ベクトル4|[位置ベクトル]と内分・外分に関するベクトル

図形と方程式の分野では,線分の

  • 内分点
  • 外分点

を考えました.

ベクトルでも,内分点,外分点に関するベクトルが登場し,図形においてこのベクトルはとても活躍します.

公式の考え方は図形と方程式の分野で学んだ[内分点の公式],[外分点の公式]とほとんど変わらず,そのため公式の形もほとんど同じです.

ただし,ベクトルにおいてはここで[位置ベクトル]という概念が登場します.

この記事では

  • 位置ベクトルの考え方
  • 内分点・外分点の位置ベクトル
  • 三角形の重心の位置ベクトル

について説明します.

位置ベクトル

$xy$平面上の原点$(0,0)$をOとし,$xy$平面上の点$\mrm{X}(a,b)$を考えると,原点Oから点Xへ向かうベクトルは$\ve{x}=\pmat{a\\b}$となります.

Rendered by QuickLaTeX.com

つまり,$xy$平面上の点Xを指定すれば,原点Oから点Xへ向かうベクトルを考えることができます.

しかし,ベクトルは$xy$平面のような座標上で考えるとは限らず,そのため「原点」がそもそも存在しないこともあります.

そのようなときには,「原点に相当する点O」を決めて,点Oを始点とするベクトルを考えると便利なことがよくあり,このベクトルを位置ベクトルといいます.

点Oと点Xを考える.このとき,$\ve{x}=\Ve{OX}$で定まるベクトルを「点Oに関する点Xの位置ベクトル」という.ただし,点Oをとくに定めないときは,単に「点Xの位置ベクトル」という.

また,点Xの位置ベクトルが$\ve{x}$のとき,$\mrm{X}(\ve{x})$と表す.

Rendered by QuickLaTeX.com

$\mrm{X}(\ve{x})$と表すのは,座標を$\mrm{X}(a,b)$と表すのと同じ感覚です.

この位置ベクトルは,座標が入っていないような図形において活躍します.

内分・外分とベクトル

図形と方程式の[内分点の公式],[外分点の公式]を説明したのち,それぞれに対応するベクトルの公式を説明します.

内分点と外分点

$xy$平面上の内分点と外分点は以下のように計算できるのでした.

$xy$平面上の2点$\mrm{A}(a_1,a_2)$, $\mrm{B}(b_1,b_2)$に対し,線分ABを$m:n$に内分する点をP,$m:n$に外分する点をQとすると,それぞれの座標は

\begin{align*} &\mrm{P}\bra{\frac{na_1+mb_1}{m+n},\frac{na_2+mb_2}{m+n}}, \\&\mrm{Q}\bra{\frac{-na_1+mb_1}{m-n},\frac{-na_2+mb_2}{m-n}} \end{align*}

となる.

Rendered by QuickLaTeX.com

内分点・外分点の位置ベクトル

座標が入っていない場合でも,位置ベクトルを用いることで内分・外分の位置を表すことができます.

平面上の2点$\mrm{A}(\ve{a})$, $\mrm{B}(\ve{b})$に対して,線分ABを$m:n$に内分する点を$\mrm{P}(\ve{p})$,$m:n$に外分する点を$\mrm{Q}(\ve{q})$とすると,

\begin{align*} &\ve{p}=\frac{n\ve{a}+m\ve{b}}{m+n}, \\&\ve{q}=\frac{-n\ve{a}+m\ve{b}}{m-n} \end{align*}

となる.

Rendered by QuickLaTeX.com

この公式は位置ベクトルの始点がどこであっても成り立ちます.

$xy$平面上に

  • 位置ベクトルの始点Oは原点$(0,0)$
  • Aは点$(a_1,a_2)$
  • Bは点$(b_1,b_2)$

となるようにおきます.

このとき,$\ve{a}=\pmat{a_1\\a_2}$, $\ve{b}=\pmat{b_1\\b_2}$なので,先ほどみた内分点,外分点の座標の公式と併せて

\begin{align*} \ve{p} =&\pmat{\frac{na_1+mb_1}{m+n}\\\frac{na_2+mb_2}{m+n}} =\frac{1}{m+n}\pmat{na_1+mb_1\\na_2+mb_2} \\=&\frac{1}{m+n}\bra{\pmat{na_1\\na_2}+\pmat{mb_1\\mb_2}} \\=&\frac{1}{m+n}\bra{n\pmat{a_1\\a_2}+m\pmat{b_1\\b_2}} \\=&\frac{1}{m+n}\bra{n\ve{a}+m\ve{b}} =\frac{n\ve{a}+m\ve{b}}{m+n}, \\\ve{q} =&\pmat{\frac{-na_1+mb_1}{m-n}\\\frac{-na_2+mb_2}{m-n}} =\frac{1}{m-n}\pmat{-na_1+mb_1\\-na_2+mb_2} \\=&\frac{1}{m-n}\bra{\pmat{-na_1\\-na_2}+\pmat{mb_1\\mb_2}} \\=&\frac{1}{m-n}\bra{-n\pmat{a_1\\a_2}+m\pmat{b_1\\b_2}} \\=&\frac{1}{m-n}\bra{-n\ve{a}+m\ve{b}} =\frac{-n\ve{a}+m\ve{b}}{m-n} \end{align*}

となります.

このように,証明を考えると$xy$平面上の内分点,外分点の公式と同じ形をしているのが当たり前に見えてきますね?

重心のベクトル

今の内分点の位置ベクトルの公式を使えば,三角形の重心の位置ベクトルは三角形の3頂点の位置ベクトルから求めることができます.

平面上の三角形ABCに対して,頂点A, B, Cの位置ベクトルをそれぞれ$\ve{a}$, $\ve{b}$, $\ve{c}$とする.このとき,三角形ABCの重心Gの位置ベクトル$\ve{g}$は

\begin{align*} &\ve{g}=\frac{\ve{a}+\ve{b}+\ve{c}}{3} \end{align*}

となる.

Rendered by QuickLaTeX.com

直線CGと辺ABの交点をDとすると,三角形の重心の性質から

  • $\mrm{AD}=\mrm{DB}$
  • $\mrm{CG}:\mrm{GD}=2:1$

が成り立つ.よって,[内分点の位置ベクトル]の公式より

\begin{align*} \ve{g} =&\frac{1\cdot\ve{c}+2\cdot\ve{d}}{1+2} =\frac{\ve{c}+2\ve{d}}{3} \\=&\frac{\ve{c}+2\cdot\frac{\ve{a}+\ve{b}}{1+1}}{3} =\frac{\ve{a}+\ve{b}+\ve{c}}{3} \end{align*}

を得る.

このように,「位置ベクトル」は$xy$平面での「座標」のように扱うことができて便利ですね.

次の記事では,使えるととても便利な[ベクトル方程式]を説明します.

最後までありがとうございました!

参考になった方は是非シェアをお願いします!

フォローする

以下の関連記事もいかがですか?

SPONSORED LINK
関連記事

記事一覧はこちらからどうぞ!

記事

一覧へ

Twitterを

フォロー

TouTube

を見る

オススメ

参考書

大学数学の

姉妹ブログ