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図形と方程式の基本7|円と直線の共有点

前の記事「図形と方程式の基本6|円の方程式」の続きです.

前回までの記事で,直線の方程式と円の方程式について一通り書きました.

次は,直線と円の関係について考えます.円と直線の位置関係は,

  1. 直線と円がちょうど2つ共有点をもつ
  2. 直線と円がちょうど1つ共有点をもつ(接する)
  3. 直線と円が共有点をもたない

の3種類あり,直線の方程式と円の方程式が与えられたとき,上の1~3のどれになるのかを判別出来るようになっておかなければなりません.

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判別式による判定法

原点中心,半径rの円Cの方程式x^2+y^2=r^2と,直線lの方程式y=ax+bを考えます.

Cと直線lの共有点(x,y)x^2+y^2=r^2y=ax+bの両方を同時にみたすので,共有点は連立方程式

\begin{cases}x^2+y^2=r^2\\y=ax+b\end{cases}

の解です.yを消去すると,xの2次方程式

x^2+(ax+b)^2=r^2

ができます.この2次方程式の解をy=ax+bに代入すると,y座標が求まり,またこの点はx^2+y^2=r^2をみたすことも分かります.

xの2次方程式の解の個数は判別式を用いて考えられることに注意すると,次が成り立つことが分かります.

[円と直線の位置関係1] 円Cx^2+y^2=r^2と,直線ly=ax+bについて,この2式からyを消去してできる2次方程式の判別式をDとする.

このとき,次が成り立つ.

  1. 直線と円がちょうど2つ共有点をもつことと,D>0は同値
  2. 直線と円がちょうど1つ共有点をもつ(接する)ことと,D=0は同値
  3. 直線と円が共有点をもたないことと,D<0は同値

なお,念のため書いておくと,2次方程式の判別式Dについて,

  1. 2次方程式が実数解をちょうど2個もつことと,D>0は同値
  2. 2次方程式が実数解をちょうど1個もつことと,D=0は同値
  3. 2次方程式が実数解をもたないことと,D<0は同値

が成り立つことを用いました.

直線と円がちょうど2つ共有点をもつ例

xy平面上の円x^2+y^2=5と,直線y=x+1は共有点を何個持つか.また,共有点が存在するとき,その共有点をすべて求めよ.

共有点(x,y)x^2+y^2=5y=x+1の両方を同時にみたすから,連立方程式

\begin{cases}x^2+y^2=5\\y=x+1\end{cases}

の解が共有点である.yを消去して,

x^2+(x+1)^2=5

である.変形すると,(x+2)(x-1)=0なので,共有点のx座標は1-2である.それぞれに対応するy座標は,y=x+1に代入して2-1である.

よって,共有点は(1,2)(-2,-1)の2個存在する(この2点は円の方程式もみたす).

直線と円がちょうど1つ共有点をもつ(接する)例

xy平面上の円x^2+y^2=2と,直線y=x-2は共有点を何個持つか.また,共有点が存在するとき,その共有点をすべて求めよ.

共有点(x,y)x^2+y^2=2y=x-2の両方を同時にみたすから,連立方程式

\begin{cases}x^2+y^2=2\\y=x-2\end{cases}

の解が共有点である.yを消去して,

x^2+(x-2)^2=2

である.変形すると,(x-1)^2=0なので,共有点のx座標は1である.対応するy座標は,y=x-2に代入して-1である.

よって,共有点は(1,-1)の1個存在する(この点は円の方程式もみたす).

直線と円が共有点をもたない例

xy平面上の円x^2+y^2=3と,直線y=x+5は共有点を何個持つか.また,共有点が存在するとき,その共有点をすべて求めよ.

共有点(x,y)x^2+y^2=3y=x+5の両方を同時にみたすから,連立方程式

\begin{cases}x^2+y^2=3\\y=x+5\end{cases}

の解が共有点である.yを消去して,

x^2+(x+5)^2=3

である.変形すると,x^2+5x+11=0であり,判別式は

5^2-4\times1\times11=25-44=-19<0

なので,共有点は存在しない.

点と直線の距離による判定法

念のため,点と直線の距離の公式を書いておきます.

[点と直線の距離] 点(\alpha,\beta)と直線ax+by+c=0 (abの少なくとも一方は0でない)の距離dは次で表される:

d=\dfrac{|a\alpha+b\beta+c|}{\sqrt{a^2+b^2}}

参考記事:図形と方程式の基本5|2点間の距離,点と直線の距離

(\alpha,\beta)中心,半径rの円Cの方程式(x-\alpha)^2+(y-\beta)^2=r^2と,直線lの方程式ax+by+c=0を考えます.

図形的に考えると,円と直線の共有点は「円Cの中心と直線lの距離」と「円Cの半径」の大小で判別することができます.

すなわち,次が成り立ちます.

[円と直線の位置関係2] 中心(\alpha,\beta)の円と,直線lax+by+c=0について,円Cの中心と直線lの距離をdとすると次が成り立つ.

  1. 直線と円がちょうど2つ共有点をもつことと,d<rは同値
  2. 直線と円がちょうど1つ共有点をもつ(接する)ことと,d=rは同値
  3. 直線と円が共有点をもたないことと,d>rは同値

これら1~3はそれぞれ以下の図をイメージすれば簡単に分かることでしょう.

1のとき

d<r

2のとき

d=r

3のとき

d>r

直線と円がちょうど2つ共有点をもつ例

xy平面上の円x^2+(y+1)^2=1と,直線x-3y+2=0は共有点を何個持つか.

円の半径は1で,円の中心(0,-1)と直線x-3y+1=0との距離は,

\dfrac{1\times0-3\times(-1)+2}{\sqrt{0^2+(-3)^2}}=\dfrac{5}{9}<1

なので,直線と円の共有点はちょうど2個存在する.

直線と円がちょうど1つ共有点をもつ(接する)例

xy平面上の円(x-4)^2+(y+3)^2=25と,直線3x-4y+1=0は共有点を何個持つか.

円の半径は5で,円の中心(4,-3)と直線3x-4y+1=0との距離は,

\dfrac{3\times4-4\times(-3)+1}{\sqrt{4^2+(-3)^2}}=\dfrac{25}{5}=5

なので,直線と円の共有点はちょうど1個存在する.

直線と円が共有点をもたない例

xy平面上の円(x-1)^2+(y+3)^2=3と,直線x-2y+3=0は共有点を何個持つか.

円の半径は\sqrt{3}で,円の中心(1,-3)と直線x-2y+3=0との距離は,

\dfrac{1\times1-2\times(-3)+3}{\sqrt{1^2+(-2)^2}}=\dfrac{10}{5}=2>\sqrt{3}

なので,直線と円の共有点は存在しない.

まとめ

円と直線の共有点の個数の判定法は

  1. 判別式による判定法
  2. 点と直線の距離による判定法

の2つがあるわけですが,「共有点の個数の判定法」という観点だけで見ると,2の「点と直線の距離による判定法」の方が汎用性もあり,計算量が圧倒的に少なく便利です.

2は円の中心が原点でなくても,また直線がy=の形でなくても使えることを考えても,「共有点の個数の判定法」としては1の「判別式による判定法」よりも優秀です.

しかし,1は共有点の個数を判定するだけでなく,そのあとに共有点の座標を求めることができることにメリットがあります.2を使えば共有点の個数を調べることは簡単にできますが,そのあとに共有点の座標を求めることには結びつきません.

このように,それぞれの判定法は便利に使える場面が異なるので,場合に応じて使い分けることが大切です.

次の記事「図形と方程式の基本8|円の接線の方程式」に続きます.

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