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無限級数3|無限等比級数の収束・発散は初項と公比に注目!

数列$\{a_n\}$に対して$a_1+a_2+a_3+\dots$と足していった極限を$\sum\limits_{k=1}^{\infty}a_k$と表し,これを「無限級数」というのでした.

このように,無限級数のイメージは無限個の項の和ですが,正確には部分和$\sum\limits_{k=1}^{n}a_k$の極限として定義されるのでした.

さて,数列$\{a_n\}$が等比数列のとき,$\{a_n\}$の無限級数$\sum\limits_{k=1}^{\infty}a_k$を[無限等比級数]といいます.

[無限等比級数]は無限級数の中でも

  • 収束,発散が簡単に判別でき,
  • 収束する場合は簡単に計算ができる

という非常に性質の分かりやすい無限級数です.

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無限等比級数とは

無限等比級数を導入しましょう.

無限等比級数の例

冒頭でも簡単に書きましたが,[無限等比級数]は以下のように定義されます.

数列$\{a_n\}$が等比数列のとき,$\{a_n\}$の無限級数$\dsum_{k=1}^{\infty}a_k$を無限等比級数という.

なお,等比数列について詳しくは,以下の記事を参照してください.

たとえば

\begin{align*} \sum_{k=1}^{\infty} 2^k,\quad \sum_{k=1}^{\infty} -5\times3^{k-1},\quad \sum_{k=1}^{\infty} 2\times\bra{-\frac{1}{2}}^k \end{align*}

は全て[無限等比級数]です.すなわち,一般に[無限等比級数]は

\begin{align*} \dsum_{k=1}^{\infty}ar^{k-1} \end{align*}

の形で表すことができますね.

なぜ無限等比級数が大事なのか

数列$\{a_n\}$がよく分からない数列であれば,この無限級数$\sum\limits_{k=1}^{\infty}a_k$もよく分からないことになりそうです.

逆に言えば,数列$\{a_n\}$が性質の良い数列であれば,この無限級数$\sum\limits_{k=1}^{\infty}a_k$も考えやすいものになるでしょう.

一般に,無限級数$\sum\limits_{k=1}^{\infty}a_k$の収束や発散の判定は難しいことが多く,

  • $\dsum_{k=1}^{\infty} \dfrac{1}{k^2}$
  • $\dsum_{k=1}^{\infty} \dfrac{1}{k}$

といった単純そうに見える無限級数でさえ,収束や発散の判定は面倒です.

これに対して,無限級数の中でも[無限等比級数]は非常に分かりやすく,

  • 収束と発散
  • 収束する場合には極限値

が簡単に分かります.

これが,無限級数の中でも特に[無限等比級数]が大切な理由です.

無限級数の中でも,等比数列の和の極限である[無限等比級数]は収束・発散の判定が簡単で扱いやすい.

無限等比級数の収束・発散条件

それでは,無限等比級数の収束・発散条件をみていきましょう.

以下では,初項$a$,公比$r$の等比数列$\{a_n\}$に対し,無限等比級数$\sum\limits_{k=1}^{\infty}a_k$を考えます.

初項について

最初に確認するのは初項$a$です.

もし$a=0$なら公比$r$が何であっても,$\{a_n\}$の一般項は$a_n=0$なので無限等比級数も

\begin{align*} \dsum_{k=1}^{\infty}a_k=0 \end{align*}

となり,収束することが分かりますね.

公比について

$a\neq0$のときには,次に公比$r$を確認します.

無限級数$\sum\limits_{k=1}^{\infty}a_k$はそもそも

\begin{align*} \sum_{k=1}^{\infty}a_k=\lim_{n\to\infty}\sum_{k=1}^{n}a_k \end{align*}

で定義されていたので,部分和$\sum\limits_{k=1}^{n}a_k$を計算し,$n\to\infty$での極限を考えればよいですね.

$\sum\limits_{k=1}^{n}a_k$は等比数列$\{a_n\}$の初項から第$n$項までの和なので,

  • $r=1$
  • $r\neq1$

の場合分けが必要ですね.

r=1の場合

$r=1$の場合には$\sum\limits_{k=1}^{n}a_k=an$なので,$\sum\limits_{k=1}^{\infty}a_k$は発散しますね.より詳しく書けば,

\begin{align*} \sum_{k=1}^{\infty}a_k =\begin{cases}\infty&(a>0)\\-\infty&(a<0)\end{cases} \end{align*}

となります.

確かに$r=1$なら一般項は$a_n=a$と一定なので,$a>0$なら和は$\infty$に発散し,$a<0$なら和は$-\infty$に発散するのは当たり前ですね.

r≠1の場合

$r\neq1$の場合には$S_n=\dfrac{a(1-r^{n})}{1-r}$で,この右辺の中にある$n$は分子の$r^n$だけです.$r^n$の$n\to\infty$での極限は

  • $-1<r<1$のとき,$\lim\limits_{n\to\infty}r^{n}=0$であり,
  • $r\leqq-1$のとき,$r^{n}$は振動し,
  • $1<r$のとき,$\lim\limits_{n\to\infty}r^{n}=\infty$

なので,無限等比級数$\sum\limits_{k=1}^{\infty}a_k$について

  • $-1<r<1$のとき,$\sum\limits_{k=1}^{\infty}a_k=\dfrac{a}{1-r}$であり,
  • $r\leqq-1$のとき,$\sum\limits_{k=1}^{n}a_k$は振動し,
  • $1<r$のとき,$\sum\limits_{k=1}^{\infty}a_k=\begin{cases}\infty&(a>0)\\-\infty&(a<0)\end{cases}$

と分かります.

以上をまとめると以下のようになりますね.

[無限等比級数の収束・発散条件] 初項$a$,公比$r$の数列$\{a_n\}$に対して,

  • $a=0$
  • $-1<r<1$

のとき,無限等比級数$\dsum_{k=1}^{\infty}a_n$は収束し,

\begin{align*} \sum_{k=1}^{\infty}a_n =\frac{a}{1-r} \end{align*}

となる.

また,この場合以外の$a$, $r$では無限等比級数$\dsum_{k=1}^{\infty}a_k$は以下のように発散する.

  • $r\leqq-1$のとき,$\dsum_{k=1}^{n}a_k$は振動
  • $1<r$のとき,$\dsum_{k=1}^{\infty}a_k=\begin{cases}\infty&(a>0)\\-\infty&(a<0)\end{cases}$

「$a=0$のときの極限は0ではないのか?」と疑問に思う人もいるかもしれませんが,これは心配ありません.

というのは,$a=0$の場合には$\dfrac{a}{1-r}=0$となるので,$a=0$の場合にも確かに極限は0となっているので,極限が$\dfrac{a}{1-r}$であるとして問題ありませんね.

なお,数列が収束しない場合には全て発散というので,「振動」も発散の1つですから注意してください.

[無限等比級数]は初項$a$を最初に確認し,$a=0$であれば収束する.$a\neq0$であれば次に公比$r$を確認し,$-1<r<1$であれば収束する.

ちなみに,私が高校生の時に

「『振動』を『振動発散』ともいう」

と年配の先生に習ったのですが,「振動発散」という言葉をそれ以来見聞きしたことがありません.もし,何かご存知の方がいらっしゃれば,是非ご教授願います.

最後までありがとうございました!

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