.7,0)- -(2.7,0.3)- -(3,0.3);

\draw($(C)!0.5!(B)$)node[right]{$r\sin{\theta}$};
\draw($(A)!0.5!(C)$)node[above left]{$r$};
\draw($(A)!0.5!(B)$)node[below]{$r\cos{\theta}$};

\end{tikzpicture}

*** Error message:
Package pgf Error: No shape named `{atan(1/3) r}0' is known.
leading text: \draw({atan(1/3) r}0.7)

つまり,斜辺の長さが分かれば,残りの2辺は$\sin{\theta}$, $\cos{\theta}$をかければ得られるということになります.

よりシンプルには,斜辺の長さが1の直角三角形$\tri{ABC}$を考えると,残りの2辺の長さは$\cos{\theta}$と$\sin{\theta}$となりますね.

*** QuickLaTeX cannot compile formula:
\begin{tikzpicture}

\coordinate[label=left:$\mrm{A}$] (A) at (0,0);
\coordinate[label=right:$\mrm{B}$] (B) at (3,0);
\coordinate[label=right:$\mrm{C}$] (C) at (3,2);

\draw[very thick] (A)- -(B)- -(C)- -cycle;
\draw(0.5,0) arc(0:{atan(2/3) r}:0.5);
\draw({atan(1/3) r}0.7)node{$\theta$};
\draw(2.7,0)- -(2.7,0.3)- -(3,0.3);

\draw($(C)!0.5!(B)$)node[right]{$\sin{\theta}$};
\draw($(A)!0.5!(C)$)node[above left]{$1$};
\draw($(A)!0.5!(B)$)node[below]{$\cos{\theta}$};

\end{tikzpicture}

*** Error message:
Package pgf Error: No shape named `{atan(1/3) r}0' is known.
leading text: \draw({atan(1/3) r}0.7)

この図を用いると,1つ目の関係式と2つ目の関係式は一瞬で証明できます.

$\theta=\ang{A}$かつ$\ang{B}=90^\circ$を満たす斜辺の長さが1の直角三角形ABCを考える.

(1) $\tan{\theta}$の定義より

\begin{align*} \tan{\theta} =\frac{\mrm{BC}}{\mrm{AB}} =\frac{\sin{\theta}}{\cos{\theta}}. \end{align*}

(2) 三平方の定理より

\begin{align*} \cos^2{\theta}+\sin^2{\theta}=1. \end{align*}

関係式$\tan{\theta}=\dfrac{\sin{\theta}}{\cos{\theta}}$と$\cos^{2}{\theta}+\sin^{2}{\theta}=1$は,斜辺1の直角から直ちに得られる.

3つ目の関係式と4つ目の関係式

また,3つ目の関係式と4つ目の関係式は以下のようにすれば直ちに得られます.

(3) 2つめの関係式の等式$\cos^{2}{\theta}+\sin^{2}{\theta}=1$の両辺を$\cos^{2}{\theta}$で割って,1つ目の関係式$\tan{\theta}=\dfrac{\sin{\theta}}{\cos{\theta}}$を使えば

\begin{align*} &1+\bra{\dfrac{\sin{\theta}}{\cos{\theta}}}^{2}=\dfrac{1}{\cos^{2}{\theta}} \\\iff&1+\tan^{2}{\theta}=\dfrac{1}{\cos^{2}{\theta}}. \end{align*}

(4) 2つめの関係式の等式$\cos^{2}{\theta}+\sin^{2}{\theta}=1$の両辺を$\sin^{2}{\theta}$で割って,1つ目の関係式(の逆数)$\dfrac{1}{\tan{\theta}}=\dfrac{\cos{\theta}}{\sin{\theta}}$を使えば

\begin{align*} &\bra{\dfrac{\cos{\theta}}{\sin{\theta}}}^{2}+1=\dfrac{1}{\sin^{2}{\theta}} \\\iff&1+\dfrac{1}{\tan^{2}{\theta}}=\dfrac{1}{\cos^{2}{\theta}}. \end{align*}

このように,3つ目の関係式と4つ目の関係式は,1つ目の関係式と2つ目の関係式から同じようにすぐに求められるわけですね.

この「便利な考え方による証明」が分かっていれば,4つの関係式はほとんど覚えなくても成り立つことはすぐに導けますね.

関係式$1+\tan^{2}{\theta}=\dfrac{1}{\cos^{2}{\theta}}$と$1+\dfrac{1}{\tan^{2}{\theta}}=\dfrac{1}{\sin^{2}{\theta}}$は,関係式$\tan{\theta}=\dfrac{\sin{\theta}}{\cos{\theta}}$と$\cos^{2}{\theta}+\sin^{2}{\theta}=1$から直ちに得られる.

角度が$(90^\circ-\theta)$の三角比

三角比$\sin{\theta}$, $\cos{\theta}$, $\tan{\theta}$で角度を$90^\circ-\theta$とした$\sin{(90^\circ-\theta)}$, $\cos{(90^\circ-\theta)}$, $\tan{(90^\circ-\theta)}$はいずれも$\sin{\theta}$, $\cos{\theta}$, $\tan{\theta}$で表すことができます.

また,これらの公式の証明は非常にシンプルであり,理解できればほとんど当たり前で覚える必要もないことが分かります.

次の記事では,この3つの角度の変換公式を説明します.

最後までありがとうございました!

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