三角比5|(180°-θ)型の変換公式はめっちゃ簡単!

直角三角形を用いた三角比の定義では,$0^\circ<\theta<90^\circ$なる$\theta$に対してしか$\sin{\theta}$, $\cos{\theta}$, $\tan{\theta}$を考えることはできないのでした.

そこで,前回の記事では単位円を使って$0^\circ\leqq\theta\leqq180^\circ$なる$\theta$に対しても,$\sin{\theta}$, $\cos{\theta}$, $\tan{\theta}$の場合に考えられるようになりました.

さて,前々回の記事では$(90^\circ-\theta)$型の変換公式について説明しましたが,この記事では

  • $\sin{(180^\circ-\theta)}=\sin{\theta}$
  • $\cos{(180^\circ-\theta)}=-\cos{\theta}$
  • $\tan{(180^\circ-\theta)}=-\tan{\theta}$

が成り立つという$(180^\circ-\theta)$型の三角比の変換公式を考えます.

また,この$(180^\circ-\theta)$型の三角比の変換公式を使うことで,三角形の面積を$\sin$で表すことができます.

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3つの$(180^\circ-\theta)$型の変換公式

冒頭でも書いたように

  • $\sin{(180^{\circ}-\theta)}$
  • $\cos{(180^{\circ}-\theta)}$
  • $\tan{(180^{\circ}-\theta)}$

は,次のように三角比$\sin{\theta}$, $\cos{\theta}$, $\tan{\theta}$で表すことができます.

$0\leqq\theta\leqq180^\circ$なる実数$\theta$について,

  1. $\sin{(180^{\circ}-\theta)}=\sin{\theta}$
  2. $\cos{(180^{\circ}-\theta)}=-\cos{\theta}$
  3. $\tan{(180^{\circ}-\theta)}=-\tan{\theta}$

の3つの関係式が成り立つ.

$xy$平面上の単位円上の点Pは$y$座標が$0$以上であるとします.さらに,原点をO,点$(1,0)$をAとし,$\theta=\ang{AOP}$としましょう.

[1] $0^\circ\leqq\theta\leqq90^\circ$のとき

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[2] $90^\circ\leqq\theta\leqq180^\circ$のとき

Rendered by QuickLaTeX.com

このとき,$\tan{\theta}=\dfrac{\sin{\theta}}{\cos{\theta}}$でしたね.

また,$xy$平面上の単位円上の点Qは$y$座標が$0$以上であり,$180^\circ-\theta=\ang{AOQ}$としましょう.

$\sin$と$\cos$の公式

このとき,下図のようになります.

[1] $0^\circ\leqq\theta\leqq90^\circ$のとき

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[2] $90^\circ\leqq\theta\leqq180^\circ$のとき

Rendered by QuickLaTeX.com

$0^\circ\leqq\theta\leqq90^\circ$のときも$90^\circ\leqq\theta\leqq180^\circ$のときも,点Pと点Qは$y$軸対称ですね.

よって,Pの$x$座標とQの$x$座標は正負が逆になっているだけなので,

\begin{align*} \cos{(180^{\circ}-\theta)}=-\cos{\theta} \end{align*}

が成り立ち,Pの$y$座標とQの$y$座標は等しいので,

\begin{align*} \sin{(180^{\circ}-\theta)}=\sin{\theta} \end{align*}

が成り立ちます.

このように,単位円の$y$座標が0以上の部分で$y$軸対称な2点を考えれば,簡単に$(180^\circ-\theta)$型の変換公式が得られますね.

単位円上の点の$x$座標が$\cos$で,$y$座標が$\sin$であることから,図を描くことにより簡単に$(180^\circ-\theta)$型の変換公式が得られる.

$\tan$の公式

$\tan$の定義$\tan{\theta}=\dfrac{\sin{\theta}}{\cos{\theta}}$と,上で確かめた$\sin$, $\cos$の$(180^\circ-\theta)$型の公式より

\begin{align*} \tan{(180^\circ-\theta)} =\frac{\sin{(180^\circ-\theta)}}{\cos{(180^\circ-\theta)}} =\frac{\sin{\theta}}{-\cos{\theta}} =-\tan{\theta} \end{align*}

とすぐに公式が得られますが,図形的にも確かめておきましょう.

[1] $0^\circ\leqq\theta<90^\circ$のとき

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[2] $90^\circ<\theta\leqq180^\circ$のとき

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$0^\circ\leqq\theta<90^\circ$のときも$90^\circ<\theta\leqq180^\circ$のときも点Pと点Qは$y$軸対称なので,直線OPと直線$x=1$との交点と直線OQと直線$x=1$との交点は$x$軸対称です.

よって,「直線OPと直線$x=1$との交点の$y$座標」と「直線OQと直線$x=1$との交点の$y$座標」は正負が逆になっているだけなので,

\begin{align*} \tan{(180^{\circ}-\theta)}=-\tan{\theta} \end{align*}

が成り立ちますね.

$\sin{(180^\circ-\theta)}$, $\cos{(180^\circ-\theta)}$, $\tan{(180^\circ-\theta)}$は,単位円で$y$軸対称な2点を考えることでそれぞれ$\sin{\theta}$, $\cos{\theta}$, $\tan{\theta}$となる.

