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三角比6|【正弦定理】の使い方を具体例から考えよう

三角比を学んで非常に役立つ定理が【正弦定理】と【余弦定理】です.

sinのことを「正弦」,cosのことを「余弦」というのでしたから,【正弦定理】がsinを使う定理で,【余弦定理】がcosを使う定理だということは容易に想像が付きますね.

【正弦定理】と【余弦定理】は三角形の「辺の長さ」と「角の大きさ」についての定理で,図形を考えるときには基本的な定理です.

この記事では,まず【正弦定理】について説明します.

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円周角の定理

正弦定理を説明するために,まず円周角の定理について復習しておきましょう.

中心角と円周角

まずは言葉の定義です.

中心Oの円周上の異なる2点A, B, Cに対して,\ang{AOC}, \ang{ABC}をそれぞれ弧ACに対する中心角 (central angle),円周角 (inscribed angle)という.ただし,ここでの弧ACはBを含まない方の弧である.

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円周角の定理

さて,円周角の定理 (inscribed angle theorem)は以下の通りです.

[円周角の定理] 中心Oの円周上の2点A, Cを考える.このとき,次が成り立つ.

  1. 直線ACに関してOと同じ側の円周上の任意の点Bに対して,2\ang{ABC}=\ang{AOC}が成り立つ.
  2. 直線ACに関して同じ側にある円周上の任意の2点B, B’に対して,\ang{ABC}=\ang{AB'C}が成り立つ.

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【円周角の定理】の詳しい証明はしませんが,

  1. 2\ang{ABC}=\ang{AOC}を示す.
  2. これにより\ang{ABC}=\dfrac{1}{2}\ang{AOC}=\ang{AB'C}が示される

という流れで証明することができます.

正弦定理

それでは正弦定理の説明に移ります.

正弦定理

正弦定理の内容は以下の通りです.

[正弦定理] 半径Rの外接円をもつ\tri{ABC}について,a=\mathrm{BC}, b=\mathrm{CA}, c=\mathrm{AB}とする.

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このとき,

(1) \begin{align*} \frac{a}{\sin{\ang{A}}} =\frac{b}{\sin{\ang{B}}} =\frac{c}{\sin{\ang{C}}} =2R \end{align*}

が成り立つ.

正弦定理は

  • 向かい合う角と辺が絡むとき
  • 外接円の半径が絡むとき

に使うことが多いです.特に,「外接円の半径」というワードを見たときには,正弦定理は真っ先に考えたいところです.

正弦定理の証明は最後に回し,先に応用例を考えます.

三角形の面積の公式

外接円の半径Rと,3辺の長さa, bcについて,三角形の面積は以下のように考えることができます.

外接円の半径がR\tri{ABC}について,a=\mathrm{BC}, b=\mathrm{CA}, c=\mathrm{AB}とすると,\tri{ABC}の面積は

\begin{align*} \tri{ABC}=\frac{abc}{4R} \end{align*}

で求まる.

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[証明]

正弦定理より\sin{\ang{A}}=\dfrac{a}{2R}だから,

\begin{align*} \tri{ABC} =\frac{1}{2}bc\sin{\ang{A}} =\frac{1}{2}bc\cdot\frac{a}{2R} =\frac{abc}{4R} \end{align*}

が成り立ちます.

[証明終]

「外接円の半径Rと3辺の長さa, bcが分かっていれば,三角形の面積Rが求まる」のもそうですが,逆に言えば「三角形の面積Sと3辺の長さa, bcが分かっていれば,外接円の半径Rが求まる」ということもできますね.

正弦定理の例

以下の例では,a=\mathrm{BC}, b=\mathrm{CA}, c=\mathrm{AB}とし,\tri{ABC}の外接円の半径をRとします.

例1

a=2, \sin{\ang{A}}=\dfrac{1}{3}, \sin{\ang{B}}=\dfrac{1}{4}\tri{ABC}を考える.正弦定理より

\begin{align*} 2R=\frac{a}{\sin{\ang{A}}} =\frac{2}{\frac{1}{3}} =6 \end{align*}

なので,R=3である.また,

\begin{align*} 2R=\frac{b}{\sin{\ang{B}}} \iff&6=\frac{b}{\frac{1}{4}} \\\iff&b=\frac{3}{2} \end{align*}

である.

例2

a=2, \ang{B}=45^\circ, R=2\tri{ABC}を考える.正弦定理より

\begin{align*} 2R=\frac{a}{\sin{\ang{A}}} \iff& 4=\frac{2}{\sin{\ang{A}}} \\\iff& \sin{\ang{A}}=\frac{1}{2} \end{align*}

なので,\ang{A}=30^\circ, 150^\circである.また,正弦定理より

\begin{align*} 2R=\frac{b}{\sin{\ang{B}}} \iff& 4=\frac{b}{\sin{45^\circ}} \\\iff& 4=\frac{b}{\frac{1}{\sqrt{2}}} \\\iff& b=2\sqrt{2} \end{align*}

である.

