ベクトルの分野でも内分・外分に関する便利な公式があり,図形を考える際に非常に活躍します.
内分・外分のベクトルの公式の考え方は図形と方程式の分野の公式とほとんど変わらず,そのため公式の形もほとんど同じです.
この記事では
- 内分・外分の座標の公式
- 内分・外分のベクトルの公式
- 三角形の重心の位置ベクトル
について説明します.
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内分・外分の座標の公式
まずは$xy$平面上の内分・外分の公式を思い出しておきましょう.
$xy$平面上の2点$\mrm{A}(a_1,a_2)$, $\mrm{B}(b_1,b_2)$に対し,線分$\mrm{AB}$を$m:n$に内分する点を$\mrm{P}$,$m:n$に外分する点を$\mrm{Q}$とすると,それぞれの座標は
である.
$x$座標も$y$座標も
- 内分の場合は$\frac{na+mb}{m+n}$
- 外分の場合は$\frac{-na+mb}{m-n}$
の形になっていますね.
外分の場合は分母分子に$-1$をかければ$\dfrac{-na+mb}{m-n}=\dfrac{na-mb}{-m+n}$なので,マイナスをつけるのは$n$の方でも$m$の方でもどちらでも構いません.
内分・外分のベクトルの公式
次にベクトルの内分・外分の公式を説明します.
内分のベクトルの公式
$\tri{OAB}$について,線分$\mrm{AB}$を$m:n$に内分する点を$\mrm{P}$とすると,
が成り立つ.
座標上の内分の公式と同様の形をしていますね.
点$\mrm{P}$は線分$\mrm{AB}$を$m:n$に内分するから,
である.よって,
が成り立つ.
外分のベクトルの公式
$\tri{OAB}$について,線分$\mrm{AB}$を$m:n$に外分する点を$\mrm{Q}$とすると,
が成り立つ.
座標上の外分の公式と同様の形をしていますね.
点$\mrm{Q}$は線分$\mrm{AB}$を$m:n$に外分するから,
である.よって,
が成り立つ.
重心のベクトル
いまのベクトルの内分の公式を使えば,三角形の重心のベクトルは次のように表すことができます.
$\tri{ABC}$の重心を$\mrm{G}$とするとき,
が成り立つ.
直線$\mrm{AG}$と辺$\mrm{BC}$の交点を$\mrm{D}$とすると,三角形の重心の性質から
が成り立つ.ベクトルの内分の公式より
だから,
が成り立つ.
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