有名角の$\sin{\theta}$, $\cos{\theta}$, $\tan{\theta}$

$0^\circ<\theta<90^\circ$の場合の有名角$\theta=30^\circ,45^\circ,60^\circ$については,以前の記事で以下のように求めましたね.

有名角の$\sin{\theta}$, $\cos{\theta}$, $\tan{\theta}$
$\theta$ $\sin{\theta}$ $\cos{\theta}$ $\tan{\theta}$
$30^\circ$ $\dfrac{1}{2}$ $\dfrac{\sqrt{3}}{2}$ $\dfrac{1}{\sqrt{3}}$
$45^\circ$ $\dfrac{\sqrt{2}}{2}$ $\dfrac{\sqrt{2}}{2}$ $1$
$60^\circ$ $\dfrac{\sqrt{3}}{2}$ $\dfrac{1}{2}$ $\sqrt{3}$

また,前回の記事で説明した$\sin{\theta}$, $\cos{\theta}$, $\tan{\theta}$の定義から$\theta=0^\circ,90^\circ$の場合は下表のようになります.

有名角の$\sin{\theta}$, $\cos{\theta}$, $\tan{\theta}$
$\theta$ $\sin{\theta}$ $\cos{\theta}$ $\tan{\theta}$
$0^\circ$ $0$ $1$ $0$
$90^\circ$ $1$ $0$ 定義されない

$90^\circ<\theta\leqq180^\circ$の場合は,この記事で考えた公式から$0^\circ<\theta<90^\circ$の場合をもとにして考えることができます.

以上をまとめると,下表のようになりますね.

有名角の$\sin{\theta}$, $\cos{\theta}$, $\tan{\theta}$
$\theta$ $\sin{\theta}$ $\cos{\theta}$ $\tan{\theta}$
$0^\circ$ $0$ $1$ $0$
$30^\circ$ $\dfrac{1}{2}$ $\dfrac{\sqrt{3}}{2}$ $\dfrac{1}{\sqrt{3}}$
$45^\circ$ $\dfrac{\sqrt{2}}{2}$ $\dfrac{\sqrt{2}}{2}$ $1$
$60^\circ$ $\dfrac{\sqrt{3}}{2}$ $\dfrac{1}{2}$ $\sqrt{3}$
$90^\circ$ $1$ $0$ 定義されない
$120^\circ$ $\dfrac{\sqrt{3}}{2}$ $-\dfrac{1}{2}$ $-\sqrt{3}$
$135^\circ$ $\dfrac{\sqrt{2}}{2}$ $-\dfrac{\sqrt{2}}{2}$ $-1$
$150^\circ$ $\dfrac{1}{2}$ $-\dfrac{\sqrt{3}}{2}$ $\dfrac{1}{\sqrt{3}}$
$180^\circ$ $0$ $-1$ $0$

$\theta=90^\circ$に関して対称に考えれば,有名角$90^\circ$以上の有名角の値も分かる.また,$\cos{\theta}$, $\tan{\theta}$は$\theta=90^\circ$を境界として正から負に変化する.

三角形の面積の$\sin$公式

さて,三角形の面積は$\sin$を使って表すことができます.

$\tri{ABC}$について,$\theta=\ang{A}$, $b=\mrm{CA}$, $c=\mrm{AB}$とすると,$\tri{ABC}$の面積は

\begin{align*} \tri{ABC}=\frac{1}{2}bc\sin{\theta} \end{align*}

である.

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頂点Cから直線ABに下ろした垂線の足をHとすると,

\begin{align*} \tri{ABC} =\frac{1}{2}\cdot\mrm{CH}\cdot\mrm{AB} =\frac{1}{2}c\cdot\mrm{CH} \end{align*}

なので,$\mrm{CH}=b\sin{\theta}$であることを示せばよいですね.

[1] $0^\circ<\theta<90^\circ$のとき

点Hは直線AB上の点Aに関してB側にあるので,下図のようになります.

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よって,

\begin{align*} \mrm{CH} =\mrm{CA}\sin{\ang{A}} =b\sin{\theta} \end{align*}

が成り立ちます.

[2] $\theta=90^\circ$のとき

$\mrm{A}=\mrm{H}$となるので,下図のようになります.

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よって,

\begin{align*} \mrm{CH} =\mrm{CA} =\mrm{CA}\sin{90^\circ} =b\sin{\theta} \end{align*}

が成り立ちます.

[3] $0^\circ<\theta<90^\circ$のとき

点Hは直線AB上の点Aに関してB側と反対側にあるので,下図のようになります.

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よって,$(180^\circ-\theta)$型の変換公式より

\begin{align*} \mrm{CH} =&\mrm{CA}\sin{\ang{CAH}} \\=&\mrm{CA}\sin{(180^\circ-\ang{CAB})} \\=&\mrm{CA}\sin{\ang{CAB}} \\=&b\sin{\theta} \end{align*}

が成り立ちます.

三角形の面積は「2辺の長さ」と「その間の角の大きさ」が分かっていれば,求めることができる.

次の記事では,三角形の重要定理である【正弦定理】を説明します.

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