例3

\sin{15}=\dfrac{\sqrt{6}-\sqrt{2}}{4}が成り立つことは使ってよいとする.

c=4, \ang{C}=45^\circ, \ang{B}=15^\circ\tri{ABC}を考える.このとき,\ang{A}=180^\circ-\ang{B}-\ang{C}=120^\circだから,正弦定理より

\begin{align*} 2R=\frac{c}{\sin{\ang{C}}} =\frac{4}{\sin{45^\circ}} =\frac{4}{\frac{1}{\sqrt{2}}} =4\sqrt{2} \end{align*}

だから,R=2\sqrt{2}である.また,正弦定理より

\begin{align*} \frac{a}{\sin{\ang{A}}}=2R \iff&\frac{a}{\sin{120^\circ}}=4\sqrt{2} \\\iff&\frac{a}{\frac{\sqrt{3}}{2}}=4\sqrt{2} \\\iff&a=2\sqrt{6}, \\\frac{b}{\sin{\ang{B}}}=2R \iff&\frac{b}{\sin{15^\circ}}=4\sqrt{2} \\\iff&\frac{b}{\frac{\sqrt{6}-\sqrt{2}}{4}}=4\sqrt{2} \\\iff&b=2(\sqrt{3}-1) \end{align*}

である.よって,

\begin{align*} S &=\frac{1}{2}bc\sin{A} \\&=\frac{1}{2}\cdot2(\sqrt{3}-1)\cdot4\cdot\sin{120^\circ} \\&=\frac{1}{2}\cdot2(\sqrt{3}-1)\cdot4\cdot\frac{\sqrt{3}}{2} \\&=2\sqrt{3}(\sqrt{3}-1) \end{align*}

となる.また,面積は上でみた面積の公式を用いて

\begin{align*} S=\frac{abc}{4R} =\frac{2\sqrt{6}\cdot2(\sqrt{3}-1)\cdot4}{4\cdot2\sqrt{2}} =2\sqrt{3}(\sqrt{3}-1) \end{align*}

としてもよい.

正弦定理の証明

2R=\dfrac{a}{\sin{\ang{A}}}の分母を払って,2R\sin{\ang{A}}=aを示せばよいですね.これを

  • 0^\circ<\ang{A}<90^\circの場合
  • \ang{A}=90^\circの場合
  • 90^\circ<\ang{A}<180^\circの場合

に分けて証明しましょう.

[1] 0^\circ<\ang{A}<90^\circの場合

線分BDが外接円の直径となるように点Dをとります.

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このとき,\ang{BCD}=90^\circなので,

\begin{align*} \sin{\ang{D}} =\frac{\mathrm{BC}}{\mathrm{BD}} =\frac{a}{2R} \end{align*}

だから2R\sin{\ang{D}}=aであり,弧BCに関する円周角の定理より\ang{A}=\ang{D}だから,2R\sin{\ang{A}}=aが従う.

[2] \ang{A}=90^\circの場合

線分BCが外接円の直径となります.

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よって,2R=aが成り立ちます.

\ang{A}=90^\circなので,\sin{\ang{A}}=1だから2R\sin{\ang{A}}=aが成り立ちます.

[3] 90^\circ<\ang{A}<180^\circの場合

外接円の中心を点Oとし,線分BDが外接円の直径となるように点Dをとります.

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このとき,\ang{BCD}=90^\circなので,

\begin{align*} \sin{\ang{D}} =\frac{\mathrm{BC}}{\mathrm{BD}} =\frac{a}{2R} \end{align*}

だから2R\sin{\ang{D}}=aである.

また,弧BCに関する円周角の定理より2\ang{A}=\ang{BOC}(>180^\circ)2\ang{D}=\ang{BOC}(<180^\circ)だから,2\ang{A}+2\ang{D}=360^\circが従う.よって,\ang{D}=180^\circ-\ang{A}が成り立つ.

(180^\circ-\theta)型の変換公式より,\sin{\ang{D}}=\sin{180^\circ-\ang{A}}=\sin{\ang{A}}なので,2R\sin{\ang{A}}=aを得る.

以上より,いつでも2R=\dfrac{a}{\sin{\ang{A}}}が成り立つことが分かりました.

同様に2R=\dfrac{b}{\sin{\ang{B}}}, 2R=\dfrac{c}{\sin{\ang{C}}}も証明できるので,

(2) \begin{align*} \frac{a}{\sin{\ang{A}}} =\frac{b}{\sin{\ang{B}}} =\frac{c}{\sin{\ang{C}}} =2R \end{align*}

が得られました.

最後まで読んで下さってありがとうございました!

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